11月だと言うのに、残暑厳しき東京都多摩東部の小さな児童公園内に、夏場に子供の人気を集めていた「園芸名:ダリア」(英名:Dahlia)が咲き残っていました。

 

「英名:Dahlia」は、植物学者の「Mr.Anders Dahl」の名に因むようですが、日本の園芸名の「ダリア」も、英名と属名の「Dahlia」からの転用だろうと思います。

 

天竺牡丹(ダリア) 東京都多摩東部 自宅近辺

 

江戸時代(1842年 天保13年)に原産地のメキシコ➡オランダを経由して長崎の出島に渡来した時は、花の姿形がインド(天竺)から日本に渡来した「牡丹」に似ていることから、「和名:天竺牡丹」(テンジクボタン)と名付けられたようですね。

 

天竺牡丹(ダリア) 東京都多摩東部 自宅近辺

 

吉田兼好の「徒然草」の中に、旧暦の10月(現在の10月下旬~12月上旬)の候の事を、「十月は小春の天気、草も青くなり梅も蕾みぬ」(第百五十五段)とあります。

 

ところが今年の10月下旬~11月上旬の気候は、最低温度は晩秋、最高温度は残暑、寒暖差10℃以上もある日々が続いていて、とても「小春日和」とは言い難いですね。

 

天竺牡丹(ダリア) 東京都多摩東部 自宅近辺

 

米語表現における「小春日和」の使用時期を調べると、「米国中東部の10月下旬~11月の季節外れの乾燥した暖かい気候の期間に使用する」とありました。「小春日和」の時候は、米国も日本も同じようですね。

 

天竺牡丹(ダリア) 東京都多摩東部 自宅近辺

但し、日本語の「小春日和」に当たる米語の表現としては、「balmy autumn day」(穏やかな秋の日)と「Indian summer」(インディアンの夏)が使用されているらしく、日本のように「小春」の如き微妙な表現は、どこにもありませんでした。

 

天竺牡丹の植物分類名

科:Asteraceae キク科

亜科:Asteroideae

連:Coreopsideae

属:Dahlia

学名:Dahlia Cav.

和名:テンジクボタン

漢字:天竺牡丹

園芸名:ダリア