米コネチカット州の小学校銃の乱射事件で、児童20人を含む27人が犠牲となりました。こうした銃による無差別殺害事件を頻繁に繰り返す米国ですので、それほど驚くこともなくネット版の記事を読み進んだのですが・・・犠牲者の大半が5歳~10歳の幼児だったことを知って愕然としてしまいました。
悲しみで声を振るわせつつ、時折瞼を指先で軽く押さえながら、頻発する米国の悪夢を何とかして防ぐための 『 効力的な措置 』 を採らねばならないと語るオバマ大統領の沈んだ表情が、米国の苦悩をありありと映し出していたように見えました。
オバマ大統領の演説を受けて、ニューヨーク市長は訴えていました。
『効果的な措置なんて生温い! 銃規制を厳しくする法案の議会提出を急ぐべきだ! 』
Mr.Stephane Peray (Stephff) Editorial cartoonist at The Nation
ところが、オバマ大統領とニューヨーク市長の真摯な演説に対して、米国社会は冷酷な反応を示したようです。演説の中で販売制限対象の武器として登場した短時間で多くの人を殺すことの出来る 『 戦闘用武器 』 が数時間で売り切れてしまったと言うのです。なんだか、血塗られた米国の深層心理を垣間見たような・・・嫌な感じのするニュースでした。
全米ライフル協会(会員500万人)の副会長は、子供達を銃乱射事件から守る方策を一方的にがなり立てていました。
『 来年の1月までに、全ての学校に武装警官を配置するべきだ 』
『 銃を持った悪人を止められるのは、銃を持った善人だけだ 』
『 大統領を警護する銃の使用は良し!子供を守る銃は悪いと言えるのか? 』
Mr.Stephane Peray (Stephff) Editorial cartoonist at The Nation
以前、全米ライフル協会の提案によって武装警官を置いたにも拘わらず、銃乱射事件の発生よって13人の犠牲者を出してしまった全米教育協会の責任者が発言していました。
『 学校に銃を置く事が、銃による暴力を減らす解決策にはならない 』
全米ライフル教会の提案は偏執的で陰惨だと断じるニューヨーク市長が言いました。
『 誰もが武装することになれば、米国には安全な場所が全く無くなる 』
『 米国は今よりも危険となり、暴力に満ち満ちた場所となる 』
『 全米ライフル協会の提案は、深刻な危機からの恥ずべき逃避だ 』
悲劇の再発防止策をめぐる意見対立によって、米国世論が両極に割れているようですが、乱射事件直後の生々しさもあって、銃規制強化を求める賛成意見が反対派に迫っているような雰囲気もあるようですが・・・『 自分の命は、自分で守るしかない 』 とする陰惨な伝統に裏打ちされた銃社会に、果たして新しい変化は起きるのでしょうか?
Mr.Stephane Peray (Stephff) Editorial cartoonist at The Nation
タイの銃砲規制について見てみたいと思います。
一般のタイ人が護身用として銃砲を家屋内に置きたい時は、県庁に銃器購入許可書を申請します、更に、銃砲を携行するとなると、タイ内務省警察局へ銃砲の携行許可証を申請しなければなりません。
政府の銃器購入許可申請の審査基準は、財産・不動産の所持状況、銀行預金高の状況がチェックされることになっているようですが、此の審査基準が米国と比較して緩いのかどうか・・・僕にはよく分かりませんが・・・感じとしては随分と緩そうに見えて仕方ありません。
情報によると、タイの銃砲の所有者数は1千万人だそうです。最低でも1千万丁の銃砲が市中に出回っていることになります。と言う事は・・平均して約7人に一人が銃砲を所有していることになりますね!! 此れって凄い保有率だと思いませんか? 確かに、タイには銃による殺人事件がとても多いし、僕が知っている裕福なタイ人の中には、銃を家屋内に所有している人も少なからずいます。
タイ南部では、イスラム過激派によるテロ攻撃によって、小学校の教師と生徒の命が危険に曝されており、殺害されれる教師も急速に増えていると聞きます。中には、学校と生徒を守るために教師が銃で武装するケースもあると聞いています。
一方、国民を巻き込んだタクシン元首相支持派(赤服)と反タクシン派(黄服)の血生臭い対立闘争も続くなか、『 自分は自分で守るしかない 』 との意識が強まって、銃のニーズが高まっているとの話を聞いたこともあります。
