その昔、バンコク郊外の野原でタイ老人から教わった 『バーン ブリー ルアン』(黄有明葛)と『バーン ブリー ムアン』(紫有明葛)の花のブログ記事を二回連続で書かせて頂きました。
本日は、その折に教えて貰った別花の『ジャン グラジャーン ファー』(จันทร์กระจ่างฟ้า)についてご紹介したいと思います。別花と書きましたが、正直に申しますと、『ジャン グラジャーン ファー』と『バーン ブリー ルアン』の違いを認識していなかった当時の僕は、両方とも『バーン ブリー ルアン』だと思っていました。
ジャン グラジャーン ファー(จันทร์กระจ่างฟ้า)
『バーン ブリー ルアン』(黄有明葛)と『バーン ブリー ムアン』(紫有明葛)の花を前にしての説明を終えたタイ老人が、同じく黄花が咲いていた真向かいの生垣の前に僕を誘って・・・語り始めました。
ジャン グラジャーン ファー(จันทร์กระจ่างฟ้า)
老 『此の花は、ジャン グラジャーン ファー』(จันทร์กระจ่างฟ้า)だよ、知っているかい』
僕 『バーン ブリー ルアン(บานบุรี่หลือง 黄有明葛)ではないのですか?』
老 『葉の形をよく観なさい。バーン ブリー ルアン(黄有明葛)とは違うでしょう?』
老人に言われて気付いたのですが、『バーン ブリー ルアン』(黄有明葛)の葉は“細長くて先が尖っている”のですが、『ジャン グラジャーン ファー』(จันทร์กระจ่างฟ้า)の葉は“幅広の丸葉”になっています。
僕 『今まで何度も此の花を観ていますが、バーン ブリー ルアンだと思い込んでいました』
老 『気にすることないよ、殆どのタイ人も此の違いを知らないと思うよ』
僕 『ジャン グラジャーン ファーは、タイでも珍しい花なのですか?』
老 『彼方此方の生垣に植えられている手間のかからない平凡な花だよ』
『ジャン グラジャーン ファー』と『バーン ブリー ルアン』の違いを知っているのは専門業者だけだから、外国人の僕が知らないのは当然だと言って慰めてくれる優しい老人でした。
ジャン グラジャーン ファー(จันทร์กระจ่างฟ้า)
上掲写真の花は、僕がバンコク時代に住んでいたマンションのベランダに植えていた『ジャン グラジャーン ファー』ですが・・・当時は、『バーン ブリー ルアン』だと信じ込んでいたのですから、まったくトホホの情けない話です。
実は、『ジャン グラジャーン ファー』(จันทร์กระจ่างฟ้า)の日本名を知りたくて調べたのですが、この時は分からずに終わってしまい・・・仕方なく、“จันทร์”=月、“กระจ่าง”=光輝く、“ฟ้า”=空の意味となることから、自己流の迷訳として『空に輝くお月様』と名付け、 『バーン ブリー ルアン』(บานบุรี่หลือง)の迷訳『街を黄色に染める花』と自分なりに区別化して憶えていました。
日本に本帰国してから、『ジャン グラジャーン ファー』(จันทร์กระจ่างฟ้า)の英語名と和名を調べてみると、『チリソケイ』(チリ素馨)と『Mandevilla』、『Rock trumpet』の花名があることが分かったのですが、一般的和名としては、今もなお通用していないようですね。
上掲写真は、アソーク近辺の公園で見た 『ジャン グラジャーン ファー』です。
タイ老人の言われるように『ジャン グラジャーン ファー』が育て易い植物なのであれば、是非とも我が家のベランダの遮光を担うグリーン・カーテンにしたいと・・・当時は思っていたものでした。
ブログ読者のthaifruits さんや故人となられたkiiさんからは、食欲と心の癒しの両方を得られる“ ニガウリ”か“ヨート・マラ ” にした方が賢明かも・・と言われていたのですが・・・
参考:チリソケイ(チリ素馨)の植物分類名
科名:Apocynaceae キョウチクトウ科
属名:Mandevilla マンデビラ属 旧属名:ディプラデニア (Dipladenia) 100種以上ある。
学名:Mandevilla Lindl.
和名:チリソケイ(チリ素馨)
タイ名:จันทร์กระจ่างฟ้า จันทร์กระจ่างฟ้า
| 英名:Mandevilla、rocktrumpet 原産地:熱帯アメリカ、ブラジル、メキシコ〜アルゼンチン 性状:毒性:有り(オレアンドリン)、常緑蔓性の低木、草丈:30cm~300cm |
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