自家用車を孫に譲渡してからは、新に購入した電動自転車で近場の散策を楽しんだり用足しをするようになりました。

 

昨日も自動車進入禁止の道を自転車で走り抜けていると、電車の線路と畑を隔てる柵に「モミジアオイ」(紅葉葵)が絡んで咲いていました。(下写真)

 

紅葉葵 撮影:東京都多摩東部 2023年9月3日

 

和名の「モミジアオイ」(紅葉葵)の由来は、アオイ科の花に似た姿をしていること、そして五裂した掌状の葉姿がモミジの葉に似ているからだそうです。(下写真)

 

紅葉葵の葉姿 撮影:東京都多摩東部 

 

「モミジアオイ」(紅葉葵)のことを、「紅蜀葵」と呼ぶ人もいますね。

 

「紅蜀葵」の由来は、同じアオイ科の「黄蜀葵」(トロロアオイ)に対して、紅色の花を咲かせることから名付けられたようですね。(下写真=黄蜀葵=トロロ葵)

 

黄蜀葵(別名:トロロアオイ) 撮影2022年9月

 

黄蜀葵の別名である「トロロ葵」(黄蜀葵)の「トロロ」の由来は、花や根にトロロのような粘りがあることから名付けられたとか。

 

黄蜀葵と言えば、数年前の拙ブログでも書いたような気がしますが、俳人の巨匠・高浜虚子が詠んだ「汝が為に鋏むや庭の紅蜀葵 」の俳句がありますね。

 

紅葉葵 撮影:東京都多摩東部 2023年9月3日

 

その昔に米国の東南部の湿地帯で「モミジアオイ」(紅葉葵)を観たことがあります。

 

友人の米国人は、「モミジアオイ」のことを「Swamp hibiscus」(沼のハイビスカス)と呼び、北米南東部の海岸沿いが原産地だと言っていました。

 

花図鑑によれば、「モミジアオイ」が日本へ渡来したのは、1853年のペリー提督の黒船来航から10年後の1863年(文久3年)だったそうです。

 

紅葉葵 東京都多摩東部 2023年9月1日

 

「モミジアオイ」(紅葉葵)の蕊柱を覗き見ると、蕊柱の上部に雄蘂が纏わり付き、蕊柱の先端に雌蘂がありました。(下写真)

 

「モミジアオイ」(紅葉葵)の雌蘂は、一日の時間経過につれて、次第に雄しべの方向へと撓垂れて近付いて行くらしいですね。

 

紅葉葵の柱頭 撮影時期 東京都多摩東部

 

上掲写真を観ると、確かに柱頭先の雌蘂の先端部分が少しばかり雄しべに向かって曲っているように見えたのですが・・・今後の更なる変化を観察したいと思います。


紅葉葵の植物生態分類

科名:Malvales アオイ科 

属名:Hibiscus フヨウ属 

種名:H.coccineus

学名:Hibiscus coccineus

和名:モミジアオイ(紅葉葵)

別名:コウショクキ(紅蜀葵)

英名:Swamp hibiscus

別名:Scarlet hibiscus

原産地:北アメリカ南東部