今日は、松山地裁で行われたある裁判員裁判に証人として出廷し、尋問を受けてきた。被告人は少年であり、一度は家庭裁判所に送致されたが、事件の重大性などを理由として、検察官送致(これを業界用語で「逆送」という。)となり、成人と同様の刑事裁判を受けることとなった。弁護人は、少年に対して懲役刑を科すのではなく、少年院での矯正教育を受けさせるべきだとして、事件を家庭裁判所に戻す(これを業界用語で「55条移送」という。)よう主張している。
このような事件の場合、被告人である少年に、懲役刑を少年刑務所で受けさせることと、矯正教育を少年院で受けさせることのどちらがより適切か、という点が争点となる。この争点について判断するためには、少年刑務所と少年院において、どのような処遇が行われているか、どのような違いがあるか、という点を把握する必要がある。
しかし、少年刑務所と少年院の処遇の違いを話せる人は、施設職員かOBぐらいしかいないので、私にも証人の依頼が来ることがある。私が裁判で少年刑務所と少年院の処遇について証言するのは、今回が3回目である。
裁判の証人尋問の時間で、裁判官、裁判員に少年刑務所と少年院の処遇を理解してもらうことは正直難しい。理解してもらうためには、裁判で初めて証人の話を聞くのではなく、事前に施設を見学するなどして、現場の空気感を知ってもらう必要があるし、その「空気感」の違いこそが、少年刑務所と少年院の一番大きな違いだと思うので。
しかし、私には裁判の進め方や、少年刑務所や少年院の見学システムを変える力はない。私の話を必要としてくれる裁判、講演会などで地道に話していくだけである。
証人尋問が終わった後、来月の裁判員裁判での証人尋問の打ち合わせを行い、夜は、松山の弁護士の方との懇親会で鯛めしをご馳走になった。長い一日だった。
