2月23日に『1/3:色黒の肌をした仏像』を投稿してから昨日までの一週間、珍しく多忙な日々が続いて続編の投稿が遅れてしまいました。

 

前回の「色黒の肌の仏像」は、最初から色黒を意図して制作された遊行仏(プラリーラ พระลีลาの話でしたが・・・

 

本日の「色黒の仏像」は、完成時には金色の仏像だったにも拘わらず、戦争による略奪や盗難を防ぐために、意図的に「漆黒の仏像」にされてしまった二体の仏像です。

 

最初の仏像は、タイ国北部のプラケーオ・チェンライ寺院(วัดพระแก้วเชียงราย)で保存されている色黒の仏頭です。(下写真)
 

 

上写真の色黒の仏頭は、プラケーオ・チェンライ寺院が旧名の竹林寺と呼ばれてい時代に、直ぐ近くを流れるコック川の川底で発見されたらしいのですが・・・

 

寺院境内で出逢ったタイ人夫婦の話によると、略奪者が黒色の仏像にガッカリしてコック川に投げ捨てた仏頭が、経年変化によって漆喰が部分的に剥げ落ちて金色の肌が現われていた・・・のだそうです。

 

現在バンコクの王宮寺院で祀られている「エメラルド仏」も、その昔は、略奪を避けるために、漆喰されて黒く塗り潰されて、当寺院の仏塔内に隠匿されていた時代があったそうです。

 

 

上掲写真は、タイ北部チェンラーイの「プラタート・ドーイ・ステープ寺」(วัดพระธาตุดอยสุเทพ)

で見掛けた「黒い仏像」ですが・・・

 

やはり黒色が部分的に剥げ落ちた顔面に、本来の色と思われる金色が浮き出ていました。

 

境内に居たタイ人が「盗難防止の漆喰が剥げて本来の金色が出ているよ」と話しているのを耳して・・・

 

歴史的に隣国ビルマ(現ミャンマー)からの侵攻による仏像の略奪や盗難に悩まされていたタイ北部では、金色の仏像を漆喰で覆い隠す風潮があったのであろう・・・との思いを強くしたのですが・・・

 

僕の連れ合いは、「長年の蝋燭の煤で黒くなったのかも・・・」と呟きました。

 

次回ブログでは、バンコクの廃寺に捨て置かれていた漆喰で固められた重さ5.5トの黒色の仏像が、なんと全身が金色の仏陀像だと判明して大騒ぎになった実話について投稿したいと思います。