双耳峰が印象的な鹿島槍ヶ岳。
登頂意欲をそそられます。
でも簡単には山頂には立てません。
このコースは幾多の試練が待ち構えています。
五竜岳から鹿島槍ヶ岳の間は
八峰キレットと呼びます。
(キレット小屋付近がその核心部のようですが)
大キレット、不帰キレットと共に
日本三大キレットのひとつに数えられています。
過去に大キレット、
前日に不帰キレットを踏破してきましたが
残るひとつの八峰キレットとは
どのようなコースなのか
じっくりと見て行こうと思います。
険しそうなピークが続いています。
八峰キレットと呼ぶからには
その名の通りいくつもピークを越えていきます。
最初の試練は、五竜岳の急な下りです。
所々に鎖場があり
慎重に下ります。
これからこの稜線を歩きます。
凄い所を下りてきました。
この岩場がG5だそうです。
岩稜帯ですが、慎重に進めば問題はありません。
五竜岳が遠ざかります。
少しずつ鹿島槍ヶ岳に近づいています。
剱岳も見える角度が変わってきました。
一服剱、前剱のピークも見えてきました。
次のピークは梯子を使って登ります。
乗り越えると
更に鹿島槍ヶ岳が近づきます。
そこが北尾根ノ頭です。
ここで小休止します。
長野県側にガスがかかっています。
流れるガスがいい感じです。
ここをずっと歩いてきました。
ここまで決して平坦なコースではありません。
剱岳。
富山県側はガスはありません。
後立山連峰の稜線がガスの流れを
ブロックしているようです。
山頂がガスに覆われる前に
登頂したいものですが…
口ノ沢のコル。
平坦な休憩ポイントですが
ここは休憩せずに通過します。
だいぶ鹿島槍ヶ岳に近づきました。
急な岩場を登ります。
岩場に咲くチングルマに
いい具合に光が当たっていました。
チングルマの綿毛バージョンですね。
ここは急な岩場が続きます。
ようやくキレット小屋の標識がありました。
ようやくキレット小屋です。
キレット小屋は遠くからでは見えず
ここまで来て初めて姿を見せます。
写真で見て知ってはいましたが
凄い場所に建っている山小屋です。
ここでペットボトルのコーラを購入。
600円也。
ここでジュースを補強できるのはありがたいですね。
小屋の前から見える剱岳。
休憩もそこそこに行動を再開します。
再び急な岩場です。
片側が切れ落ちた場所に
登山道がつけられています。
険しいコースが続きますが
登山道は整備されているので
怖さは感じません。
昨日から険しいコースが続き
私の感覚が麻痺しているのかも知れませんが。
この辺りで山岳警備隊の方とすれ違いました。
安全な登山を心がけて
警備隊のお世話にならないようにしたいものです。
その先の狭いキレット状の場所を通過して
次はトラバースルートです。
足もとがスパッと切れ落ちています。
断崖絶壁の上にいますが
見た目ほど恐怖は感じません。
細い足場です。
そこを突破すると普通の登山道になります。
八峰キレットの核心部は突破したようです。
この辺りからガスに包まれてしまいました。
しばらく登っていると
前方に動くものが見えます。
雷鳥です。
今回の登山、4回目の雷鳥と遭遇です。
今回の登山は雷鳥の遭遇率が高いですね。
雷鳥は私の数メートル先の登山道を登って行きます。
しばらく雷鳥の後ろを歩きます。
その間、5分位ですかね。
決して雷鳥を追いかけ回している訳では
ありませんからね。
急な登りが続く中、
しばし癒されてました。
ところで雷鳥の
グッ、グッ。
と言う鳴き声、
我が家の愛猫の甘えた声に似ていました。
この子にそっくりな鳴き声でした。
アホなことを言っている飼い主ですね。
まだまだ険しい登りが続きます。
鹿島槍ヶ岳は、後立山連峰を構成する
数あるピークのひとつですが
