東京都多摩東部の自宅近辺の里芋畑と冬瓜畑の片隅に、8月初旬頃から「和名:ケイトウ」(鶏頭)の花穂が姿を見せ始めています。
9月も深まれば、もっと多くの「ケイトウ」(鶏頭)の花穂がニョキニョキと姿を見せてくれるに違いありません。
鶏頭 撮影:東京都多摩東部 2023年8月
ヒユ科セロシア属の「ケイトウ」の世界共通名である学名は、「Celosia algentea」ですが、その語源はギリシャ語の「燃焼」から来ているとか。花穂の彩りが"燃える焔"のように見えたのでしょうね。
鶏頭 撮影:タイ国バンコク 2011年2月
和名の変遷を読むと、万葉集時代に「加良阿為」 (カラアイ)と書かれていたのが「韓藍」(カラアイ)となり、やがて「鶏冠花」や「鶏頭」(ケイトウ)へと変化したようですね。
英語圏でも「Plumed Cockscomb」(雄鶏の羽毛の鶏冠)と呼ばれていますね。
鶏頭 撮影:タイ国バンコク 2021年9月
話は変わりますが、トップリーグの複数のスポーツチームから選手として誘いを受けている孫と話す機会がありました。
その折に老爺が中学3年生の頃に教わった史記-蘇奏伝の「寧為鶏頭無為牛尾」(鶏頭と為るも牛尾と為る無かれ)の一節を教示したところ、傍らにいた孫の祖母(僕の妻)がしゃしゃり出て宣いました。
史記-蘇奏伝の漢文は、「寧為鶏口無為牛後」(鶏口と為るも牛後と為る無かれ)だったのに、中国から日本に入って来た時に、「寧為鶏頭無為牛尾」に変わったのでしょ?
鶏頭 撮影:東京都多摩東部 2023年8月
そんな事はとっくに承知している僕ですが、若き理数系の孫に対しては、「鶏口・牛後」よりも、「鶏頭・牛尾」の方が理解し易いと思ったのに・・・
鶏頭 撮影:東京都多摩東部 2023年8月
それでも、若きスポーツ選手の孫は、中国語漢文の「寧為鶏口無為牛後」と日本語漢文の「寧為鶏頭無為牛尾」のどちらにも興味を抱いたらしく、自分の手帳に丁寧に書き取っていました。
鶏頭花の植物分類名
科:Amaranthaceae ヒユ科
属:Celosia
種:C.algentea
学名:Celosia algentea
和名:ケイトウ 鶏頭
別名:鶏冠花、韓藍
英名:Plumed Cockscomb