東京都多摩東部の近隣のお宅のシンボルツリーが赤い実を撓わに付けて垂れ下がっていました。(下写真)

 

お隣の中国では、赤い果実が灯火の如く見えるので「南天燭」とか、竹のように撓って赤い果実が付くことから「南天竹」や「南天竺」と呼ばれているそうですが、日本でも中国語の「南天」の音読みに倣って「ナンテン」と呼ばれていますね。

 

南天 撮影:2023年12月26日 東京都多摩東部

 

「ナンテン」の葉は、先端の尖った披針形の互生葉で、のそ緑葉の表面は革質のように艶々としている期間が長いのですが、我家の近隣の「南天の緑葉」は、冬入りしてから赤く染まり始めました。(下写真)

 

一般的には、落葉樹➡紅葉ですが、常緑樹の「南天」の緑色の葉も、初冬に入ると紅葉になる事を、あらためて再認識することになりました。

 

南天の葉の紅葉 撮影:2023年12月26日 東京都多摩東部

 

冬季に入って常緑樹の「南天の緑葉」が赤くなる要因には幾つかあるようですが、例えば、①遮蔽物のない吹き曝しの場所に植えられた「南天」、②春から夏に肥料を与えて、冬入り前から肥料を止めた「南天」は、冬季に入ると赤く色づくのだそうです。


南天の葉の紅葉 撮影:2023年12月26日 東京都多摩東部

 

東京都多摩東部に移転してからは、5月頃に開花する「シロナンテン」(白南天)を撮影したことがないのですが、旧住居の神奈川県辻堂時代に撮った「シロナンテン」の写真がありますので貼付して置きます。(下写真)

 

「シロナンテン」(白南天)の果実は、成熟しても赤くなる事も無く、薄黄味を帯びた白色の果実をつける品種だそうです。

 

南天の白花 撮影:2019年5月 神奈川県辻堂

 

江戸期に編纂された「和漢三才図会」には、「南天を庭に植えれば火災を避けられる」と記されているそうですが、日本では古くから「火災除け」として植えられていたようですね。

 

そしてまた、「南天」の読みが「難転」(難を転じる)に通じることから、縁起の良き花木として、鬼門や裏鬼門にも植えられたようですね。

 

ナンテンの植物分類名

科:Berberidaceae メギ科

亜科:Nandinoideae

属:Nandina ナンテン亜科

種:N.domestica

学名:Nandina domestica

和名:ナンテン (南天)

英名:Heavenly bamboo