先日とあるコンサートで一緒になったフランス人のホルン奏者。
背が高くっていかついお顔立ちで、ちょい怖だな。なんて思っていたら突然「君日本人?」と声をかけられる。
そです〜と答えると、僕の彼女日本人なんだよね、とのこと。今度彼女と一緒に日本へ旅行に行くんだとか。
そりゃいいっすね~!と、お決まりの「日本良いよね!」話に花を咲かせていたのに、
「ただし、日本で働くのは絶対に嫌だね!!」
と突如すごまれる。
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と驚きつつ話を聞くと、どうやらこのホルン奏者の友人が日本のとあるオーケストラで演奏していたことがあるそう。
はるばる日本まで来て、オーディションを受け、入団したのに、結局「日本のオケ、おもんない!」と辞めてフランスに帰ってきてしまったそうだ。
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そうだそうだ、思い出した。はるか昔、大学生だった時だろうか。コンサートの打ち上げかなんかで、とあるオーケストラで演奏しているOBさんと同じ席に着いた時のこと。
酒に酔ったOBさんが、「団員のフランス人が好き勝手吹きやがるから演奏が合わない!」とクダを巻き、周りの偉い先生達と日本のオーケストラの良さ、欧州のオーケストラの弱点談義を交わしていた。
ほ〜ん、ヨーロッパの人の演奏ってそんなにテキトーなんだ..。とビールの注がれたグラス片手にぼけっと聞いていたけれど、
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各国のオーケストラにお国柄ゆえのキャラクターの違いがあるのは当然で..。どんな物事にだって少なくとも2つの面があるように、良く言うことも悪く言うこともできる。
今回のケースの場合、日本人が「統率の取れた演奏」に美点を見出していた一方、フランス人の方はそこに「自由のなさ、遊びのなさ」を感じていたようだ。
どっちが良いも悪いも言う気はないけれど、自分が輝ける場所で生きていくのが1番なのでしょう。
常々音楽の世界は狭いと思っていたけど、まさか国境を越え、人種を越え、時を越え、「あの話、こういうことだったのね!」があるとは夢にも思わず..。
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