その存在感は際立っています。
それは特徴的な双耳峰のピークだけではなく、
大きな山容が目を惹きます。
この急登があると言うことは
その標高差がその山容を際立たせています。
縦走登山だからと言っても
稜線伝いに楽に山頂に立てる山ではありません。
鹿島槍ヶ岳の特徴である
双耳峰を結ぶ吊尾根が見えてきました。
ようやく吊尾根に出ました。
ここにザックを置いて、
先ずは北峰を目指します。
鹿島槍ヶ岳の北峰に到着。
ガスで展望は得られませんでしたが
先程まで見えていた
あの秀麗な山頂に立った
満足感は大きいものがありました。
次は南峰を目指します。
稜線沿いにもまだ雪が多く残っています。
鹿島槍ヶ岳の南峰に到着です。
ちなみに南峰が鹿島槍ヶ岳の最高地点です。
ガスで展望はほぼありませんでしたが
ここまで多くの難所を突破して
ようやく辿り着いた喜びは
何ものにも変え難いですね。
三角点。
古くから地元の人に崇められている山のようです。
これから進む南側が一部ガスが切れています。
彼方に種池山荘が見えます。
あとは冷池山荘まで下るだけです。
ここから先は危険地帯はありません。
もうひと頑張りですね。
ガスがかかった稜線を歩きます。
所々にお花畑があり
花を撮影している登山者を見かけましたが
私は撮影よりも早くテント場に着きたい気持ちが
勝っていました。
先を急ぎます。
途中の小ピークが布引山です。
写真だけ撮って通過します。
明日登る予定の爺ヶ岳が
ガスの間から見え隠れしています。
冷池山荘のテント場に出ました。
冷池山荘はもう少し下になります。
ここにザックを置いて
貴重品、宿泊申込用紙、水筒を持って
小屋に向かいます。
冷池山荘に到着。
テント泊の手続きをして
山バッジ、ビールを購入しました。
到着後のビールは最高ですね。
そのあと、水を購入しました。
宿泊者は1ℓは無料なのですが
明日の行動用の水と合わせて
合計2リットル頂きました。
200円也。
水を担当してくれた若い子に
これで今晩のご飯が作れます。
なんて話をしたら
ちなみに晩ごはんはなんですか?
なんて突っ込まれました。
私の答えは
乾燥米ですよ。
山に入ってから3日目の今日まで
そんな物しか食べていませんからね。
この人、ロクな物を食べてはいないわ。
なんて思われたかも知れません。
明日は登山最終日です。
美味しい食事にありつけるまで
もう少しの辛抱ですね。
テント場に戻ります。
一張り分のプライベートなスペースを発見、
ゲットしました。
ここにテントを張ります。
テントに潜り込み
ウイスキーをチビチビやります。
一日の行程を終えて
テントで呑む酒の旨さよ。
天気は晴れていたので
ダウンジャケット、タオル、靴下等を干して
乾かします。
今日は雨は降りませんでした。
寝転がってまったりと過ごします。
テント泊の登山では
この時間が1番素晴らしい時間ですね。
しばし、ウトウトします。
夕方、ガスが切れてきて
周囲の景色が見えたようです。
登山者の歓声と
カメラのシャッター音が聞こえましたが
私は疲れていて
テントの外に出て写真を撮る気力は
ありませんでした。
写真を撮ることが好きな私には
シャッターチャンスに写真を撮らないなんて
考えられないことです。
考えてみれば、今回の登山は
初日から重装備で夕方までロングコースを歩き
昨日、今日と
気が抜けない岩場、鎖場を
次々と踏破してきました。
こんなタフなコースを歩けば
疲れるのは当然ですね。
そろそろ夕食にします。
先ほど、水の販売してくれたお姉さんにも言った
乾燥米です。
この手のご飯は連日続くと
身体が食べることに拒絶反応を起こしますね。
なんとか完食して
最後はウイスキーで流し込みます。
最後は力尽きたように
眠りにつきました。
続く。