東京都北部多摩の自宅近くの公園で、今年も鮮黄色の花を賑々しく付けた「レンギョウ」(連翹)が咲きました。(下写真)

 

連翹の花 撮影:自宅近くの公園 2023年3月

 

春の到来を告げる落葉小低木ですが、緑葉が芽吹く前に鮮やかな黄花が密集して咲く様子は、公園に集う大人と子供の心を明るくしてくれます。

 

連翹の花 撮影:自宅近くの公園 2023年3月

 

和名の「レンギョウ」は、中国語の漢名の「連翹」(liánqiáo)をそのまま音読みしたものですが、実は中国語の漢名の「連翹」とは「オトギリソウ」のことであり、古の誰かさんの完全なる誤用だそうです。

 

連翹の花 撮影:自宅近くの公園 2023年3月

 

日本で誤用された「連翹」は、中国では「黄寿丹」と呼ばれている植物らしいのですが、日本でいつの時代に何方によって誤用されたのかは不明だそうです。

 

平安時代の漢和辞書的役割を担ったとされる「和名抄」(撰:源順)によると、「連翹」と誤用される以前の古名は「鼬草」(イタチグサ)だったようですね。

 

枝が直立して上向きに伸びる"「支那連翹」   撮影:自宅近辺

 

日本で観られる「連翹」には、枝が弓なりに伸びて下垂する「連翹」と「朝鮮連翹」、そして、僕が公園で撮影した"枝が直立して上向きに伸びる"「支那連翹」(上写真)の三種があるそうです。

 

来月の二日は、「連翹」の黄花を愛したと言われる彫刻家・詩人の高村光太郎の命日ですね。告別式の当日に棺の上に「連翹」の花枝が添えられたことから4月2日の命日を「連翹忌」と呼ぶようになったと聴いているのですが・・・

 

彼の作品の中に「連翹」を詠んだ詩があるのかと思って検索してみたのですが・・・見つかりませんでした。

 

連翹の植物分類名

科:モクセイ科 Oleaceae

属:レンギョウ属 Forsythia

学名:Forsythia Vahl

種:Forsythia suspensa

和名:レンギョウ(連翹)

別名:レンギョウウツギ(連翹空木)

英名:Golden bells