数年前のタイ国会で、『 自衛のためには止むを得ない 』 として銃の市販価格の値下げが真面目に議論されたことがありました。
タイの男子が銃にあまり怖さを持たない理由は、タイの高等学校教育で受講が義務付けられている 『 軍事訓練 』(男子のみ) にあると思います。 軍事訓練を履修すると徴兵免除になることから、タイの高校生は銃砲の扱いにも精通しているし、実弾訓練も受けているわけですね。
高校に進学しなかった男子は、召集年齢に到達すると徴兵所に出向いて、『 陸軍色 』、『 海軍色 』、『 空軍色 』、『 徴兵免除色 』の抽選棒を引くことになるのだそうです。
僕が現役の時の運転手の経験談によると、徴兵免除と徴兵の確率は 50%:50% だったそうですが、彼は悲しいかな陸軍の籤を引き当ててしまったそうです。
その彼の口癖は、『 軍隊で覚えたのは自動車の運転と鉄砲の扱い方だった 』 でした。
1880年代に、その彼が運転する車で、一週間ばかりタイ南部の市場調査をしたことがありました。タイ深南部の山中を真夜中に越える時、彼が僕に言いました。
『 銃を構えた賊が出て来るかもしれません 』
『 その時は、高速で逃げますので、両手で身体を支えて下さい 』
『 逃げ切れない時は、グローブ・ボックス内の拳銃をぶっ放して下さい 』
驚いてグローブ・ボックスを開けると、ケースに入った黒色の拳銃が横たわっていました。
『 僕には無理だよ。拳銃なんて握った事もないし、撃ち方も分からない 』
そんな女々しい僕に驚いたような表情を浮かべる彼に僕は言いました。
『 相手は軽機関銃だよ。小さな拳銃では何の役にも立たないよ 』
すると、彼が言いました。
『 何もしなければ間違いなく殺されるだけですよ 』
『 殺される前に殺す。これが生きるための鉄則です 』
いつもニコニコと笑みを浮かべている典型的なタイ人タイプの彼でしたが、この時は随分と頼もしく見えたものでした。 その彼も、数年前に定年になり、今はカンチャナブリ県に戻ってお百姓をしていると風の便りで聞きました。
悲しみで声を振るわせつつ、時折瞼を指先で軽く押さえながら、頻発する米国の悪夢を何とかして防ぐための 『 効力的な措置 』 を採らねばならないと語るオバマ大統領の沈んだ表情が、米国の苦悩をありありと映し出していたように見えました。
オバマ大統領の演説を受けて、ニューヨーク市長は訴えていました。
『効果的な措置なんて生温い! 銃規制を厳しくする法案の議会提出を急ぐべきだ! 』
Mr.Stephane Peray (Stephff) Editorial cartoonist at The Nation
ところが、オバマ大統領とニューヨーク市長の真摯な演説に対して、米国社会は冷酷な反応を示したようです。演説の中で販売制限対象の武器として登場した短時間で多くの人を殺すことの出来る 『 戦闘用武器 』 が数時間で売り切れてしまったと言うのです。なんだか、血塗られた米国の深層心理を垣間見たような・・・嫌な感じのするニュースでした。
全米ライフル協会(会員500万人)の副会長は、子供達を銃乱射事件から守る方策を一方的にがなり立てていました。
『 来年の1月までに、全ての学校に武装警官を配置するべきだ 』
『 銃を持った悪人を止められるのは、銃を持った善人だけだ 』
『 大統領を警護する銃の使用は良し!子供を守る銃は悪いと言えるのか? 』
Mr.Stephane Peray (Stephff) Editorial cartoonist at The Nation
以前、全米ライフル協会の提案によって武装警官を置いたにも拘わらず、銃乱射事件の発生よって13人の犠牲者を出してしまった全米教育協会の責任者が発言していました。
『 学校に銃を置く事が、銃による暴力を減らす解決策にはならない 』
全米ライフル教会の提案は偏執的で陰惨だと断じるニューヨーク市長が言いました。
『 誰もが武装することになれば、米国には安全な場所が全く無くなる 』
『 米国は今よりも危険となり、暴力に満ち満ちた場所となる 』
『 全米ライフル協会の提案は、深刻な危機からの恥ずべき逃避だ 』
悲劇の再発防止策をめぐる意見対立によって、米国世論が両極に割れているようですが、乱射事件直後の生々しさもあって、銃規制強化を求める賛成意見が反対派に迫っているような雰囲気もあるようですが・・・『 自分の命は、自分で守るしかない 』 とする陰惨な伝統に裏打ちされた銃社会に、果たして新しい変化は起きるのでしょうか?
