今回のテーマでは、状況によって、正常な状態でもおこる、認知の偏りを取り上げます。認知的整合性理論とも言われます。
通常の人間は、不安定な状態になると、安定するための機能を働かせます。
(安定という概念は、心理学上重要な概念です。認知ではなく、たとえば、こころを安定させるという捉え方だと防衛機制になります。)
今回も、他試験の問題を引用して、認知の偏りを確認したいと思います。
1問目は心理学検定からの出題です。
※2問目は明日送信予定です。
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★今回のポイント★
1 認知の偏り、1人のときは認知的不協和理論
2 認知の偏り、2人以上のときはバランス理論(POX理論)
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問題 次に示す事象のうち、Festinger,L.(フェスティンガー)が提唱した認知的不協和理論によって説明することがもっとも適切なものはどれか。
1.弟をいじめる子どもに対して、親が強く叱ると、いじめることが少なくなる。
2.子どもが単純な課題を行なう場合、一人でやるよりも3人でおこなった方が成績がよい
3.大人が人形をたたく場面を子どもが観察すると、その子どもも人形をたたくようになる
4.多くの苦労をしてあるグループのメンバーになると、そのグループに対する魅力が高まる
5.スキな遊びを負うことに対して賞を与えることを約束すると、子どもはその遊びが以前より好きでなくなる
【解答】
正答 4
「多くの苦労」を正当化するためには、目標としていた集団に対する魅力をより高めることが必要になる。
「努力の正当化」と呼ばれる過程であり、認知劇不協和理論である。
誤答 1,2,3,5
2 【社会的促進】オルポートF,H
(オルポートGWの兄。オルポートGWは性格特性論の提唱者として有名。http://www.psych.or.jp/interest/mm-24.html)
子どもが単純な課題を行なう場合、一人でやるよりも3人でおこなった方が成績がよい
他の子が存在することによってやる気が上昇し、単純な課題の遂行が促進されたと考えられる
3 【モデリング】バンデューラ
大人が人形をたたく場面を子どもが観察すると、その子どもも人形をたたくようになる。
他者の行動を観察することによって、観察者も同様の行動を学習する過程。
5 【過剰な正当化】Green&Lepper
好きでやっていた遊びが、賞を与えられることによって、遊びが賞を得るための手段であると見なされるようになり、結果として好きな気持ち(モチベーション)が失なわれた。
※他にも、給与面を重視した就職や転職がうまくいかないとされる理由もこれで説明できます。
1 【強化の原理】(行動分析の1つ)
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強化の原理は、行動科学の基礎ですが、
説明できるレベルになるには、実際に状況を分析してみる、「慣れ」が必要です。
(私にはテキストの説明はさっぱり???だったため、実践的なこちらの説明を使ってます)
※この理解は2つあって、
行動の直後に
①a 刺激はどうなったか(出現・消失)
①b 何が変わったか(好子・嫌子)
と
②直後の反応は増えたか / 減ったか(強化/罰(弱化))
の2パターンがあります
公式テキストの理解にもとづくなら、
①bと②直後の反応は増えたか/減ったか(強化/罰)の組み合わせとなります。
たとえば
親が家事をしているときに、弟をいじめる子どもAの行動を考えます。
親が叱れば叱るるほど「弟へのいじめ」が減るとき、罰(弱化)の原理が働いています。
一方親が叱れば叱るるほど「弟へのいじめ」が増えるとき、強化の原理が働いています。
一般に行動分析は、先行条件(~のとき)、行動(~したら)、結果(~になった)
のように環境と行動の相互作用を分析します。この相互作用は、三項随伴性とも言われます。
先行条件:親が家事をしている (とき)
行動 :(Aは)弟をいじめる(したら)
結果 :(Aは)親にしかられた(↓)(わるいことがあった);罰(弱化)
この事態を、正の罰(弱化) という。
※親にしかられるという強化子は「嫌子」
先行条件:親が家事をしている (とき)
行動 :(Aは)弟をいじめる(したら)
結果 :(Aは)親にしかられた(↑)(いいことがあった);強化
この事態を、正の強化 という。
※親にしかられるという強化子は「好子」
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参考サイト
徳島ABA研究会・・・行動分析の基礎はよくここを参照します。