大学生の時、休暇中に実家に帰った時のことだった。
テレビを見ながら家族3人でテーブルを囲み、夕食をとっていた。
テレビでは茶人・千利休の特集が流れている。
お父様が突然箸と茶碗を置き、おもむろに口を開いた。
食卓に流れる沈黙。
聞けば、千利休は茶器を置くときにカチャカチャと音がならないよう、必ず小指を先に接地面につけ、それからゆっくりと静かに茶器を置いていたそうだ。
その話はそこで終わった。
今でもお父様の渾身のボケだったのか、本気だったのかわからない。
長年親子をやっていても、知らない一面はまだまだたくさんありそうだ。

