中国山脈の西端の両親の墓参りと奥深い山中の実妹の樹木葬の地を詣ってから、レンタカーを返却するために山陽新幹線駅に戻ると、駅舎の白壁に放浪の俳人僧侶として知られる「種田 三頭火」(明治15年生ー昭和15年没)のシルエットの描写と彼の自由律俳句の一句が記されていました。(下写真2枚)

 

駅舎の壁面に描かれた俳人僧侶・種田 三頭火のシルエット

 

駅舎の壁に記されていた「種田三頭火」の自由律俳句

 

上掲の句にも覚えがありますが、中学生だった僕の心を捉えたのは、草花の「金鳳花」を詠んだ自由律俳句だったことを思い出しました。

 

あるけば きんぽうげ すわれば きんぽうげ 山頭火

 

金鳳花 撮影:2023年4月 東京都多摩東部

 

残念ながら今回の故郷訪問は、「金鳳花」(Ranunculaceae)の開花期(3月~5月)を外れていたために見掛ける事が出来なかったのですが・・・

 

滑り莧(ポーチェラカ)  撮影:2023年8月 西日本の山間部

 

200㌔余りに及んだ墓参ルートの路傍で、彩り豊かな「スベリヒユ」(滑り莧)との出合いが幾度となくありました。(上下写真)

 

滑り莧(ポーチェラカ) 撮影:2023年8月 西日本の山間部

 

しかしながら、「滑り莧」(スベリヒユ)の和名は、今やすっかり忘れ去られてしまい、属名の「Portulaca」を園芸名とした「ポーチェラカの方が広く知られているようですね。(下写真)


滑り莧(ポーチェラカ) 撮影:2023年8月 西日本の山間部

 

園芸名の「ポーチェラカ」の語源は、属名のPortulaca」からの引用だと容易に想像できるのですが・・・

 

和名の「スベリヒユ」(滑り莧)の由来としては、如何にも滑りそうに見える光沢のある葉や茎がヒユ科のヒユの姿に似ているからだとする説があるらしいのですが・・・

 

僕としては眉に唾したくなるような、そんな気がしました。

 

滑り莧の植物分類名

科:Portulacaceae スベリヒユ科

属:Portulaca

種:P.oleracea

学名:Portulaca oleracea

和名:スベリヒユ 滑り莧

英名:Common Purslane