2時に起床しました。
昨日、購入しておいた
朝食を食べます。
昨日洗ったシャツとズボンは
夜露を避ける為に
日が暮れる頃に
テントの中に干していましたが
まだ濡れていました。
袖の部分をしぼると
まだ水滴が落ちます。
着る時に冷たかったですが
着てしまえばさほど気になりません。
それよりも洗ったことで
汗、汚れが落ちてサッパリしました。
標高が高い北アルプスのテント場は
明け方は寒く
平地の冬並みに冷える印象があり
明け方はダウンジャケットを着ます。
しかし今回の登山では
昨日もそうでしたが
さほど寒さは感じませんでした。
これも地球温暖化の影響なのかも
知れません。
テントを撤収しました。
出発前に、今日の行動用の水を
3L用意しました。
500mlのペットボトル、6本です。
そのうちの2Lは
スポドリの粉を入れておきます。
時間は3時50分を回ったところです。
今、出発すれば
お昼頃には栂海山荘に着けそうです。
水場までの距離、コースタイムを考えると
3Lあれば水は足りそうです。
プラティパスの2Lのボトルも
持参していますが
ここでは使わない事にします。
水は荷物の中でも
1番重いので
なるべく軽量のザックで歩いて
どこで必要な量を手に入れるかが
今日の重要なポイントです。
栂海山荘の手前の北俣ノ水場で
満タン、5Lの水を汲んでおいて
明日に備える。
5Lあれば
今晩の炊事用の水、
明日の行動用の水は足りそうです。
その作戦でいきます。
栂海新道を攻略するには
水場は重要ですね。
さて、行動開始です。
朝日岳に登る
先行する登山者のヘッドライトの明かりが
見えます。
昨日歩いた水平道の分岐点。
今日は直進して朝日岳に向かいます。
富山方面の街の明かりが見えます。
朝日小屋方面。
段々と夜が明けてきました。
途中、雪田を歩きます。
奥に白馬岳、旭岳が見えます。
朝日岳の山頂に到着しました。
ちょうど朝日が登るところでした。
朝日岳から見る朝日です。
朝日岳だけに素晴らしい朝日でした。
しつこいですね。
動画を撮影しました。
山頂はメマトイ等の虫が多く
ゆっくりくつろぎたい場所では
ありませんでした。
ひと通り写真を撮った後、
早々に立ち去ります。
朝日が輝く雪田を下ります。
雪倉岳方面の分岐点。
昨日歩いてきた山々が見えます。
ここで、また雷鳥に遭遇しました。
本当にこの山域は雷鳥が多いですね。
そしてこの雷鳥が
今回の登山で最後に遭遇した雷鳥でした。
白馬岳が遠ざかります。
この稜線を歩きます。
ここが栂海新道と五輪尾根の分岐点です。
他の登山者は五輪尾根方面に向かっています。
さて、私は栂海新道に入ります。
今回の山行の出発前、今回宿泊予定の
栂海山荘の予約を確認すると
宿泊者に
私の名前しかありませんでした。
この日も翌日も平日です。
もしかしたら下山するまで
誰にも会わないかもしれません。
しばらく進むと
木道が現れます。
周囲は高山植物のお花畑です。
照葉ノ池、
その向こうは朝日岳です。
白馬岳方面。
ここは素晴らしい場所です。
付近に他の登山者の姿は無く
この絶景を独占しました。
この辺りも秘境感がある場所ですね。
どこに行っても人が多いイメージのある
北アルプスですが
こんな隠れた素晴らしい場所があるのですね。
栂海新道は、海に向かって高度を下げながら
樹林帯の中のピークを
ひたすら越えて行くイメージがありましたが
序盤は絶景が広がる
素晴らしい場所でした。
動画を撮影しました。
長栂山のピークは
コースから少し外れた場所にあります。
せっかくなので立ち寄りました。
山頂から動画を撮影しました。
これからこの稜線を歩きます。
延々と続いています。
写真中央、やや左側の台形のピークが犬ヶ岳です。
奥に見える稜線と重なって
