アメブロ事務局から届くアクセス解析を見ると、僕が書いたブログ記事の中でよく読まれている「ベスト5」の中に、2008年に投稿した「睡蓮と蓮の違い」(三部作)が入っているのですが、その内容を読み直して些か恥ずかしい思いをしています。

 

15年前のブログ記事内の勘違いや間違いの記述を見付けたので、この機会に書き直して再編集する事にしました。本日は「スイレン」に話を絞って書くことにします。

 

スイレン 撮影:2007年6月 タイ国バンコク

 

15年前の僕は、赤面の至りですが、「スイレン」の漢字名を「水蓮」だと思い込んでいました。

 

スイレン 撮影:2003年11月 タイ国バンコク

 

つまり「スイレン」とは、水面上に葉を浮かせて少しばかりに似たような花を水面上の少し高いところで咲ぁせることから、「水+蓮」➡「水蓮」になったと勝手に推論していたのです。まさにお馬鹿野郎でした。(上下写真)

 

スイレン 撮影:20013年11月 タイ国バンコク

 

しかし正解は、「水蓮」ではなく「睡蓮」でした。その由来は、ほんの少しだけ「」に似た花が 「 目覚めて咲き、萎んで眠る 」ことから、「睡蓮の漢字が当てられたのでした。(上下写真)

 

開花前のスイレン 撮影:2008年3月 タイ国バンコク

 

閉花する睡蓮 撮影:午後3時半 タイ国バンコク

 

睡蓮」は、欧米で発達した水生園芸植物ですが、日本よりも早くから欧州諸国との関係を深めていたタイのアユタヤ王朝(1351年-1767)は、仏教的色合いの濃い「」と欧州の園芸文化で育まれた「睡蓮」を巧みに取り入れたようですね。

 

スイレン 撮影:2013年11月 タイ国バンコク

 

国民の95%以上が仏教徒のタイ国では、 仏教儀式で多用される「蓮の花」の方が格式が高いような気がしますが、「睡蓮の花」も寺院境内の池や個人宅での水生園芸植物としても大事にされています。(下写真)

 

スイレン 撮影:2002年1月 タイ国バンコクの瞑想院の池

 

「睡蓮」によく似ているのですが、"未の刻"(午後1時~2時頃)に花を閉じることから未草」(ヒツジグサ)と呼ばれている植物があるそうですが、僕は未だ観たことがありません。(下写真)

 

未草 WEBより拝借

 

睡蓮」も「未草」も同じスイレン属ですが、植物分類学上の睡蓮」の学名は「Nymphaea」であり、「未草」の学名は「Nymphaea tetragona Georgi」として登録されていました。

 

英語圏では、「未草」=Pygmy water-lily、「睡蓮」=Water liliesの通称名で呼ばれているようですね。

 

15年前の僕は、「未草」は「睡蓮」の別名だと勘違いしていました。両方とも同科同属ですが、葉姿と花の咲く位置が異なる品種違いでした。

 

して、「スイレン属」の多くの種類の中でも、「未草」(ヒツジグサ)は、唯一日本原産の植物であることを、遅まきながらも初めて知りました。

 

次回は、「スイレン」(Nymphaea)に纏わる各国の神話、伝説、謂れについて短く纏めてみたいと思います。

 

スイレンの植物分類名

科:Nymphaeaceae

属:Nymphaea

学名:Nymphaea

種:Nymphaea alba

和名:スイレン 睡蓮

別名:西洋睡蓮

英名:Water lilies

未草の植物分類名
科:Nymphaeaceae
属:Nymphaea
亜属:Nymphaea subgen. 
学名:Nymphaea tetragona Georgi
和名:ヒツジグサ 未草
英名:Pygmy water-lily