自宅近くの大通りの街路樹として植えられている「サルスベリ」(猿滑)の白花が咲き始めました。(下写真)

 

自宅近くの「サルスベリ」  撮影:昨日

 

和名の「サルスベリ」(猿滑り)の語源は、木登り上手の猿でも滑り落ちそうな「滑らかな樹皮」から来ているようですが、猿が滑り落ちることは無いらしいです。

 

日本語で「サルスベリ」(猿滑)と打ち込んで漢字変換すると、一個の花の寿命は一日花なのに、「百日紅」(ヒャクジツコウ)と表示されることが多いですね。

 

これは、多くの蕾が次々と開花して長期間に亘って咲き続けることから、「長期間」を「百日」にたとえて、「百日紅」(ヒャクジツコウ)と呼ばれるようになったようです。

 

花色が「白花」であろうとも、「紅花系」であろうとも、全て「百日紅」と呼ばれるのは、圧倒的に「紅花系」が多いからだろうと思います。

 

自宅近くの「サルスベリ」  撮影:昨日

 

僕が今まで見た「サルスベリ」の花色は、白色、紅色、薄紅色、濃紅色の四色系ですが、「百日紅」のように花色を花名にしているのは、日本だけのような気がします。

 

中国では「紫薇」と呼ばれているようですが、これは「紫花」を意味するのではなく、唐代の宮廷(紫微)で多く植栽されていたことから、「宮廷の花」=「紫薇」と名付けられたようです。

 

英語圏では、縮緬状(Crape)になった花の姿が銀梅花(Myrtle)に似ていることから、「Crape myrtle」と呼ばれているそうです。

 

自宅近くの「サルスベリ」  撮影:昨日

 

僕が長年に亘って在住したタイ国では、薄紅から濃紅の花色が多く、上向き花と下向き花の種類を含めて約20種が在るそうですが・・・

 

僕の当時の撮影メモを読み返すと、下記の三種類が多かったことを思い出しました。

 

タイ語名は、花色とは関係なく、花の性状によって呼び分けられていました。(下写真3枚)

 

①「インタニン ナーム」(อินทนิลน้ำ ) (下写真)

学名:Lagerstroemia  speciosa (Linn.) Pers

 

性状:河畔に多い花樹

撮影:1911年10月 バンコク

 

 

②「インタニン ボック」(อินทนิลบก)(下写真)

学名:Lagerstroemia  macrocarpa Wall.

性状:内陸に多い花樹

撮影:1911年10月 バンコク

 

 

③タイ名:「サラオ バイ ヤイ」(เสลาใบใหญ่) (下写真)

学名:Lagerstroemia  loudonii Teysm.& Binn

大葉の枝先が垂れる花樹

撮影:1911年10月 バンコク

 


 

タイ国から日本に本帰国した1918年以降も、毎年のようにタイ国に旅していましたが・・・

 

1920年3月~4月のタイ旅行以降は、コロナ禍のためにタイ国へ出向くことが出来ずに悶々とした日々が続いています。

 

いつになったらタイ国へ旅することができるのでしょうか・・・

 

参考:サルスベリの植物分類名

科:Lythraceae ミソハギ科

属:Lagerstroemia サルスベリ属

種:L.indica

学名:Lagerstroemia indica

和名:サルスベリ 猿滑り

別名:百日紅

英名:Crape-myr ヒャクジツコウ