昨日に引き続きルーアンの話..。
今旅の目的は「なんか美味しいモンを食べる!」というわけでいろいろ調べたのだが、このレストラン選びが実に大変だった。悩みに悩んだ。
ルーアンの名物料理といえば、鴨のルーアン風(canard à la rouennaise)。少し焼いた鴨肉の骨を外し、外した骨を拷問器具のようなものに入れてプレス!
血やら何やら入ったエキスを抽出し、それをまた煮詰めてコニャック、レモン、バターやらで味付けをし鴨肉にかけるのだ。ずっと前から食べてみたいと思っていた。
この一品を提供してくれる、なんと1345年から続いているという老舗レストランがジャンヌ・ダルク教会のある広場にあるのだが、とにかく高い!ひとり58€もする。それにまた飲み物だデザートだなんてつけたらすごい金額になるだろう。
鴨はどこでも食べれる。それに名物料理ったって鴨肉に茶色いソースをかけただけだ。写真を撮ってもバエないぞ。
しかもこのプレスショーは客の目の前でやってくれるそうだ。何分かかるかしらないが、最後まで「すごぉい!」といいリアクションをとり続けられるかわからない(あっちも慣れてるんだからリアクションとる必要ないでしょ、と友人に呆れられる)。
「セレブになったらまた来よう...。」
というわけで別のレストラン「Cancan」へ。席につくとすぐに、「寒かったでしょ」と温めた小石を渡される。あったかホスピタリティ。
前菜は牛肉のタタキ。
ビーツのソースとりんごのシャーベット添え。だったかな
最近はいろんなレストランのメニューで「Tataki」の文字を見かける。ジャパニーズ・フードの快進撃は留まることころを知らないようだ。
メインディッシュは「アントルコート」。リブロース、最高級部位のステーキ。この店を選んだのはこれを食べるためだ。
なんと目の前で葉っぱに火をつけ燻して提供してくれる。
お店のインスタから拝借
お客はほぼ全員このアントルコートを注文している。店内は煙でモクモクだ。私ももちろんこれを食べたかったのだが、お昼もしっかり食べたせいでお腹パンパン。泣く泣く白身魚のリゾットを注文した。
燻されたステーキを一口食べた友人が、「今まで食べたアントルコートの中で1番おいしい!」なんて言う。
「くっそぉ、やっぱりそっちにすればよかったか...!」
ちぇっと思いながらリゾットに目をやる。
リゾットのお米の部分は最近流行りの(?)エスプーマだ。
「泡状の米なんて聞いたこと無いよ!」
ほんまに美味しいんかいなぁ〜と疑心暗鬼で一口すくう。
「お、美味しい.. !」
普通に美味しかった。米を泡にするなんて、米への冒涜だ!と騒がなくてよかった。液状になった優しいリゾットのお味が、ふんわりと口の中に広がり、お魚さんとも良く絡む。パンパンなお腹にも優しい。
一日中歩いて、お腹も一杯で、大満足の日帰り旅行だった。帰りの電車は爆睡。
久しぶりの遠出がよっぽど楽しかったのか、次の日起きると自分は毎日何をして過ごし、何のために楽器を吹いていたのか何も思い出せない。一日中ぼーっと過ごし、約束をした相手からの「今どこにいる?」の連絡でやっと我に返り、慌てて家を飛び出したのだった。
まったく、何のために日帰りにしたと思っているのか...。
「これだから自分は信用ならない!」
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