先週の25日、バンコクで開催された “ Book Expo Thailand 2009 ” に出かけました。
タイ国の出版社の多くが一堂に会して書籍の特価販売を行う場であり、
書籍好きには、何よりも待ち遠しいイベントといえます。

タイに移り住んで年数を重ねる内に、いつしか花好きになってしまった僕ですが、
手元に優れた植物図鑑が無いために、いつも花名を調べるのに難儀をしています。
去年のブック・ショーでも躍起になって植物図鑑を捜したのですが、
思いを果たすことが出来ませんでした。

今年こそはと、会場の彼方此方を、しゃかりきになって捜したのですが、
やはり、これはと思うような植物図鑑を見出すことができず、
薄手の植物写真集を5冊購入しただけでした。

ガッカリしながら、購入した写真集の中の一冊を捲っていると、
アレッ !!! この花!!! ひょっとしてあの黄花???

2006年12月のタイ北部旅行で初めて見かけてから今日までの約3年間、
全く名前が分からなかった濃黄花の写真が目に飛び込んで来たのです!!

写真集の説明文に目を通すと、濃黄花のタイ語名は、
“ ファーイ・カム ” ฝ้ายคำ 、つまり、“ 金色の棉 ” と記されています。

(注) ファーイは “ 棉 ” 、カムは “ 金 ”

タイに魅せられてロングステイ

上写真は、2006年12月27日、
タイ北部のガンペーンペット กำแพงเพชร の遺跡公園で撮影した濃黄花です。

全ての葉っぱを落とした枝木の先っぽに残る幾つもの濃黄花が、
雲ひとつない乾季の碧空に映えていたのがとても印象的でした。


タイに魅せられてロングステイ

上写真は、2008年12月28日、
タイ西部のガンチャナブリ กาญจนบุรี の名も無き寺院の境内で撮影した濃黄花です。

この時、濃黄花のチョット大きくて柔らかい緑の鋸葉が、 
乾季の深まりとともに、枯れ葉になって落葉する様子を初めて見ることが出来ました。


タイに魅せられてロングステイ

写真集に記載された補足説明に目を通すと、
この花の標準名は “ ファーイ・カム ” と記されているのですが、
タイ中部で “ スパンニガー ” สุพรรณิการ์ 、北部で “ ガンニガー กรรณิการ์ ”
と呼ばれていることも分かりました。

ヒンズー教やタイの上座部佛教は、この濃黄花を献花に用いるとあります。
此の花の学名 “ Cochlospermum Religiousum ” の由来は、
宗教の献花に利用されることから来ているのかも知れません。


タイに魅せられてロングステイ

“ ファーイ・カム ”の花弁は、一重咲きが多いとありますが、
如何した訳か、僕が撮影した花弁は何れも見事な八重咲きばかりでした。


タイに魅せられてロングステイ

乾季に入って一斉に咲いた濃黄花は、やがて地上に落下、
緑色の長い球状の蒴果(さくか)が小枝からたわわにぶら下がります。
( 下左写真 )


タイに魅せられてロングステイ  タイに魅せられてロングステイ
左写真 朔果 ( さくか ) 、 右写真  蒴果の中の棉のような毛
 上写真の2枚はタイ語の写真集 “ ไม้ต้นประดับดอก ” より複写


熟して縦割れした蒴果の中から、
棉に似た繊維状の毛 ( 上右写真 ) が覗いて見えます。
棉のような上等品ではなさそうですが、
棉モドキとして、詰め物に使用されることもあるのだそうです。

和名の “ 黄花棉擬 ”、英語名の “ 黄色の絹棉 ” 、タイ語名の “ 金色の棉 ” 、
何れも、蒴果の中の繊維状の毛に由来していることは明白ですね。

まだ名前の分からない花のお蔵入り写真が多数あるので、
一枚でも多く、日の目を見るように、花写真集を買い増すことになりそうです。


              学 名 : Cochlospermum Religiousum
          科 名 : ベニノキ科
          属 名 : ワタモドキ属
          英 名 : Yellow Silk Cotton
          タイ語 : ファイ・カム ฝ้ายคำ 、スパンニガー สุพรรณิการ์
          和 名 : キバナワタモドキ



ペタしてね