同じコンドーミニアムに住んでいる駐在員の奥さん(日本人の間では駐妻と呼ばれているようです)から、現在、週2回通っているタイ文字授業の作文で 『 日本のじゃんけんぽん 』 と『 タイのじゃんけんぽん 』 について書きたいのだけれど、辞書を調べても全然分からないから教えてと頼まれてしまいました。

僕   『 “ じゃんけんぽん ” は จังเคนโปง でどうでしょうか?
彼女 『 そうではなくて、タイ語発音の “ じゃんけんぽん ” です

僕   『 標準語だと パオ・イン・チュプ เป่ายิ้งฉุบ ( เป่ายิงฉุบ ) ですね
彼女 『 グー・チョキ・パーの形と発音と文字の綴りはどうですか?
僕   『 手の形は日本と同じですが、その意味が違うのがありますね



タイ語の パオ・イン・チュプ の綴りは、เป่ายิ้งฉุบ と เป่ายิงฉุบ があるようですが、ネットで見る限りでは、前者の綴りの方が圧倒的に多いように思います。タイ語の正確な発音と声調はタイ文字を辿れば分かるのですが、上記のタイ文字の発音と声調の違いを片仮名やアルファベットで表現するのは不可能に近いように思います。 

タイに魅せられてロングステイ
タイの “ じゃんけんぽん ” は、手の形も勝負のルールも日本と同じです。


タイと日本の 『 じゃんけんぽん 』 の手の形は全く同じですが、その意味は少し異なります。例えば、手の平を広げた形の意味は、日本では “ 風呂敷 ” ( パー ) ですが、タイでは
一枚の紙 ” となります。

片手を握り締めた形は、日本では “ ” ( グー ) ですが、タイでは “ 金槌 ” ( ハンマー )となります。

人差し指と中指を突き出した形は、日本もタイも(はさみ)の意味となります。但し、僕が育った田舎では、鋏の形ではなく、拳を握って親指と人差し指だけを立てて拳銃の形を作っていましたね。



≪御参考≫タイ語の意味と発音
・鋏(はさみ)・・・・kankrai  กรรไกร    ⇒ 日本語 = チョキ = はさみ 
・紙(ペーパー)・・・kradaat  กระดาษ  ⇒ 日本語 = パー = 風呂敷
・金槌(ハンマー)・・khoon ค้อน      ⇒  日本語 = グー = 拳


  
タイに魅せられてロングステイ

手の形は同じでも、タイは金槌(ハンマー)、日本は(こぶし)と意味合いの違いはありますが、勝敗のルールは両国とも同じですね。 (上写真)

日本式ルール: (はさみ) VS (こぶし) は拳の勝ち。
タ イ式ルール: (はさみ) VS 金槌(ハンマー) は金槌の勝ち。 ค้อน ชนะ กรรไกร
(上写真)



タイに魅せられてロングステイ

両国の手の形の意味は違っても、勝敗のルールは同じです。(上写真)

日本式ルール: 風呂敷 VS ( こぶし ) は、の勝ち。
タ イ式ルール:  VS 金槌( ハンマー) は、の勝ち。 


タイ語のルールには、その理由が次のように書いてあります。
กระดาษห่อค้อน กระดาษชนะค้อน 
金槌を包むことが出来るのでの勝ちです。 (上写真)

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タイは、日本は風呂敷の意味ですが、勝敗のルールは両国とも同じです。 (上写真)

日本式ルール: 風呂敷 VS ( はさみ ) は、の勝ち。
タ イ式ルール:  VS ( はさみ ) は(はさみ)の勝ち。


タイ語ルールには、その理由が次のように書いてあります。
กรรไกรตัดกระดาษฉับๆ กรรไกรชนะกระดาษ 
をチャプ・チャプ(タイ語の擬音)切ることができるのでの勝ち。(上写真)



此処までのところは、部分的に手の形の意味合いに違いはあっても、タイ式も日本式も勝敗のルールは全く同じなので頭が混乱することは無かったのですが・・・・タイのネットを更に捲っていると・・・今まで見たこともないようなハンド・サインが出て来ました。(下写真)

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上写真のハンド・サインについて、ネット記事には次のように記述がありました。
กรรไกรชนะกระดาษ กระดาษชนะค้อน ค้อนชนะกรรไกร แต่ ภาพนี้ ชนะทุกอย่าง
鋏は紙に勝り、 紙は金槌に勝り、 金槌は紙に勝る。  しかし、この形は如何なる手の形にも勝る。

つまり、この手の形は天下無双のハンド・サインということですね!

タイ文字版のフリー・ペーパー “ ダコ ” にも、関連する漫画絵と会話が記載されていました。(下漫画図)
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Aさん อะไรของนายเนี่ยมีด้วยเหรอแบบนี้ 
     これは何なの? こんな形ってあるの?

Bさん ไม่เคยได้ยินเหรอ เค้าว่าความรักเอาชนะได้ทุกสิ่งไงฮิฮิ
     今まで聞いたことないの? 何にでも勝てる 『 愛 』 を意味する形だよ、ヘッヘッ  

Aさん โอ้ว มุกในตำนาน สมัยคุณป้ายังสาวยังมีคนเอามาเล่นอยูอีกหรือนี่กล้ามากๆ
     小母さんの娘時代に此の 『 愛 』 の形があったらしいけど、また出て来たの? 
     マー大胆ね



タイのネットを更に捲っていると、10年前、米国在住の一人息子がハワイで結婚式を挙げた時に、VDOカメラの前で無理矢理させられたハンド・サインの “ シャカ ” が出てきました。

結婚式を終えた後の浜辺の撮影会で、ハワイの日系の親戚も米国本土からの出席者も全員が此の手の形をしてカメラに向かってニコヤカに振っていました。恥ずかしながら、僕と連れ合いも意味が解らないままに場の雰囲気に合わせていたのですが・・・

調べてみると、ハワイの 『 』 を表すシャカは、拳を作って親指と小指だけを立てて、腕を伸ばしてJの字を描くように振る伝統的ハンド・サインのようですね。 親指、人差し指、小指を立てるタイのハンド・サインとは少し違いますが、『 』 を表すと言う意味では同じですね。



そう言えば、大昔のような気がしますが、『 愛は勝つ 』 なんて歌が流行ったことがあったようですね。

その頃の僕は、既に海外に駐在していたのですが、日本で留守宅を守っていた連れ合いが 『 今年のレコード大賞曲 』 だと言ってカセット・テープを送ってくれたことがありました。

久し振りに旧式のカセット・テープを取り出すと、連れ合いが当時書き移した歌詞が封入されていたのですが・・・歌詞に目を通すと、『 必ず最後に愛は勝つ 』 とあります。

此の歌手は、ハワイの 『 』 を意味するハンド・マークの 『 シャカ 』 を振りながら歌っていたのでしょうか?、それとも、タイのジャンケンポンの 『 愛は全てに勝つ 』 のハンド・マークをかざして歌っていたのでしょうか? 

そんなことがある訳ないですね。

ところで、この曲を歌っていた人は誰でしたっけ?