近所の公園に、暑さに強いアカネ科ペンタス属の「学名:Pentas lanceolata」が五弁の花冠を開いていました。(下写真)

 

ペンタス 撮影:2023年7月20日 東京都多摩東部

 

英語圏では一般的に「Pentagram」と呼ばれているようですが、その語源は古代ギリシャ語の数字の「5」をラテン語に翻字した「Pente」から来ているそうです。

 

別名として「Egyptian starcluster」とか「Five-pointed star」の呼称もあるようですが、これも五弁花の集団を「五芒星」の集団に見立てたのでしょうね。

 

五弁の花冠 撮影:2023年7月20日 東京都多摩東部


日本では「クササンタンカ」(草山丹花)と呼ばれていますね。

 

その由来は、花姿が似ている樹類の「山丹花」(下写真)と区別化するために、草類の「ペンタス」の和名を「草山丹花」としたようですね。

 

樹類の山丹花 撮影地:タイ・バンコク

 

上掲写真の樹類の「山丹花」は、タイ国では幼稚園、小学校、中学校、高校、大学において、「先生の日」(วันครู)と「先生を敬う日」(ไหว้ครู)に贈呈する花束に必ず含まれているのですが・・・下写真の「草山丹花」(ペンタス)が含まれているのを見たことがありませんね。

 

ペンタス 撮影:2023年7月20日 東京都多摩東部

 

五芒星には古代から魔除けとしての歴史があるようですが、日本には奈良時代頃から、災いを払うための儀式で使われ始めた記録があるようですね。

 

ペンタスの葉と蕾 撮影:2023年7月20日 東京都多摩東部

 

「ペンタス」の葉は、大きくて葉脈が目立っ濃い緑色ですが、可愛い花には似付かわしくないように見えます。蕾の姿形もペンタスのイメージとは違うように見えます。(上下写真)

 

ペンタスの葉と花 撮影:2023年7月20日 東京都多摩東部

 

ペンタスの群生は、個々の花の直径が2cm弱と小さいので、少し離れて全体を眺めるとあまり目立たず、熱帯特有の花が持つ派手さがありませんね。(上写真)

 

しかしアフリカ東部からアラビア半島に自生する草花なので、日本の炎天下を経て秋口になる頃までは、きっと可愛い花を咲かせてくれるのではないでしょうか。

 

ペンタスの植物分類名

科:Rubiaceae アカネ科

亜科:Rubioideae

属:Pentas ペンタス属

種:P. lanceolata

学名:Pentas lanceolata

和名:クササンタンカ

漢字:草山丹花

英名:Pentagram

別名:Egyptian starcluster