今年の7月初旬、散歩道にあるミニ公園内に、何かの花の蕾が直立していました。

 

数日後に開花するであろう花姿を楽しみにして、開花直前の蕾を撮って置いたのですが・・・(下写真)

 

何の花の蕾でしょうか?

 

数日後に再訪のつもりが・・・8月半ばになって漸く出向いてみると・・・開花していたのは「天竺牡丹」(ダリア)でした。(下写真)

 

「天竺牡丹」を字面通りに解釈すれば、天竺=旧称インドとなりますが、実際の意味合いは、「天竺=遠い異国」を表現する名付けだったと思われます。

 

因みに、「天竺牡丹」の原産地は、メキシコとグアテマラでした。

 

天竺牡丹(ダリア)の開花

 

検索してみると、江戸時代の「百花培養考」(著:松平菖翁 )によると、「天竺牡丹」(ダリア)が日本の長崎・出島に渡来したのは江戸時代・天保12年(1841年)とありました。

 

オランダ船によって持ち込まれた植物を引き取ったのは、江戸・巣鴨の植木屋・内山長太郎でした。

 

「天竺牡丹」の名付け親は、「百花培養考」の松平菖翁、或いは巣鴨の植木屋・内山長太郎でしょうか・・・

 



「天竺牡丹」の「牡丹」の名付けの由来は、丸い花の形が「釦(ボタン)」に似ているからとの説もありますが、「葉の姿形」が牡丹に似ているという説もあるようですね。
巣鴨の植木屋・内山長太郎がオランダ船から受け取った「天竺牡丹」は、一重の黄花の天竺牡丹だったそうですが、その種を蒔いたところ、紫、黄赤、白、紅色の絞り等の様々な色の花が幾つも開花したそうです。

原産地の中南米から欧州に持ち込まれた当初のダリアの種は、「Dahlia variabilis」(ダリア・ヴァリアビリス)だったそうです。

 

巣鴨の植木屋・内山長太郎が受け取って育てた「黄花の天竺牡丹」でしたが・・・その種を蒔くと、様々な花色に変化した「天竺牡丹」が次々と開花したそうです。

 

日本に初めて持ち込まれた「天竺牡丹」の種は、メキシコ産ダリアの「Dahlia variabilis」だったかもしれませんね。因みに、「Dahlia variabilis」の「variabilis」の意味は、「変化に富む」だそうです。

 

参考:天竺牡丹の植物分類名

科:Asteraceae キク科

亜科:Asteroideae キク亜科

連:Coreopsideae ハルシャギク連

属:Dahlia ダリア属

学名:Dahlia Cav.

和名:天竺牡丹 ダリア

英名:Dahlia 

原産地:メキシコ。グアテマラ