東京都多摩東部の道沿いの生け垣に、樹高2m余りの「Chinese holly」と思しき植物が植えられていました。(下写真)
花名検索のアプリで「Chinese holly」の和名を検索すると、モチノキ科の「ヤバネヒイラギモチ」(矢羽柊黐)である事が分りました。
矢羽柊黐 撮影:2023年8月29日 東京都多摩東部
花図鑑によると、「矢羽柊黐」の開花時期は5月前後、白花を咲かせた後に緑色の堅い果実を付け、12月頃になると果実が鮮紅色に熟するようですね。(下写真)
矢羽柊黐の紅色の果実 WEBより拝借
「矢羽柊黐」の葉は、四角形状の互生葉、葉柄の長さ5mm未満、皮質の葉身の長さ
7mm未満、四角形の葉に刺状の鋸歯が上下に4対から6対ありました。(上下写真)
矢羽柊黐 撮影:2023年8月29日 東京都多摩東部
花図鑑を読むと、若い枝の葉には多くの棘が付き、老いた枝の葉になるほど刺が減少して全縁の葉になるようですね。(上下写真)
矢羽柊黐 撮影:2023年8月29日 東京都多摩東部
「ヤバネヒイラギモチ」(矢羽柊黐)の「矢羽」の由来は、弓矢の矢羽から来ていると思われますが、「柊」(ヒイラギ)の由来を知りたくて調べてみました。(下写真)
柊木(ヒイラギ)の鋸歯葉と白花 WEBより拝借
植物分類上の「矢羽柊黐」の科名はモチノキ科であり、「柊木」のモクセイ科とは異なるのですが、「柊木」の鋸歯葉と白花が似ていることが分りました。(上写真)
「矢羽柊黐」(ヤバネヒイラギモチ)の「黐」(モチ)の由来も調べてみました。(下写真)
モチノキ(黐の木)の葉と果実 WEBより拝借
「黐の木」と「矢羽柊黐」の葉姿は似ていませんが、両方ともモチノキ科モチノキ属であり、同じような紅色の果実を付けるところから、矢羽+柊木黐=矢羽柊黐と名付けられたのではないでしょうか?(上写真)
「矢羽柊黐」(ヤバネヒイラギモチ)は、原産地が中国であることから、「チャイニーズホーリー」(Chinese holly)の園芸名が生まれたのかも知れませんね。
矢羽柊黐の植物分類名
科:Aquifoliaceae モチノキ科
属:Ilex
種:I. cornuta
学名:Ilex cornuta
和名:ヤバネヒイラギモチ
漢字:矢羽柊黐
英名:Chinese holly
原産地:中国東北部、朝鮮南部