新型コロナ菌でストレスを感じる日々が続いていますが、見通しが定まらないまま、今日から新年度に入りました。高齢者としては、他人様に迷惑をお掛けしないように、只管に我慢をして長期戦に耐えるしかありません。
今年の2月中旬から~3月上旬に掛けて所用でバンコクに滞在していた時、ホテル敷地内の未整地に円錐状の青紫色の花が咲いていました。五裂した花冠の中央から突き出た黄色い葯が際立つ花冠です。
傍らに立てられていた手書きの植物標識名を見ると、タイ語の花名が『มะเขือเครือ』、植物分類の学名が『Solanum seaforthianum Amdr.』、科名が『Solanaceae』と記されています。(下掲写真)
学名『Solanum seaforthianum Amdr.』
タイ語の『มะเขือ』は“茄子”(ナス)、『เครือ』は“属”を意味しますので、『ナス属』(茄子属)らしい事は分かったのですが、標識に併記されている学名の『Solanum seaforthianum Amdr.』と科名の『Solanaceae』だけでは、日本語名を想像することが出来ません。
日本名:ルリイロツルナス』(瑠璃色蔓茄子)
スマホで学名の『Solanum seaforthianum Amdr.』をググると、英名は『Brazilia nightshade』、日本名は『ルリイロツルナス 』(瑠璃色蔓茄子)だと分かったのですが、英名も日本名も初めて知る呼称です。
グーグル記事を読むと、『ルリイロツルナス 』(瑠璃色蔓茄子)の特徴が浮かびあがって来ました。
①熱帯雨林の林縁辺りに長さ3m~4mにわたって伸びる蔓性植物。
②円錐花序の青紫色の五弁花を咲かせる。
③卵型をした緑色の羽状葉が互生する。
④熟すると直径1cmの赤い果実が生る。
卵型の羽状互生葉
赤い熟果は確認できませんが、花冠の形状や花色、蔓性植物、卵型の羽状互生葉の特徴を備えていることから、『ルリイロツルナス 』(瑠璃色蔓茄子)と思って間違いなさそうです。
日本での開花期は真夏から晩夏頃とありましたが、タイ・バンコクで此の花を撮ったのは、朝方28℃、昼時32℃の気温が続く3月上旬でした。タイ国の季節感は、日本のような四季ではなく、暑季・雨季・乾季の三季なので、3月上旬は、暑季入り寸前の乾季となります。
『ルリイロツルナス 』(瑠璃色蔓茄子)は、大好きな熱帯性気候の条件に恵まれると、攻撃力の強い蔓性植物に変身するようです。自然界の荒れ地のような環境であろうとも、蔓性の特性を発揮して至る所へと侵入拡散して、あらゆる在来植物を覆い隠して死滅に追い遣ってしまうことから、熱帯性気候のアジア、アフリカ、西インド諸島などでは、有害雑草として指定されているとか。
寒い冬季のある日本では、それほど蔓延することは無いだろうと思うのですが、それでも最近の気候変動を考えると一抹の不安もないではありません。油断大敵、用心するに越したことはありません。
『ルリイロツルナス 』(瑠璃色蔓茄子)
参考:ルリイロツルナスの植物分類名
科名:ナス科 Solanaceae
属名:ナス属 Solanum
種名:S.seaforthianum
学名:Solanum seaforthianum L.
英 名:Brazilia nightshade、Italian jasmine
和名:ルリイロツルナス (瑠璃色蔓茄子)
別 名:フサナリツルナスビ、ソラナム・シーフォーシアヌム
原産地 熱帯アメリカ(西インド諸島)
性状:開花常緑蔓性低木、
毒性:トロパンアルカロイド(軟体動物駆除、住血吸虫駆除として有効)