Mr.Stephane Peray (Stephff) Editorial cartoonist at The Nation
タイの銃砲規制について見てみたいと思います。
一般のタイ人が護身用として銃砲を家屋内に置きたい時は、県庁に銃器購入許可書を申請します、更に、銃砲を携行するとなると、タイ内務省警察局へ銃砲の携行許可証を申請しなければなりません。
政府の銃器購入許可申請の審査基準は、財産・不動産の所持状況、銀行預金高の状況がチェックされることになっているようですが、此の審査基準が米国と比較して緩いのかどうか・・・僕にはよく分かりませんが・・・感じとしては随分と緩そうに見えて仕方ありません。
情報によると、タイの銃砲の所有者数は1千万人だそうです。最低でも1千万丁の銃砲が市中に出回っていることになります。と言う事は・・平均して約7人に一人が銃砲を所有していることになりますね!! 此れって凄い保有率だと思いませんか? 確かに、タイには銃による殺人事件がとても多いし、僕が知っている裕福なタイ人の中には、銃を家屋内に所有している人も少なからずいます。
タイ南部では、イスラム過激派によるテロ攻撃によって、小学校の教師と生徒の命が危険に曝されており、殺害されれる教師も急速に増えていると聞きます。中には、学校と生徒を守るために教師が銃で武装するケースもあると聞いています。
一方、国民を巻き込んだタクシン元首相支持派(赤服)と反タクシン派(黄服)の血生臭い対立闘争も続くなか、『 自分は自分で守るしかない 』 との意識が強まって、銃のニーズが高まっているとの話を聞いたこともあります。
数年前のタイ国会で、『 自衛のためには止むを得ない 』 として銃の市販価格の値下げが真面目に議論されたことがありました。
タイの男子が銃にあまり怖さを持たない理由は、タイの高等学校教育で受講が義務付けられている 『 軍事訓練 』(男子のみ) にあると思います。 軍事訓練を履修すると徴兵免除になることから、タイの高校生は銃砲の扱いにも精通しているし、実弾訓練も受けているわけですね。
高校に進学しなかった男子は、召集年齢に到達すると徴兵所に出向いて、『 陸軍色 』、『 海軍色 』、『 空軍色 』、『 徴兵免除色 』の抽選棒を引くことになるのだそうです。
僕が現役の時の運転手の経験談によると、徴兵免除と徴兵の確率は 50%:50% だったそうですが、彼は悲しいかな陸軍の籤を引き当ててしまったそうです。
その彼の口癖は、『 軍隊で覚えたのは自動車の運転と鉄砲の扱い方だった 』 でした。
1880年代に、その彼が運転する車で、一週間ばかりタイ南部の市場調査をしたことがありました。タイ深南部の山中を真夜中に越える時、彼が僕に言いました。
『 銃を構えた賊が出て来るかもしれません 』
『 その時は、高速で逃げますので、両手で身体を支えて下さい 』
『 逃げ切れない時は、グローブ・ボックス内の拳銃をぶっ放して下さい 』
驚いてグローブ・ボックスを開けると、ケースに入った黒色の拳銃が横たわっていました。
『 僕には無理だよ。拳銃なんて握った事もないし、撃ち方も分からない 』
そんな女々しい僕に驚いたような表情を浮かべる彼に僕は言いました。
『 相手は軽機関銃だよ。小さな拳銃では何の役にも立たないよ 』
すると、彼が言いました。
『 何もしなければ間違いなく殺されるだけですよ 』
『 殺される前に殺す。これが生きるための鉄則です 』
いつもニコニコと笑みを浮かべている典型的なタイ人タイプの彼でしたが、この時は随分と頼もしく見えたものでした。 その彼も、数年前に定年になり、今はカンチャナブリ県に戻ってお百姓をしていると風の便りで聞きました。