茅ヶ崎の赤松町界隈を散策していると、道端の草むらの中に『コバンソウ』(小判草)が繁茂していました。茎の先端から伸びた繊細な柄の先からぶら下がった小穂の群れが、微風に弄ばれて上下左右に揺れ動いている様子が目を楽しませてくれます。(下掲写真)

 

 

  小判草(コバンソウ)の名前から想像して、てっきり日本古来から続く野草の一種だろうと想像していたのですが、意外にも、明治時代に欧州から渡来した野草の一種でした。因みに、小判草の学名である『Briza』の意味は“ライムギ”だそうです。

 

 

  黒パンの醸造原料として利用された“ライムギ”(Briza)が欧州から日本に導入されたのも、野草の小判草(Briza)が欧州から渡来したのも同じ明治時代でした。今や“ライムギ”(Briza)は、殆ど栽培されていないようですが・・・野草の小判草(Briza)は、関東以南の日本各地の道端で、実に逞しく生き残っています。

 

  五月に入ると、野草の小判草(Briza)は、黄金色に稔って輝きをまします。それがとても楽しみです。