お詫び

『ウドの木』と思い込んで投稿しましたが、読者の方から『こんにゃくの木』ではないかとのご指摘を頂戴して調べたところ、明らかに当方の勘違いであると分かりました。訂正してお詫び致します。申しわけありませんでした。  投稿文を完全削除することも考えましたが、今後の自分への戒めを考えて、敢えて残して置く事にしました。

 

  散歩の途上で地元の方が栽培されている菜園を通りかかると、『ミョウガ』の畝のすぐ隣の列に、幾つもの『ウド』(独活)『こんやくの木』が並んで植えられていました。 
 
  『ウド』(独活)には、路地栽培で育てる『ウド』と、陽光を遮断して栽培する『ウド』があるようですが、僕が目にしたのは、前者の路地栽培の『ウド』でした。 その世界では『ヤマウド』と言うそうです。(下写真)
 
ウドの木 コンニャクノキ
 
   上写真の茎がチョット太すぎるのが気になります。 野菜栽培の経験が無い僕には、このウド』が、今から旬を迎えるのか?それとも食べ頃を過ぎて薹(トウ)が立ってしまった類なのか? さっぱり分かりません。(下写真)
 
ウドの茎 コンニャクノキ
 
  食べ頃を過ぎて薹(とう)が立ってしまうと、食用として使えなくなることから、“図体がでかくて役立たない”を意味する『ウドの大木』という言葉が生まれたようです。なんとも侮蔑的慣用句ですね。
 
  『ウド』を観察していると、タイ在住時代に調べたことのある江戸末期のオランダ商館の外科医であり、著名な博物学者でもあったドイツ人のシーボルトを思い出します。
 
  当時の日本植物を最初に欧州に紹介した彼の名誉『フローラ・ヤポニカ』には、全151図に及ぶ植物図譜が収録されていますが・・・その中に、シーボルトが新種の登録申請を行ったアジサイのオタクサ(登録却下)や『ウド』(独活)の図譜も採録されています。(下写真)
 
フローラ・ヤポニカの日翻訳本
 
  下図は、日本植物誌(フローラ・ヤポニカ)に収録されているシーボルトの描いたウド(独活)の植物図譜です。欧州植物学会への登録申請名は、『ウド』(Udo)ではなく、ウコギ科を意味する『Aralia edulis』となっていますね。
 
    『植物の漢字語源辞典』 によると、『ウド』を『独活』と漢字表記する由来は、中国の漢方医学の最重要古典の一つとされる『名医別録』と日本の『新選字鏡来』に見られるとあります。
 
  『新選字鏡来』には、土中の芽である土楤(ツチタラ)を食することから、ウズト(埋処)と呼ばれていたのが『ウド』に転訛した・・・とあり、中国の『名医別録』の『独活』の項には、「一名揺草。此の草、風を得て揺れず、風無くして自らする」・・・ことから“独活”と表記された旨の記述があるそうです。
 
  和名が『ウド』となったのは、中国漢字の『独活』に『ウド』の訓をつけて読んだことから始まった・・・と言うのが由来のようですが・・・真意のほどは定かではありません。
 
 
参考:ウドの木の植物生態分類(APGⅢ)
科名:ウコギ科 Araliaceae
属名:タラノキ属  Aralia
学名:Aralia cordata Thunb(1784)
和名:ウド(独活)
英名:Oudo、Spikenard、Udo