写真ではわかりにくいですが
ピークのやや右側に
栂海山荘が見えます。
まだまだ栂海山荘は遠いいですね。
コースはピークを一切巻かずに
ピークを忠実に越えていきます。
それが実際の距離以上に
栂海新道がハードなコースの理由です。
雪田を横切ります。
私的には、栂海新道はアイゼンを使わずに
通行できました。
付近には池塘が点在して
お花畑があります。
更に進みます。
この辺りで鹿に遭遇しました。
私がカメラを構える前に
鹿は視界から消えていきました。
私が今回の山行で遭遇した鹿は
その鹿だけでした。
この辺りで登山者にすれ違いました。
その方は早朝に朝日小屋を出発して
この先の黒岩平をピストンしたとの事でした。
黒岩平は素晴らしい場所で
何度も訪れているそうです。
確かに寄り道してでも
見る価値のある景色ですね。
雪渓の上を歩く所が
数ヶ所あり
雪渓の向こう側の取り付きが
わかりにくい場所があります。
先のルートを慎重に確認しながら進みます。
ここも雪渓沿いを歩きますが
ちょっとコースがわかりにくかったですね。
雪渓の先に進むコースを見つけて
そちらに向かって進みました。
黒岩平。
ここにはベンチがあり
小休止しました。
今回の登山では
秘密兵器(?)
アミノバイタルを持参しています。
粉末状で軽いのがいいです。
時々、エネルギーを補給します。
今回の登山は、この手のサプリも
用意しています。
庭園のような湿原が広がっています。
この辺りまでが
栂海新道の素晴らしい部分ですね。
どこに行っても人が多い北アルプスに
こんな訪れる登山者も稀な
秘境があったのですね。
先ほどの登山者が
何度も訪れているのも
わかる気がします。
ここが危険箇所です。
雪渓の先に登山道は続いていますが
よく見ると、雪渓の真ん中に穴が空いています。
雪渓の中が溶けて
雪の下が空洞状になっています。
この雪渓は
落とし穴状態です。
ここを通るのはちょっと怖いですね。
穴の周囲も雪が薄くなっているので
穴に近づくと危険です。
穴を大きく避けて
静かに歩きました。
私は大丈夫でしたが
これから雪溶けが進むと
更に危険になります。
沢を渡ります。
そこが黒岩の水場です。
水で顔を洗いましたが
水は少し苔の匂いがしました。
この先の北俣ノ水場の水は出ていると
聞いていますので
この水は汲まずにいきます。
中俣新道の分岐点。
栂海新道は左側を登ります。
湿原地帯はこの辺りで終わり
ここから先は樹林帯の稜線歩きになります。
栂海新道の核心部はここからですね。
登った先が黒岩山です。
三角点。
この先も延々と稜線は続きます。
コースは稜線を忠実に辿ります。
足もとにいた蝶。
文子の池。
昔、サワガニ山岳会の会員だった方の
名前からきているそうです。
右側ピークがサワガニ山。
左側奥の台形の山が犬ヶ岳です。
肉眼では栂海山荘の建物が見えます。
サワガニ山に到着です。
栂海新道を拓いたサワガニ山岳会の名称は
このピークからきているようです。
少しずつ標高が下がり
時間の経過とともに
気温が上昇してきました。
著名なピークだけではなく
無名のピークも幾つもあります。
痩せ尾根地帯。
コースの右側はスパッと切れ落ちています。
道を踏み外したら完全にアウトですね。
北俣ノ水場の分岐点に到着です。
アタックザックに水筒を入れて
水場に向かいます。
歩くこと数分。
北俣ノ水場です。
水はチョロチョロですが出ています。
少し時間はかかりましたが
全ての水筒を満タンにしました。
合計5L汲みました。
分岐点に戻ると
子連れの登山者に会いました。
その方も栂海山荘に泊まるそうです。
今日、私の他にも栂海新道を歩く
登山者はいたのですね。
さて、栂海山荘までもうひと頑張りです。
だいぶ日が高くなり
