が13隻も存在している事を知りました。驚きです!こんな状態では、海上自衛隊と海上保安庁の合同演習なんて出来ません!日本の官僚意識はダメだと思います!海上自衛隊の艦船名と海上保安庁の巡視船名は、絶対に重複を避けるべきだと考えますが、どのように思われますか?

 

 

 

具体例として、上図のNo.10行の海上自衛隊の輸送艦「おおすみ LST4002」と海上保安庁の巡視船「おおすみ PLH03」の写真を下欄に貼付しました。

 

海自・輸送艦おおすみ LST4002」 WEBより拝借

LSTLanding Ship , Tank (戦車揚陸艦)

信号符字(国際識別名):JSDOSUMI

 

海保・巡視船 「おおすみ PLH03」 WEBより拝借

PLHPatrol vessel Large with Helicopter

信号符字(国際識別名):JCHD

 

マスコミから海上自衛艦と重複する呼称の対応を問われた海上保安庁の幹部は、有事の際の①避難民保護活動、②海上自衛隊との共同訓練や作戦行動を円滑に行うために、今後とも「重複呼称の解消に向けて調整します」と応じていました。

 

その結果かどうかは不明ですが、2022年2月、巡視船「おおすみ」の船名は、「さがみ」と改名されたのですが、船級を示すアルファベット記号、船番号の「 PLH03」、そして国際識別名となる信号符字の「JCHD」は、そのまま引き継がれていました。(下写真)

 

海保・巡視船 「さがみ PLH03 (旧名:おおすみ)

信号符字(国際識別名):JCHD WEBより拝借

 

この結果からすると、海上保安庁は、海上自衛隊の艦艇名との重複を解消する方向へ踏み出したようなので、きっと友人の憤りも収るだろうと思ったのですが・・・

 

然に非ず、尖閣諸島海域の警備強化のために2023年4月に竣工した「巡視船PL202」の船名として「おおすみ」の呼称が復活したのです。(下写真)

 

巡視船の乗組員にとって思い入れ深い「おおすみ」の船名を廃止するのは難しいと言うのが海保の言い分のようでした。


  

竣工した巡視船の呼称として復活した 「おおすみ PL202」  WEBより拝借


海上自衛隊や海上保安庁の艦船名、そして日本の商船や漁船等の船名は、日本国内の海、山、河川、島、花、雪や霧などを好んで採用する伝統的慣習があるために、呼称の重複は珍しくありません。

 

個人的思いですが、たとえ海自と海保の呼称が同じ「おおすみ」であっても、「おおすみ PLH03」や 「おおすみ LST4002」のように、艦級(船級)+番号が併記されているので、大騒ぎするような混乱は生じないのではないでしょうか。

PLHPatrol vessel Large with Helicopter 

LSTLanding Ship , Tank (戦車揚陸艦) 

 

更に言うならば、世界各国の艦船、公用船、民間の商船や漁船の多くは、国際電気通信連合機関から付与されたアルファベットとアラビア数字で構成された個々の国際的識別信号( Identity signal)となる「信号符字」(ITU PREFIX)を保有しています。

 

下欄40個の英文字旗と数字旗は、「信号符字」として利用される国際旗旒信号です。

 

国際的識別信号の一種となる旗旒信号 WEBより拝借 

 

世界を航海する船舶は、入出港、 航海中、共同訓練、海難事故等の緊急時に相互連絡を行う必要がある時には、旗旒信号、モールス信号による発光信号や無線通信、手旗信号によって、  個々に付与された国際識別符号の「信号符字」を発信することによって相互の連絡確認をすることになっています。従って「おおすみ」のように艦名や船名が重複していたとしても支障を来すことはありません。

 

下欄の表図は、アメリカ合衆国海軍の駆逐艦「Milius」が自艦の「信号符字」(通称:船名符字)の「NPLM」を示す旗旒信号を掲揚して横須賀港に入港する様子です。

 

自艦の信号符字のNPLMを掲揚して入港する米国海軍の「Milius


下欄の表図は、海上自衛隊の輸送艦おおすみ LST4001」に付与されている「信号符字」の旗旒信号とモールス信号です。

 

海上自衛隊の輸送艦 おおすみ LST4001

 

下欄の表図は、海上保安庁のヘリコプター1機搭載艦のおおすみ PLH03」に付与されている信号符字「JCHD」の旗旒信号とモールス信号です。

 

    

海上保安庁 巡視船おおすみ PLH03

 

旗旒信号を視認するのが困難な時は、モールス信号、発火信号、手旗信号によって自船の信号符字を相手側に伝えます。信号符字は、国際電気通信機関(ITU)規則14条によって、自船の無線船舶局の「Callsign」と一致しています。  ITU International Telecommunication Union

 

世界各国の飛行機も国際電気通信機関(ITU)から付与された「信号符字」(コールサイン)によって運用されていますね。その昔は、昭和27年に三原山で墜落した「もく星号」や昭和45年にハイジャックされた「よど号」のように、コクピット外面に愛称名が書かれていましたが・・・今では見かけなくなりました。

 

ひょとすると艦艇名や船舶名のニーズも次第に薄くなって、「信号符字」が名実ともに艦船名としての役割を担うようになるかも?・・・なんてことを思ったりしています。