2月中旬頃から3月中旬にかけて、ギックリ腰ならぬ「ギックリ背中」(下図)を患って着座での作業が困難となりブログ投稿から遠ざかっていましたが、3月中旬頃に快癒したのでブログを再開するつもりでいたところ・・・
ギックリ背中 WEBより拝借
所属している「近現代史の会」から課題発表を仰せつかって資料作成に追われることとなり、ブログを書く余裕がなくなってしまいました。その発表も数日前に終えましたので、50日あまりに亘って休載していたブログ投稿を、本日から再開することにしました。
ギックリ背中の治癒を知った70年来の旧友に誘われてコーヒ店の「スターバックス」で雑談をしていると、若かりし頃に南氷洋の捕鯨母船の乗組員をしていた旧友が、「スターバックスの店名の由来」について話してくれました。
自宅近辺のスターバックスコーヒー店
旧友の話によると、米国人作家のハーマン・メルヴィル著作の「白鯨」(原題:Moby-Dick; or, The Whale)の熱烈な愛読者だったコーヒー店「スターバックス」の3人の共同経営者は、自分達のコーヒー店(当初はコーヒ豆焙煎店)の店名を決めるにあたって、長編小説「白鯨」に登場する捕鯨母船の船名「ピークォド号」(Pequod)を第一候補名として考えていたそうですが・・・
ピークォド号と同時代の米国捕鯨母船 WEBより拝借
最終的に、捕鯨母船「ピークォド号」のエイハブ船長(Captain Ahab)の副船長格を担っていたコーヒー好きのスターバック一等航海士(Chief officer Starbuck)の仕事ぶりに惚れ込んで、自分達のコーヒーチェーン店名を「スターバックス」(Starbucks)としたのだそうです。
「スターバックス・コーヒー店」のロゴマークのモチーフ(下図)は、ギリシャ神話に登場する美声で船乗りを誘惑する「女性セイレーン」ですが、「コーヒーの香りでお客様を魅了したい」という創業者の願いが込められていたようですね。
↓スターバックス・コーヒー店」のロゴマーク WEBより拝借
海が大好きな中学生だった僕は、米国人作家のハーマン・メルヴィルの長編小説「白鯨」(1851年刊行)を痛快な海洋冒険小説と勘違いして読み始めたのですが・・・
見知らぬ捕鯨用語や宗教用語(基督教長老派、偶像崇拝、クェーカー教徒、世界最古の一神教、無神論者等々)に喩えた文章が矢鱈に多く、中学生の僕には難解な小説という印象が強く残っています。
「白鯨」1856年 三笠書房 WEBより拝借
ところがその後に小説「白鯨」を映画化した「白鯨」(1856年公開 ジョン ヒューストン)を鑑賞した時は、「白鯨とエイハブ船長との死闘」に焦点を絞った米国捕鯨船のスペクタクルに心を奪われたことを憶えています。
今になって思えば、ジョン ヒューストン監督は、小説「白鯨」の中の超苛酷な環境に置かれた人間が生存するための重くて苦渋の決断と生き延びた後の心理的障害に悩む続ける筋立て部分を、映画の中では可能な限り避けて、「白鯨とエイハブ船長の死闘」という誰にでも分かり易い海洋スペクタクル映画に仕立て直したのだろうと思います。
米国映画「白鯨」主演(船長:グレゴリペック)
従って中学生だった僕の記憶に強烈に残っているのは、自分の片足を食いちぎった白鯨への復讐心に燃えたぎるエイハブ船長(主役:グレゴリー ペック)のことばかりで、悲しいかな副船長格のスターバック1等航海士のことは、どうしたことか殆ど記憶に残っていないのです。(下写真)
Starbuck一等航海士(左)Captain Ahab(右) 映画「白鯨」より拝借
すると心優しき旧友は、僕が鑑賞したジョン・ヒューストン監督の映画「白鯨」は、エイハブ船長を強烈な主役として描写しているために、脇役のスターバック一等航海士の記憶が薄いのは仕方ないかもね・・・と僕を慰めながら・・・
米国映画「白鯨」(原題:Moby-Dick; or, The Whale)と同じ実話を題材としながら、主役を船長ではなく一等航海士に置き換えて、2015年に制作された米国映画「白鯨との闘い」(邦題)のDVDを是非とも鑑賞するように勧めてくれたのです。
米国映画「白鯨との闘い」のポスター
旧友によると、「白鯨との闘い」(邦題)を鑑賞すれば、原題の「In the Heart of the Sea」の意味と副題の「The True Story of the Whaleship Essex」をきっと理解できると思うよ、と言うのです。
さっそく通販会社に、「白鯨との闘い」(ロン・ハワード監督)のDVDを発注しました。
続きは「白鯨との闘い」のDVDを鑑賞してから書くことにしたいと思います。