先程よりもかなり暑く感じます。
水を大量に積んだザックは
先程に比べて
とてつもなく重く感じました。
ここから先の犬ヶ岳までは
地獄のような苦しさでした。
暑さによる体力の消耗は半端ないです。
ここから犬ヶ岳は
地図では近く見えますが
急なアップダウンが続き
どんどん体力が削られていきます。
昨日、朝日小屋の女将さんの言葉は
これだったのですね。
天気は安定していて
時間的には
白鳥小屋に向かう事は可能でしたが
私はここで白鳥小屋に向かう気持ちは
完全に失せました。
もう少し涼しければ
白鳥小屋に向かっていたかもしれません。
栂海山荘で体力を回復して
明日、今朝よりも早い時間に出発して
涼しい時間に親不知に向かう。
そう決めました。
なかなか近づかない犬ヶ岳。
ようやく犬ヶ岳に到着しました。
栂海山荘はこのすぐ先です。
栂海新道を開削した
故・小野健氏の碑。
手を合わせていきます。
栂海山荘に到着です。
私は小屋に泊まります。
小屋の前がテント場です。
私はテントを持参していますが
小屋泊と料金差が1000円しか違わなくて
テントを撤収する手間、時間を考えたら
小屋泊で正解でしたね。
小屋に入りました。
当然、小屋は私が一番乗りです。
料金箱に2000円を入れました。
封筒を用意していたのですが
料金投入口が狭くて入らず
札をそのまま入れました。
炊事スペース。
小屋の内部を見回ります。
小屋は、増改築を繰り返して
今の状態になったようです。
こんな僻地で豪雪地帯の厳しい環境で
小屋を維持管理する
苦労が偲ばれます。
今晩、大切に利用させて頂きます。
キジ場の標識がありました。
キジ場とは久しぶりに聞く言葉です。
昭和の頃の山小屋を思わせる
ワイルドなトイレでした。
汚物を流す水もありました。
なるほど、キジ場ですね。
汚物が見えない角度から撮影。
小屋でまったりしていると
若い男性の方がやってきました。
話を聞くと
今朝、6時に親不知を出発して
一気にここまで来たそうです。
今は2時過ぎ、登りを考えると
この暑い気温の中、
恐ろしくハイペースです。
私には絶対に無理なペースですね。
そうこうしているうちに
先程の親子が到着しました。
今夜の宿泊者は
私、親子連れ3名、若い男性の方、
合計5名でした。
小屋は広く、快適に過ごせそうです。
寝床を確保して
軽くウイスキーを飲みます。
このまったりする時間が至福ですね。
ご飯を炊くので米を吸水します。
そろそろ夕食にします。
ご飯を炊きました。
今夜のおかずは
麻婆春雨です。
水をあまり使わずに作れるのがいいですね。
レトルトでもいいのですが
沸かすのに水が必要で
使った後のお湯は
レトルトパックの匂いがして
それは飲む気にはなれません。
水が貴重なここでは
水を無駄にしない事が大切です。
先程の親子連れの方に
焼酎を頂きました。
体調が悪く飲み切れないが
荷物は少しでも軽くしたいようです。
私はウイスキーを500ml持参しましたが
ここで全て飲み干したところでした。
ありがたく頂きました。
食事中、
若い男性の方と
色々と山の話しをして
楽しい時間を過ごさせてもらいました。
一日でこの暑さの中を
親不知からハイペースで登って来た
その方は相当な強者でした。
夕食を終えて外へ出ると
周囲のガスが切れてきました。
稜線に滝雲がかかっています。
この稜線を歩いてきました。
小屋の裏から
日本海に沈む夕日が見えました。
3日連続して日没を見る事ができました。
今回の山行は
天気は大当たりでした。
さて、明日は山行最終日です。
まだ暗いうちに出発して
長い距離を歩き
親不知に到着して、それで終わりではなく
その後、栂池高原まで戻り
自宅まで長距離の運転もあります。
ハードな一日になるので
早めに寝ることにします。
続く。