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 私立聖鳳学園の科学部は、特別にプラフスキー粒子研究施設を持っている。その施設に掛かる総予算は全てザビ家が取り仕切ってるため、「ギレンさんの為の部」とも呼ばれているのである。


「さて、そろそろ結論を出して欲しいのだが。それとも君達は戦わずして負けを認め、我が部に全面的に協力するというのか?」


誰がどう見てもギレン・ザビと分かる風貌の持ち主が威厳ある声でそう言うと、ついついセイの声が上ずった。


「と、とにかく、この件は僕等だけでは決められないので、委員長達が来るまで待って欲しいんですが」


「おいセイよ~。こんな奴にへいこらしてないでさ、みんなが来る前に俺らで決めちまおうぜ!大体何でそんなに、こいつを警戒すんだよ?根暗ヤローに、いつまでもいい気にさせておくことはないぜ」




確かに相手のペースになってしまっているのだが、セイが今、結論を出すわけにいかなかった。約束を守るというのが、彼にとっては何よりも重要な事だったからだ。しかしそんな優柔不断にも見える態度をするセイを、レイジは気に入らなかった。


「兄上、結論は出ましたか?私1人で、3人を相手にしても構わないのですが」


関係者以外立入禁止のマークが貼られた扉から、キシリアさんがマ・クベくんを連れて現れた。


「キシリア様の仰る通りだと、私も思います。仮に一流のファイターが3人相手だとしても、キシリア様が負けることなど想像すら出来得ません」


「世辞はよせ!!しかし兄上、いつまでも結論が出せぬ相手などに構ってやらずとも良いのでは?弱者の戯言など、いつまでも聞いてやることなどありませんよ」


キシリアさんは、セイとレイジを蔑むように見ながら言った。


レイジはセイをちらっと見ると、グッと堪えて煽る言葉に乗る事はしない。


「確かに、こちらとしても誠意は見せているはずだ。このまま待たされたままというのも、どうかと思うが?」とギレンさんが言うと同時ぐらいに、ユリアがトコトコと入って来た。


「すごいにゃ~。学校にこんな秘密基地みたいにゃのがあるにゃんて思わなかったにゃ~」


緊迫した空気をぶち壊しながら、ユリアが登場したかお2


「ちょ、ちょっとユリアちゃん!!立ち入り許可証を付けないと!!」


チナが慌ててユリアの服に、立ち入り許可証を付けた。


「貴様ら・・・ 何をしているか!! 立ち入り許可書も付けずに入ってくるなど、言語道断だぞ!!」


マ・クベくんが痩せ細った顔に似合わない大声で、ユリアとチナを怒鳴りつける。


「ごめんにゃ~。そんなのアニメの中だけのことかと思ってたにゃ~」


マ・クベくんはユリアとチナを睨みつけていたが、次第に青白い顔が、更に青くなっていった。


「ごめんねー!うちのが迷惑かけちゃったみたいで~。ま、いっか~な感じで乗り越えてあげてよ」




スピカがおっとりと現れてマ・クベに謝罪した。しかし、おどおどしながら謝り始めたのは、マ・クベくんであった。


「い、いいえ、いえ、こ、こちらこそ何のお構いもさしあげないで・・・ お、おい、この方達に、飛び切り美味しいミルクティーとケーキをお出ししたまえ~」完璧にマ・クベくんはアタヽ(д`ヽ彡ノ´д)ノフタしまくっていた。


「あ、ユリアはココアがいいにゃ~♪」


「こちらの方には、最高級のココアを」


科学部の部員が慌ただしくし始めたのを見て、レイジはきょとんとした。


「おい、セイ。これはどういうことなんだ?」


「あ、あはは。うちの学園でスピカさんに逆らうのは、やっちゃいけない事の第一位だから」



つづくー!!


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キャラクター情報



ギレン・ザビ!!ぺこ




挿絵が無いのが寂しいのですが、挿絵とか描けません((゚m゚;) 読んでて「こんなんどう?」というのを描いてくれる方がおりましたら、是非是非描いて下さいねー(*´・ω・`)


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