大学生の時、休暇中に実家に帰った時のことだった。


テレビを見ながら家族3人でテーブルを囲み、夕食をとっていた。


テレビでは茶人・千利休の特集が流れている。


お父様が突然箸と茶碗を置き、おもむろに口を開いた。



ニコ「今気づいた。わし、千利休の生まれ変わりだったんよ。」



真顔チーン「「・・・・・」」



食卓に流れる沈黙。



チーン「...なんで?」



ニコ「今テレビでやっとったじゃろう。」



聞けば、千利休は茶器を置くときにカチャカチャと音がならないよう、必ず小指を先に接地面につけ、それからゆっくりと静かに茶器を置いていたそうだ。



ニコ「わしはそれを今まで意識せずに勝手にやっとったんよ。」



チーン「ふぅん...。」



その話はそこで終わった。


今でもお父様の渾身のボケだったのか、本気だったのかわからない。


長年親子をやっていても、知らない一面はまだまだたくさんありそうだ。




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