リュドヴィックは図々しい。
私が日本に帰ると言うと必ずお土産を要求してくる。
「アレが欲しいんや!アレ!光って飾れるやつ!」
提灯のことだった。
仕方がないから大阪と書いてある赤い提灯を買って来てやった。中に電球が入っていて、電池式で光るやつだ。
数日後、バツが悪そうなリュドヴィックがすごすごと部屋にやってきた。
「アレな、明かりをつけようと思って中に蝋燭を置いたら燃えてしまったんや...。」
「なんでやねん」
本物志向、自然派のリュドヴィックには電池で光る電球では満足できなかったらしい。
その次はけん玉を買って帰った。
「ナンヤコレー!!!どうやって入れるんやコレーーー!!!」
日本にはクレイジーなおもちゃがあるな!とアパートの廊下で大はしゃぎしていた。一回でも成功したんだろうか、多分してないだろう。
そんなリュドヴィックもお土産を持って帰って来てくれたことがある。
気づいたら数週間、数カ月消えていることがあるリュドヴィック。
確かブルターニュ地方から帰ってきたときのことだったと思う。
「お土産がある。」
わたしに合う石を探して、浜辺で拾ってきたんだろうか。想像するとシュールであり、謎センスである。
次はモロッコから帰ってきたときのことだった。
少しグレードアップしていた。ちょっとかわいい。これはモロッコにゆかりのあるものなんだろうか、よく知らない。
成田の免税店で買ってきたお土産と、どこからやって来たのかわからない石。なんとなく不公平感は拭えないが、今も私の大事なものボックスにしっかりしまってある