米国で塩分摂取増やす10食品とは? なんとパンもランク入り! | 二子玉川ライズ ひろ内科クリニックのブログ

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 米疾病対策センター(CDC)が27日発行したVital Signs の中で,米国人の10人に9人が推奨量を上回る塩分(ナトリウム)を摂取していると発表。より積極的な減塩に関する情報提供を行っている。その1つに,ある10種の食品が1日の塩分摂取量の44%を占めるというランキングがあり,これらの摂取量を減らすことがさらなる減塩につながると述べられている。その筆頭に挙げられているのはなんとパン類だ。さて,残りの9つは?

パスタ,サンドイッチ,チーズ,肉料理…

 米国の一般成人で推奨されている1日の塩分摂取量は2.3g。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版 )」によると,日本人の場合,成人の1日の食塩摂取目標値は男性9g未満,女性は7.5g未満で,米国の目標値は日本に比べかなり厳しいといえる。全米の統計によれば,実際の1日当たりの平均摂取量は3.3gともいわれている。CDCは今回,米国人の10人に9人がこの基準を上回る量を取っているとして,より積極的な減塩を呼びかけているのだ。

 今回のレポートでは1日の塩分摂取量の44%を占める,10種の食品に関するランキングが発表されている。その筆頭はパン類で,薄切りの冷肉や塩蔵肉,ピザ,鳥肉,スープ,サンドイッチ,チーズ,パスタ料理,肉料理,スナック類となっている。

 これらの食品の摂取を25%減らせば,1日の塩分摂取量をさらに10%減らすことができるとCDC。同じ食品でも,含まれている塩分の量には幅があり,より少ない塩分のものを選ぶようアドバイスしている。また,生あるいは冷凍のフルーツや野菜をソースなしで食べることや加工品の摂取を減らすことなどが有効とも述べている。

 同レポートでは1日の食事モデルからどのくらいの塩分を摂取しているかが示されている。それによると,朝食の卵とチーズのサンドイッチで0.76gの塩分を摂取,昼食でハーフサイズのサンドイッチと野菜スープを食べるとさらに1.45gの塩分が取り込まれ,普通に食事を取るだけで既に2.21gとほぼ1日の推奨上限値に達してしまう(!)という。

ざるそば1枚で塩分3g

 そして,一般人口よりもさらに厳しい塩分目標値も存在する(関連記事 )。今回のレポートでも11.5gの目標値を推奨されている人々として「51歳以上の人」「アフリカ系アメリカ人」「高血圧患者」「糖尿病患者」「慢性腎疾患患者」が挙げられている。

 「わたしたちは実に多くの種類の食品を食べており,減塩は難しいことだ」とCDC。個人レベルの努力のほかにも,食品会社などに働きかけ,塩分量を減らした製品が販売され始めた例もあるとし,社会全体の取り組みが必要と提言している。

 日本でも厚労省による減塩の啓発活動が行われている(「高血圧を防ぐ食事 」)。それによると,食パン1枚の塩分は約0.8g,バターやチーズ,ハムなども1切れ当たりの塩分は約0.20.6gであるのに対し,梅干し1個当たりの塩分は約2g,ざるそばでも約3gと個別に見ても,それぞれの国民食における塩分量の差はかなりのものとあらためて実感できる。