前日は猿倉から入山して
白馬岳に登り、天狗山荘でテント泊しました。
今日は山行2日目です。
まだ暗いうちに起きて朝食を済ませます。
テントを撤収している頃
夜が明けてきました。
御来光です。
この時間が山登りで1番素晴らしい時間ですね。
昨日最後に登った鑓ヶ岳。
動画を撮影しました。
テントを撤収完了。
私はここにテントを張りました。
土に私が敷いたマットの跡が残っています。
昨日はガスで視界が無かったですが
こんな絶景の場所だったのですね。
ここの水場は貴重です。
今回の登山、
これからずっと稜線を歩くので
水場はここが最後になります。
途中の山小屋でも水は購入できますが
雨水を消毒した水で
煮沸推奨と聞きました。
なので行動時用として持参する
ペットボトルの水を2ℓに加えて
更に水筒に水を3ℓ持って行くことにしました。
水だけで5kgです。
前日の登山開始時、ザックの重さが約17㎏。
食糧を1kg消化したとして約16㎏、
そこから3㎏追加して
今日はザックの重さが約19㎏。
今回の山行で1番の重さです。
ザックの重さがズッシリ響きます。
天狗池。
これより私は不帰方面に向かいます。
帰宅厳守と書かれた標識は
不帰に向かっても
文字通り不帰(遭難死)にならずに
絶対に帰宅しなさいと言う
メッセージなのですね。
難コースを歩くと思うと
気持ちが引き締まります。
ウサギギク。
この付近にもコマクサが咲いているようです。
昨日はガスで見えなかった剱岳。
名峰揃いの北アルプスの山の中でも
圧倒的な存在感です。
ガスガスだった昨日の稜線歩きと
打って変わって
快適な稜線歩きです。
ここにコマクサがありました。
タカネツメクサ。
剱岳から北に続く山は
左側から猫又山、鎌谷山、毛勝山。
チシマギギョウ。
この稜線をずっと歩いてきました。
富山湾が見えます。
左側奥に薄っすら見えるのは能登半島ですね。
頸城山塊方面。
ここまで来て、これから向かう
五竜岳、鹿島槍ヶ岳が今回初めて見えました。
五竜岳と鹿島槍ヶ岳が重なって見えます。
右側奥には前穂高から吊尾根、槍ヶ岳も見えます。
天狗の頭に到着。
ここからは、北アルプスの主だった山が
ほとんど見渡せました。
動画を撮影。
その場に居合わせた登山者と
北アルプスオールスター揃い踏みですね。
なんて会話を交わしました。
素晴らしい展望に恵まれた喜びを味わっています。
今年の夏は雨が多いです。
山行を予定した日が晴れるかは
それは運ですね。
これからこの稜線を歩きます。
こちらは立山(右側)から薬師岳、黒部五郎岳、
水晶岳、赤牛岳、
北アルプス最深部の山々が見渡せます。
昨夜の雨で空気が洗われて
それがこの空気が澄んだ状態になったのでしょうね。
昨夜はテントから出るのを
躊躇うほどの雨でしたが
その雨が大気の汚れを洗い流して
それがこの澄み切った晴天になっているのですね。
五竜岳の手前に唐松岳が見えます。
絶景を眺めながらの快適な稜線歩きです。
これがアルプス登山の醍醐味ですね。
快適な稜線歩きはここまでです。
ここより天狗の大下りです。
不帰の嶮と呼ばれる難所は
ここから始まります。
余談になりますが
稜線の高低差が大きく
鋭く切れ込んだ場所をキレットと呼びます。
北アルプスには三大キレットと呼ばれる難所があり
この先がそのひとつの不帰キレットになります。
参考までに
三大キレットとは
そのひとつが北穂高から南岳の間にある大キレット。
上の2枚は過去の山行の写真です。
一般ルートではありますが
一つ間違えると命取りになる状況に
神経をすり減らして通過した記憶があります。
今回は二つ目の不帰キレットに挑みます。
三大キレットと言うからには
三つ目もあるのですが
それは後ほど…
難所に進む前にひと息入れます。
それでは、不帰キレットがどのような所か
見ていきたいと思います。
ここからいきなり急な下りになります。
マーキングを頼りに進みます。
写真で見るよりも
実際はもっと急に見えます。
これから進む道。
私の影が見えます。
鎖が何ヶ所もあります。
ここが天狗の大下りと呼ばれる難所で
一気に300m下ります。
下るにつれて
次に向かうピークが高くなっていきます。
私は困難なコースを歩きながらも
写真を撮り続けます。
同じ剱岳でも
写真を撮る場所が変われば
微妙に角度が変わって見えます。
下りきったところが最低コル、不帰キレットです。
ここから登り返します。
登り返したピークが一峰です。
相当な険しいコースを歩いてきたつもりでしたが
ここまでは序の口でした。
ここからがこのコースの核心部です。
目の前には荒々しいニ峰のピークが。
目の前には険しい岩の壁が聳えています。
拡大してよく見ると、険しい岩の壁を登る
登山者が見えます。
あんな所を登れって言うのか…
今回、とんでもない所に来てしまった…
そんな後悔の気持ちが一瞬頭をよぎります。
気持ちを奮い立たせて難コースに挑みます。
多めに持ってきた水を捨てて
荷物を軽くすることも
一瞬頭をよぎりましたが
ここまで来たからには
水を捨てずに進みます。
天狗の大下り方面。
ニ峰。
ここを登ります。
ここから2峰の登りです。
マーキングを頼りに進みます。
振り返ると、凄い高度感です。
険しい急な登りです。
険しいコースですが
整備はされているコースですので
いざ登ってみると
意外と普通に登れると思います。
しかし小屋泊の比較的軽装ならいざ知らず
私はテント泊の重装備です。
ザックの重さでバランスを崩したら
体制を立て直すのは難しいです。
少しのミスがその名の通り命取りです。
バランスを崩さずに登ることに
全神経を集中します。
途中から長野県側にトラバースします。
左側は草に覆われていますが
そこはスパッと切れ落ちています。
全く気が抜けません。
岩場はこれで終わりではありません。
まだまだ続きます。
歩いてきたコースを振り返ります。
風化して字が薄くなって読めません。
再びトラバース。
また急な鎖場。
ここを登ってきました。
不帰2峰北峰に到着です。
このコースの核心部を突破しました。
2峰北峰からしばらく行くと
ハイマツからひょっこり雷鳥が現れました。
これで今回の山行で3回目の雷鳥です。
雷鳥は晴天よりも
ガスが出ている時の方が
遭遇することが多いようですが
こんな晴天の日でも遭遇することがあります。
そこから僅かな登りで不帰2峰南峰に到着です。
天狗の頭方面。
ここを歩いてきました。
この稜線の右側付近で雷鳥に遭遇しました。
次のピークは三峰です。
ジャンダルムのようなピークを巻いて通過します。
三峰はピークを巻いています。
剱岳。
今回のコースは
剱岳の勇姿を眺めながら歩く
コースでもありますね。
コースを進むにつれて
だんだん見える角度が変わってきました。
唐松岳が見えてきました。
ようやく唐松岳の山頂に到着です。
唐松岳の山頂は
多くの登山者で賑わっていました。
いわゆる破線ルートから
通常ルートに戻った感じです。
続く。