日本に戻る家内をバンコク郊外の国際空港へ車で送る途中に、助手席の彼女が愛用の全自動デジタルカメラを僕に手渡しながら半ば命令口調で言いました。
『 撮影した花の写真を私のHDに移して置いてね 』
『 その中に珍しい花があるのでブログに載せてね 』
彼女の頼みとは、バンコク東隣のサムット・プラカーン県で大変珍しい花を撮影したので、僕のブログに掲載して欲しいと言うことのようです。 その花の名前を聞くと・・・
『 タイ語で ニウ・トーン นิ้วทอง 、意味は “ 黄金の指 ” ね 』
聞けば、英語名も日本名も、学名、科名・属名も知らないし、花に纏わる情報は丸っきり無いと言うのですから何とも酷いものです。
あまりにも手の掛かる依頼事だったので、そのまま何を調べるでもなく放置して置いたのですが、昨晩遅く家内から図々しくも催促の電話が入って来ました。
妻 『 いつになったら ニウ・トーン の花を載せてくれるの? 』
僕 『 あまりにも情報不足なので記事を書けないよ 』
妻 『 写真と花名だけを載せれば十分じゃないの 』
僕 『 ・・・・ 』
“ 泣く子と地頭には勝てない ” と言いますが、これ以上の抵抗をしても詮無いことなので、
タイ語名の ニウ・トーン (黄金の指 )でネット検索することにしました。

家内が撮影した黄金色の ニウ・トーン (黄金の指)と呼ばれる花木
すると、少数のタイ人の写真ブログにヒットしました。どれも写真主体の簡単なブログばかりなので、記事を書く上で参考になるような関連情報は殆どありません。あまりの情報不足に唖然としましたが、家内も言っていたように、タイ国内でも珍しい花なのかもしれません。
とは言っても、家内の撮影した花の名前が確かに ニウ・トーン (直訳:黄金の指) であること、そして、その植物学上の学名と属名が判明したことは多いに助かりました。若しかすると、日本語名が分かる可能性もないわけではありません。
学 名: Juanull oa aurantiaca Otto et Dietr
タイ名: ニウ・トーン( 直訳 : 黄金の指 )
属 名: フアヌリョア
原産地: メキシコ、ペルー、チリ
ニウ・トーン(黄金の指)の属名 フアヌリョア の意味を知りたくて英語ブログを捲ると、この花の原産地のペルーとチリを旅したスペインの旅行家 G.Juan(フアン氏))と A.Vlloa(ウリョア氏)の名前に由来するとありました。 多分、此の両名が此の花を発見して登録申請したのでしょうね。

タイ語でニウ・トーン (黄金の指)と呼ばれる花木(家内撮影)
学名の Juanull oa aurantiaca Otto et Dietr で調べると、タイ語のブログよりも遥かに多い日本語ブログにヒットしたのですが、分かったことと言えば、科名 = ナス科であることくらいで、此の花の和名について言及している情報を見出すことは出来ませんでした。
そして、日本人の方のブログに掲載してある ニウ・トーン の花の撮影場所の99%が、僕が一度は訪れたいと思っている京都府立植物園に集中していることを知って少しばかり驚きました。 僕の想像ですが、此の花は日本の何処にも自生しておらず、それ故に、和名も存在していないということなのでしょうか?
家内の撮影したニウ・トーンの写真を、念のために僕の住むコンドーの庭師に見せると直ぐに反応がありました。
『 ニウ・トーンですね! 珍しい! 何処で撮影したのですか? 』

花愕の先から舌のような花を突き出したニウ・トーンの落ち花
庭師さんの話によると、固く閉じた橙色の先端から、人間の舌に似たものが徐々に突き出して来て、熟成するとその舌の先の円縁が外向きに捲れるのだそうです。上写真は、その舌の先が開く前に落ちてしまったようです。
このブログを書いている僕は、此の花木の現場を全く見ていないのですから、気心の知れた庭師さんから少しでも多くの情報を仕入れるしかありません。
『 花木は小低木だけど、蔓性なので年代を経ると登攀性がある 』
『 長楕円の革質の緑葉の裏側は綿毛でびっしりと覆われている 』
家内の写真では橙色の部分の大きさが分からなかったのですが、庭師さんの話によると、管状の花の長さは5cm前後、成熟すると花弁端は5裂になるようです。 とすれば、家内もこの花が5裂に開花した状態は未だに見ていないということになります。
タイ語名の ニウ・トーン (意味:黄金の指)を耳にして、40年前に見たハリウッド映画の
『 Harry in your pochet 』 ( 邦題:黄金の指 』 を思い出しました。 黄金の指を持つベテランの名人掏り(スリ)を演じたのは、『 荒野の七人 』 でナイフ投げの名人を演じたジェームズ・コバーンでしたね。
庭師さんに、タイ語の花名のニウ・トーン(黄金の指)の起源に、他人の金品などを掠め取る名人掏り(スリ)のような由来があると面白いねと言うと、あまりにも唐突な話だったからでしょうか、まるで狐につままれたようにキョトンとしていました。
世話になっている家内に 『 ヨイショ 』 する為とは言え、自分が見たことも無い花をブログで書くことの難しさをつくづく感じました。
二度とこのような事はしないように心したいと思います。
『 撮影した花の写真を私のHDに移して置いてね 』
『 その中に珍しい花があるのでブログに載せてね 』
彼女の頼みとは、バンコク東隣のサムット・プラカーン県で大変珍しい花を撮影したので、僕のブログに掲載して欲しいと言うことのようです。 その花の名前を聞くと・・・
『 タイ語で ニウ・トーン นิ้วทอง 、意味は “ 黄金の指 ” ね 』
聞けば、英語名も日本名も、学名、科名・属名も知らないし、花に纏わる情報は丸っきり無いと言うのですから何とも酷いものです。
あまりにも手の掛かる依頼事だったので、そのまま何を調べるでもなく放置して置いたのですが、昨晩遅く家内から図々しくも催促の電話が入って来ました。
妻 『 いつになったら ニウ・トーン の花を載せてくれるの? 』
僕 『 あまりにも情報不足なので記事を書けないよ 』
妻 『 写真と花名だけを載せれば十分じゃないの 』
僕 『 ・・・・ 』
“ 泣く子と地頭には勝てない ” と言いますが、これ以上の抵抗をしても詮無いことなので、
タイ語名の ニウ・トーン (黄金の指 )でネット検索することにしました。

