駐車場の金網フェンスに沿って植えられていたシラユリ(白百合)が開花しました。(下写真)

  シラユリ(白百合)をみると、太平洋戦争時の沖縄戦で散った男性の幼い頃の恋心を唄ったメロディーが頭に浮かんできます。それは、反戦の心を込めた歌でもあります。

 

 

  それは、シンガーソングライターの宮沢和史さんが作詞作曲し、魂のテノール歌手として知られる沖縄出身の新垣勉(アラガキ ツトム)さんが朗々と歌う名曲です。

 

白百合の咲く頃に 僕は消えるけど どうか君だけには 届きますように

交わした約束さえ果たせはしないけれど 澄み渡る空の青 ふと手を伸ばした
僕はただその無力さを知った 巻き戻しのきかない 冷たく時を刻む秒針は
悲しいくらい永遠を拒んだ

 

 

白百合の咲く頃に 僕は消えるけど どうか君だけには 届きますように
深い眠りの底でいつまでも歌うから 淡く滲む思い出も柔らかな痛みも
全て土へと還るのだろうか? どれくらいの涙が僕には残されているのだろう
やがて訪れる 終わりと静寂

 

 

白百合の咲く頃に 僕は消えるけど この想いだけは 枯れはしないから
遠い記憶の中で 鮮やかに揺れていたいよ 灰色に積もる 

望まれぬ願いと 薄弱な祈り どうか どうか・・・ 儚く響いた
限りある命なら 終わらない愛を 最果ての地から 君に捧げよう
伝えたい言葉はただ「ありがとう

 

 

白百合の咲く頃に 僕は消えるけど 一瞬一瞬をそう 愛していこうよ
新しい光の下 また歩き出せるように 百合は咲いて 君を想う

 

  白百合は、花言葉では純潔と清らかさの象徴とされていますが、死や悩みをイメージする花とも言えます。昨年の年末、ドイツで亡くなった僕の実妹の甥や姪によると、ドイツの墓地にある白百合は、死者となった母から子供へ残された挨拶なのだそうです。

 

  植物生態分類から遠くなる園芸種の白百合(シラユリ)は、僕には苦手な花ですが、幼い頃に恋心を抱いた女性に捧げる男性の心は、僕の心にも響く奥深い花のように見えてきました。