8年前くらい前だったと思うのですが、
バンコクのスクムヴィット通り ( ソーイ10 ) の “ スクムヴィット・スクエア ”、
と呼ばれていたゴチャゴチャした土産物屋街&マッサージ屋が、
爆破による火災で焼失する事件がありました。

その地域の地主は、街の顔役だったチュウィット氏 ชูวิทย์ 。
6カ所の高級マッサージ・パーラーを経営する桃色世界のドンでもありました。

巷の噂によると、
チュウィット氏は、立ち退きを宣告していた土産物屋の主が、
ごね得を狙って居座っていたのに業を煮やし、
かねてから多額の賄賂を払っていた警察に土産物屋街の破壊を依頼。
タイ警察の上級警察官(少佐)がマフィアを裏から指揮して実行したというのです。

その効があって、“ スクムヴィット・スクエア ” ( 土産物屋街 ) に居座っていた
業者は居なくなり、暫らくは、雑草の生える空き地になっていたのですが・・・


タイに魅せられてロングステイ
スクムウイット Soi 10 の土産物屋街跡地に忽然と出現した“ チュウィット庭園 ” の出入口
< 僕の連れの撮影 >


数年後、政界に打って出たチュウィット氏は、何を期待したのか、
バンコク都民の憩いの場を提供すると称して、
屋台街の跡地に、自らの名前を冠した “ チュウィット庭園 ” を造ります。
“ Chuvit Garden ”
“ Named in Honor of Mr.Chuvit Kamolvisit ”


タイに魅せられてロングステイ
庭内に建てられたラーマ五世~6世時代(明治時代)を思わせるサーラー(東屋)
< 僕の連れの撮影 >


誰もが自由に入れる庭園ですが、
当初は憩いを取るような設備も乏しく、閑古鳥が鳴いていたようです。
その後、クラシックなサーラー(東屋)や花壇などが設けられた所為でしょうか、
少しずつ入園者が増えて行ったようです。


タイに魅せられてロングステイ
庭園内に新設されたタイの伝統家屋様式の “ ルアン・タイ ” เรือนไทย
< 僕の連れの撮影 >


この庭園を訪れた僕の連れの報告によると、
バンコクでは見ることが少なくなったタイに昔から伝わる家屋様式の
“ ルアン・タイ ” เรือนไทย が、庭園内に新しく建設されていた(上写真)と言うのです。

現在のタイに保存されている古い家屋は、
ラーマ五世~六世時代(明治時代)の西洋館が圧倒的に多いのですが、
僕は、 “ ルアン・タイ ” เรือนไทย のような、
伝統的木造住宅 ( プラペニー・バーン・タイ ประเพณีบ้านไทย ) が大好きなのです。

僕の連れが撮影して持ち帰った庭園内の “ ルアン・タイ ” の写真を見る限りでは、
屋根を形成する水神( パヤーナーク พญานาค )の破風( パンロム ปันลม ) の形、
広いテラス( チャーンバーン ชานบ้าน )を囲むような住居構成
などの特徴からして、
中部タイの伝統的住居( プラペニー・バーン・タイ ประเพณีบ้านไทย )だと思われます。

爆破される以前は、日本からの友人を案内して何度も訪れた土産物屋街ですが、
今は庭園となって姿を変えた “ チュウィット庭園 ” を、
来週にでも、久し振りに覘いて見ようかと思っています。



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