もひとつオマケにオーディションの話!
と、その前に...
少し前、フランスのオーケストラで長いこと活躍されている同郷の、しかも出身高も同じの大先輩に会いに行ってきた。
いろいろ身の上を話していると、大先輩がひと言。
「あんたぁ、えらいねぇ!」
この大先輩に会いに来る若者たちは皆、"フランスで"どう生き抜いていくかを相談に来るそう。それに比べてわたし、フランスだけでなくいろんな国、今回はアイスランドくんだりまでオーディションを受けに行ってくる予定。
「知らん国に行くなんて、しんどいし怖いもんよ。」と言われる。確かに、私だってフランスか、せめてフランス語が通じる国がいい。けれども、昨今のインターネット様のおかげで情報は瞬時に世界中で共有されるようになり、どのオーケストラのオーディションも各国から猛者が集まり、熾烈な椅子取りゲームが行われている。
フランスのオーディションなんて、英語イタリア語スペイン語ばかりが飛び交って、逆にフランス語が聞こえないくらい。というわけで、どうにもこうにもオーケストラに入りたい私は、フランスのオケがいい!なんて我儘を言っているわけにもいかず、世界中をさすらっているのである。
私って偉いんか?そうなんか?確かにオーケストラには入りたいが、アイスランドなんてよくわからん国、これっぽっちも住みたくない(アイスランドの皆さんすんません
)。
じゃあなんで受けに行くんだ?受かりたいのか、受かりたくないのか、なんなのか...アイスランドって何があるんだ..?なんてごちゃごちゃ考えながら、アイスランドへGO !
まずは3時間半ほど飛行機に乗ってケプラヴィーク空港へ。パリとの時差は1時間ほどだ(サマータイム中は2時間)。
アイスランド、氷の国。とんでもなく寒そうだけど、友人からの事前情報によると、火山のおかげで言うほど寒くないとのこと。空港着。確かに思ったよりは寒くないような気がしないでもないが、風がピューピュー吹いて冷える冷える。
ブルブル震えながら空港のバス停でシャトルバスを待つ。ここから首都レイキャビクまでまた1時間ほどだ。ようやくバスに乗り込み、車窓にへばりつく。動き出して、感嘆。
見えてくる大地の質感が、もう火山。黒っぽくて、ボコボコしていて...こんなの今までに見たことがない!ゲームが好きな私、今までやったRPGゲームにはだいたい火山島のエリアがあった。ゲームの世界におるみたい...!わくわくが止まらない。
そして首都、レイキャビク着!世界の治安良いとこランキング第1位、人口は愛知県岡崎市ほどという。運が良ければ街の中からもオーロラが見えるらしい。オーディションは翌日なので、少し街を散策!
街は小さく、歩いて回りきれるくらい。さすが北大西洋と北極海に挟まれた孤島、海沿いを歩くとぶっ飛ばされそうな勢いで風がビュービュー吹いている。
物価はめちゃくちゃ高く、ホテルもかなり高かった。1万5千円払って借りれたのはバス・トイレ共有、3.6畳の個室カプセルホテル。この価格帯だと、他のホテルでもバス・トイレ共有ばかり。ひぇ〜観光で来たらえらいこっちゃ
初めてのアイスランド。いろんな刺激にドキドキしながら就寝。そして翌日のオーディションの結果はというと...
ステージの上、一発目に吹いた音を聞いた瞬間頭に浮かんだ言葉がこれ。楽器っていうのはとてもデリケート。クラリネットに関して言うと、音を出すための生命線、葦で作られたリードというやつが湿度や標高、お天気で変化しまくりパフォーマンスに大きな影響を与える(そんなわけでヨーロッパから来るクラリネットの名手たちも、日本のコンサートでは適応するのにかなり手こずっているのが聞いてわかることも多々あり...)。
本番前に練習する時間はあったものの、さすが世界最北の首都。私が経験してきた環境とはかなり違ったみたいで、想定外の吹奏感や音色に自分でびっくり。動揺している間にオーディション終了。箸にも棒にもひっ掛からないという結果なのでした..。
にも関わらず!
楽しかった...!帰りの飛行機で感じたのは、失望ではなく満足感。おいおい、オーディション落ちてんだぞ?なんでやねん。
そういえば高校生の頃、とにかく遠くに行ってみたいとずっと思っていた。バスや電車に新幹線、一人で行動できる範囲が広がる度に嬉しかったんだ。
アイスランド、自分の人生でこんな果てまで来る日がくるとは思っていなかった。富豪じゃないので、旅行だとこんなにフットワーク軽くいろんな所には行けないけれど、オーディションという大義名分を盾に、私は世界中を見て回ろうとしている...??
いいのか悪いのか、いや、落ちてるから悪いのか?アイスランド、こんなに魅力的な国だったとは。今度は数日かけて、火山に流氷にオーロラにとゆっくり見て回りたい
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