昨夕、銀行からの帰り道に立ち寄った食料品店の店頭に、雨季になると出てくる果物の
釈迦頭:シャカトウ 』 (日本の俗称名)が仰々しく並んでいました。


タイでは、ノーイ・ナー・ヌア น้อยหน่าเนื้อ 、或いは、ノーイ・ナーの名前で呼ばれています。 

早速、試しに一個(22バーツ=¥55)だけ購入して自宅に持ち帰ったのですが・・・(下写真)

タイに魅せられてロングステイ 
珍しく葉っぱが付いた釈迦頭 ( タイ語名:ノーイ・ナー・ヌア น้อยหน่าเนื้อ )

日本は、この果物の外皮の凸凹の形状に注目して、釈迦如来仏の独特なヘアー・スタイル(螺髪:らほつ)を思い浮かべて釈迦頭の俗称名をつけたのでしょうが、敬虔な上座部仏教徒の多いタイでは、此の果物の外形的特長から、釈迦の螺髪をイメージするような怪しからぬ輩は皆目いないようです。 

強いて言えば、『 ノーイ・ナー・ヌア น้อยหน่าเนื้อ 』 の外貌が、陸軍兵の武器である手榴弾( 正式名:ルーク・ラブーツ・ムー ลูกระเบิดมือ ) に似ていることから、タイでは手榴弾のことを、『 ノーイ・ナー・レック น้อยหน่าเหล็ก 』 の俗称で呼ぶことが多いようです。
 
ノーイ・ナー・レックの レック เหล็ก は 『 』、ノーイ・ナー・ヌアの ヌア เนื้อ は 『 果肉 』 を意味しますので、これも言い得て妙だと思います。

昔の拙ブログで書いたことがありますが、好い加減な葬式仏教徒の僕は、釈迦牟尼仏のヘアー・スタイルを見る度に、威勢のいい御兄さんの パンチ・パーマ を思い浮かべてしまうのですから、なんとも救いようがありません。

タイに魅せられてロングステイ
樹上で成育中のノーイ・ナー・ヌア(釈迦頭) サムットプラカーン県(プラプラデーン) 2009年撮影

またもや前置きが長くなってしまいました。
昨日の夕方に購入したばかりの釈迦頭(ノーイ・ナー)の話に戻すことにしましょう。 


タイに魅せられてロングステイ

食する前に、釈迦頭(タイ語名:ノーイ・ナー・ヌア น้อยหน่าเนื้อ ) を自宅の食卓上に置いて矯めつ眇めつ眺めながら(上写真)、先ほど食料品の店頭で旬の釈迦頭の品定めをしつつ店員と交わした会話を思い起こしました。

老爺の僕に、十代とおぼしき乙女が微笑みながら教えてくれました。

彼女 『 緑の葉っぱが残っているのは如何ですか?
僕   『 葉っぱ付きだと美味しいの?
彼女 『 だって、その方が美しいでしょう?
僕   『 それよりも、食べて美味しい物が欲しいな
彼女 『 それなら、やはり葉っぱ付きをお奨めします


タイに魅せられてロングステイ

ということになって、葉っぱ付きの釈迦頭(タイ語名:ノーイ・ナー・ヌア น้อยหน่าเนื้อ )を迷うことなく買って来て、思い切りよく半分に切断したのですが・・・アレッ・・・

軟らかくなっている筈と思い込んでいた白い果肉部分の表面が見るからに硬そう! 
スプーンで外皮を果肉から剥ぎ取ろうとしたのですが、あまりにも硬くてビクともしません。


いつもならば、果皮に軽く付着している軟らかい白果肉をスプーンの先でこそぎ取って口に運ぶことが出来るのですが・・・なんだかボソボソ感が強くて全然美味しくありません。これは紛れも無く、未熟でまだまだ食用に適していない釈迦頭 ( ノーイ・ナー・ヌア ) です。

完熟していれば、酸味は乏しいのですが、強い甘味と独特の芳香があり、クリーム状の果肉が口腔内でネットリと溶ける感じがあるのですが・・・ヤレヤレです。

年甲斐も無く、十代の乙女の売り文句に乗せられた・・などと泣き言を漏らしても仕方ありません。完熟度の見極めが出来なかった未熟な老爺が愚かなのです。

正直に白状しますと、釈迦頭はそれほど僕の好きな果物ではありません。但し、旬ともなると、一個くらいは食べて置きたいという気持ちになって、ついつい買ってしまうのです。

タイ語: ได้รับบทเรียนแล้วครับ
読 み: Dai rap bot rian leeo khrap 
意 味: 勉強させて貰いました。

と言う訳で、近日中にもう一度リベンジをすることにします。
 

≪参考≫
学名  Annona squamosa L
科名  Annonaceae  バンレイシ科
属名  Annona  バンレイシ属
和名  番茘枝、釈迦頭
英名  Sugar apple 、Custard apple
タイ名 ノーイ・ナー・ヌア น้อยหน่าเนื้อ 、ノーイ・ナー น้อยหน่า