新規開拓した散歩コースの林の中に、多分間違っていないと思うのですが、熱帯性の『アリアケカズラ』(有明葛)と思われる黄色の花が咲いていました。 残念ながら林の中は立入禁止なので、中距離望遠レンズで眺めるしかなかったのですが、たまたま垣根の近くにポツンとあった蕾を見て、この花は熱帯性の『アリアケカズラ』との思いを深めました。

 

アリアケカズラ 於日本

 

  筒状花の直径は7cm~8cm程度しかないので、直径10cm以上は優にある大花有明葛ではないと思いますが・・・熱帯性の常緑蔓性なので草丈の成長は著しく、既に2mは超しているように見えます。

 

アリアケカズラの蕾 於日本

 

  葉は革質の長楕円形で約4枚が輪生しています。林の奥に見える漏斗状の花弁も、眼前の蕾も鮮やかな黄色ですが、去年まで滞在したタイ国では、微かな香りを漂わせる黄色や紫色のアリアケカズラを周年で楽しむことができました。(下写真)

 

アリアケカズラ:バンコク

 

  タイ語では、黄色の有明蔓のことを『バーン・ブリー・ルウアン 』 บานบุรีเหลือง と呼びます。タイ語を頭から順番に訳すと、『開花・町・黄色』となりますが・・・敢えて意味合いを読み下し文にするならば、『 町を黄色に染めて咲く花』と言ったところでしょうか。僕の強引な間接的意訳ならぬ迷訳ですので悪しからず。 

 

アリアケカズラ:バンコク

 

  タイ人の古老の話によると、1990年代以降、タイの景気が上向き始めた頃から、バンコク郊外や地方都市で個人家屋の新築ブームが到来し、その生垣として絢爛に輝く有明葛(バーンブリールアン บานบุรีเหลือง )を植えるのが大流行、今や生垣などの代表的蔓性花の一つになったとのことでした。


  昨年、バンコクに2ヶ月半の短期旅行をしたのですが、現在もゴルフ場、競技場、寺院境内、公立公園などの生垣や門型アーチを飾る花として立派に定着していました。

 

  しかし不思議ですね! 有明葛(バーンブリールアン)は正真正銘の熱帯性植物なのに、何ゆえに温帯性気候の日本で咲くのでしょうか? 近頃、温帯性気候の日本が『熱帯化』しつつあるとの話を耳することがありますが、最近の日本の自然界の状況変化を見ていると・・・熱帯化は大袈裟としても、少なくとも『亜熱帯化』していることは否定できないように思うのですが、皆さんはどの様に思われますか?

 

 

参考:アリアケカズラの植物生態分類

Scientific Classification based on APG-II 

科名:キョウチクトウ科 Apocynaceae

属名:アラマンダ属 Allamanda

学名:Allamanda cathartica 

和名:アリアケカズラ  有明葛
英名:Yellow allamanda、Golden trumpet、Golden Trumpet
原産地:ブラジル、南米ギアナ 

開花期:4~10月 (熱帯地域では周年) 
性状:常緑低木、常緑半蔓性低木、微かな香りのある蔓性植物