家内が撮影した黄金色の ニウ・トーン (黄金の指)と呼ばれる花木
すると、少数のタイ人の写真ブログにヒットしました。どれも写真主体の簡単なブログばかりなので、記事を書く上で参考になるような関連情報は殆どありません。あまりの情報不足に唖然としましたが、家内も言っていたように、タイ国内でも珍しい花なのかもしれません。
とは言っても、家内の撮影した花の名前が確かに ニウ・トーン (直訳:黄金の指) であること、そして、その植物学上の学名と属名が判明したことは多いに助かりました。若しかすると、日本語名が分かる可能性もないわけではありません。
学 名: Juanull oa aurantiaca Otto et Dietr
タイ名: ニウ・トーン( 直訳 : 黄金の指 )
属 名: フアヌリョア
原産地: メキシコ、ペルー、チリ
ニウ・トーン(黄金の指)の属名 フアヌリョア の意味を知りたくて英語ブログを捲ると、この花の原産地のペルーとチリを旅したスペインの旅行家 G.Juan(フアン氏))と A.Vlloa(ウリョア氏)の名前に由来するとありました。 多分、此の両名が此の花を発見して登録申請したのでしょうね。

タイ語でニウ・トーン (黄金の指)と呼ばれる花木(家内撮影)
学名の Juanull oa aurantiaca Otto et Dietr で調べると、タイ語のブログよりも遥かに多い日本語ブログにヒットしたのですが、分かったことと言えば、科名 = ナス科であることくらいで、此の花の和名について言及している情報を見出すことは出来ませんでした。
そして、日本人の方のブログに掲載してある ニウ・トーン の花の撮影場所の99%が、僕が一度は訪れたいと思っている京都府立植物園に集中していることを知って少しばかり驚きました。 僕の想像ですが、此の花は日本の何処にも自生しておらず、それ故に、和名も存在していないということなのでしょうか?
家内の撮影したニウ・トーンの写真を、念のために僕の住むコンドーの庭師に見せると直ぐに反応がありました。
『 ニウ・トーンですね! 珍しい! 何処で撮影したのですか? 』

花愕の先から舌のような花を突き出したニウ・トーンの落ち花
庭師さんの話によると、固く閉じた橙色の先端から、人間の舌に似たものが徐々に突き出して来て、熟成するとその舌の先の円縁が外向きに捲れるのだそうです。上写真は、その舌の先が開く前に落ちてしまったようです。
このブログを書いている僕は、此の花木の現場を全く見ていないのですから、気心の知れた庭師さんから少しでも多くの情報を仕入れるしかありません。
『 花木は小低木だけど、蔓性なので年代を経ると登攀性がある 』
『 長楕円の革質の緑葉の裏側は綿毛でびっしりと覆われている 』
家内の写真では橙色の部分の大きさが分からなかったのですが、庭師さんの話によると、管状の花の長さは5cm前後、成熟すると花弁端は5裂になるようです。 とすれば、家内もこの花が5裂に開花した状態は未だに見ていないということになります。
タイ語名の ニウ・トーン (意味:黄金の指)を耳にして、40年前に見たハリウッド映画の
『 Harry in your pochet 』 ( 邦題:黄金の指 』 を思い出しました。 黄金の指を持つベテランの名人掏り(スリ)を演じたのは、『 荒野の七人 』 でナイフ投げの名人を演じたジェームズ・コバーンでしたね。
庭師さんに、タイ語の花名のニウ・トーン(黄金の指)の起源に、他人の金品などを掠め取る名人掏り(スリ)のような由来があると面白いねと言うと、あまりにも唐突な話だったからでしょうか、まるで狐につままれたようにキョトンとしていました。
世話になっている家内に 『 ヨイショ 』 する為とは言え、自分が見たことも無い花をブログで書くことの難しさをつくづく感じました。
二度とこのような事はしないように心したいと思います。