有休休暇をバンコクで過ごすために来タイした台湾在住の友人K氏から
台湾産の “ パッション・フルーツ ” ( キリストの受難の果実 ) を頂戴しました。

この果物を全く知らなかった10数年前の僕は、 お粗末ながら、
“ 情熱の果物って如何なる果物? ” と真剣に思い悩んだ憶えがあります。
“ the Pussion ” がキリストの受難を意味する言葉だなんて知らなかったのです。

意味合いの由来を読むと、
聖フランチェスコが夢に見たという “ 十字架上の花 ” の姿形が、
この果実が生る植物の花の姿形 ( 下左写真 ) に酷似していたことから
“ キリストの受難の花 ” と名付けられたようです。


タイに魅せられてロングステイ  タイに魅せられてロングステイ
左写真 : 学名:Passiflora edulis = パッション・フルーツ = 果物時計草 ( キリストの受難の果実 )
右写真 : 学名:Passiflora coccinea = 紅花時計草 ( 非食用 )


16世紀に南米に派遣されたイエズス会の宣教師たちは、
上左写真の花の子房柱を十字架と考え、
3本の雌しべはキリストを打ち抜いた釘、
巻きひげはキリストの身体を打ったムチ、
葉はキリストの心臓を刺した槍の穂先、副冠は茨の冠、
5枚の花弁と5枚の萼片を10人の使徒と見立てたのだとか。

僕のような素人の目には、花弁が10枚あるように見えるのですが、
実は5枚の花弁と花弁のように見える5枚の萼片で構成されているのだとか。
( 長い花弁のように見えるのが萼片、短いのが花弁でしょうか )


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学名:Passiflora edulis = パッション・フルーツ = キリストの受難の果実 = 果物時計草の果実
( 上左写真と上写真はウイキペディアより拝借 )


未熟なパッション・フルーツ ( キリストの受難の果実 ) は、
卵形をした堅い緑色の表皮 ( 上写真 ) にくるまれていますが、
収穫時期が近づくと、下写真のように赤茶けた濃紫色に変色します。

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我が家の居間の室温で追熟中のパッション・フルーツ ( キリストの受難の果実 ) = 果物時計草の果実

果皮の表面がツルツル状態の未熟な果物は室温で追熟します。
上写真の上部に果皮がシワシワの凸凹状態になった果実が見えますが、
この状態になると香りが増して食べ頃となります。
暫し冷蔵庫で冷やして食べると最高!


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完熟して柔らかくなった果皮は、いとも簡単に包丁で切ることができます。
内部には、小さな種を含むゼリー状の黄色の果肉と果汁があります。
一見すると雲丹の黄色に似ていますが、味は全く異なります。


早速、スプーンで種ごと果肉をすくい取って生食して見ました。
先ずは、果肉と種を丸呑みして喉越しを楽しみます。
続いて、種を噛み潰してから呑み込んでみます

なんとも表現し難い、チョット癖のある甘酸っぱい香りが広がります。
種の食べ方は、丸呑みOK、噛んでもOKだそうですが、
僕の好みは “ 丸呑み ” ですね。


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この果実の “ 高貴な香りと上品な甘酸っぱさ ” を好む御方が多いと聞きますが、
僕の率直な感想は、滋養となる成分が多い果実と言ったところでしょうか。

調べると、βカロテン(ビタミンA)、カリウム、ナイアシン、葉酸、ビタミンB6
が豊富で、老化防止、視力保持、高血圧予防、心筋梗塞予防に効能があるとか。

最も成分が多いとされる “ βカロテン ” は、
老化防止や視力減退防止に効能が大きい成分だと聞いています。

現時点では、幸い高血圧と心筋梗塞には無縁の僕ではありますが、
ヒタヒタとしのび寄る老化現象と視力減退に効能があると聞けば興味津津です。


            学名 : Passiflora edulis Sims
            科名 : トケイソウ科 Passifloraceae
            属名 : トケイソウ属 Passiflora

            英名 : Passion fruit
            和名 : クダモノ・トケイソウ ( 果物時計草 )
            別名 : ショクヨウ・トケイソウ( 食用時計草 )

            タイ名 : スィーマーラー ศรีมาลา ( 吉兆花 )


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