東京の桜の開花宣言が数日前に出たようですが、2週間の自主的行動規制で自宅に閉じ籠っている僕には自宅近辺の櫻の開花状況がよく分かりません。明日で2週間の外出規制が明けるのですが、ここまで我慢をしたのですから、三連休明けを待ってから、近隣の櫻の状況を観て回りたいと思っています。

 

本日は、その前にせめて写真で開花気分に浸ろうと思って、タイ在住時代に撮ったタイの“サクラ擬き”の花木2種類の内の一つをピックアップしてみました。タイ人から、「チョンプー・パンティップ」(ชมพูพันธุ์ทิพย์)と呼ばれている花木です。

 

タイ語名 「チョンプー・パンティップ」

 

上掲写真は、バンコクのシーロム通りに通じるラーチャダムリ通りの高架電車(BTS)駅前に咲いていた「チョンプー・パンティップ」(ชมพูพันธุ์ทิพย์)です。駅前には、日本の建設会社が出資した「タイ大林組ビル」がありましたが、現在は「ナンタワンビル」(อาคารนันทวัน)の名前に変わっています。

 

英語名 「Tabebuia rosea」

 

バンコクに在住する英語圏の友人は、「Tabebuia rosea」と呼ぶ人が多かったように思いますが、その他にも花序の形状からか、「Pink Trumpet tree」、「Pink Tecoma」 等と呼ぶ人もいました。

 

和名 「キダチベニウゼン」(木立紅凌霄)

 

和名を調べると、「キダチベニウゼン」(木立紅凌霄)、「モモイロノウゼン」(桃色凌霄)の花名が出て来ました。別名として「風鈴木」の名前もありましたが・・・タイ語名の「チョンプー・パンティップ」(ชมพูพันธุ์ทิพย์)で此の花を初めて知った僕には、どうも馴染めない呼称ばかりです。皆さんは何と呼ばれているのでしょうか?

 

花序がロート状のタイ桜擬き

 

花序の形状がロート状の此の花は、風が吹いても日本桜のように桜吹雪となって美しく散ることはなく、なんと!突然!凄いスピードで路上に向かって垂直落下します。余韻も風情も何もありません。

 

運河の小道を埋めるロート状の花序

 

太平洋戦争で南洋諸島を転戦した大日本帝国陸軍の兵士の皆さんは、日本とほぼ同じ時期に咲く此の花を「南洋桜」と呼んで、故国日本の春や、家族と過ごした家族団欒を偲んだという・・・そんな昔話を聴いたことを思い出しました。

 

 

参考:「キダチベニウゼン」(木立紅凌霄)の植物分類学上の名前

科名:ノウゼンカズラカ科 Bignoniaceae、Tecome

属名:タベブイヤ属 Tabebuia

種名:Tabebuia rosea

英名:Pink Tecoma 、Pink Trumpet Tree、Pink RosyTrumpet

南米名:ター・ベーブー・ヤー

タイ名:チョンプー・パンティップ(ชมพูพันธุ์ทิพย์)、チョンプーインディア、ターベーブーヤー

和名:キダチベニウゼン(木立紅凌霄)、モモイロノウゼン(桃色凌霄)、別名:風鈴木

原産地:名南米各地

樹高:通常8m~10m、15m~25mの高木もあり