本日の花は、タイ語で “ ダーラー ” ดาหลา と呼ばれるショウガ科の一種です。タイ原産ということではなく、東南アジアに広く分布している大型の常緑多年草です。

科名 = ショウガ科 、 属名 = ニコライア属 、学名 = Nicolaia elatior 、英語名 = Torch ginger

最近は日本の植物園でも栽培されているようですので、南洋の花がお好きな方は、しょうが科ニコライア属、英語名の “ Torch ginger ” を一瞥されただけで、この花のイメージを思い浮かべられるのではないでしょうか。

今日から明日にかけてのBLOGは、“ ダーラーの花の咲くまで ” と題して、此の植物の花開く変遷を写真で追いかけて観たいと思います。


タイに魅せられてロングステイタイに魅せられてロングステイ
左側: カンチャナブリで見た根元に咲くダーラーと背高の草丈
右側: カンチャナブリで見たダーラーの蕾状の苞と大きな葉っぱ

ダーラー(Torch ginger)は、ショウガ科の地下茎の芽が伸びる植物で(テーク・ノー แตกหน่อ )、その草丈は通常でも3~4mあり、中には6m前後に成るものもあると聞きました。

僕が “ Torch ginger ” を最初に見たのはマレーシアだったように記憶していますが、その後、幾度と無く見かけるようになったのはタイのバンコクでした。花に余り興味を抱いていなかったこともあり、タイで此の花を再見した折には、“ Torch ginger ” の名前も完全に忘れ去っていました。


  僕 『 この花のタイ語の名前は、何といいますか?
タイ人『 ダーラー ดาหลา ですよ 』 Daalaa
  僕 『 俳優の発音と同じ ダーラー ดารา ですか? 』 Daaraa
タイ人『 違います。ダーラー ดาหลา です


ダーラーの花 ” の声調rising tone 、“ 俳優 ”の声調middle tone なのですが、カタカナではダーラーとしか表記できません。

カタカナ発音の英語も通じ難いですが、カタカナ発音のタイ語は99%通じないと言っても過言ではありません。声調のあるタイ語を、声調が無いに等しい日本語(カタカナ)で表記する限界ですね。


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左側: 地下茎が伸び、幾つもの柔らかい新芽が芽吹き始めます。
右側: 幾つもの新芽は、やがてピンク色の蕾のような苞になります。 

開く直前のダーラーの固い蕾のような苞は、タイ料理には欠かせないものとされ、ミョウガのように小さくスライスしてサラダやカレー料理、そして、トム・ヤム・スープにも使用されています。

約40年前、ノンタブリの先進的な園芸農家が “ ダーラー ” をショウガの花として売り出した時は、“ 食べられないショウガの花なんて売れない! ” として相手にもされなかったというエピソードが残っています。

タイに魅せられてロングステイタイに魅せられてロングステイ
左側: ピンク色の蕾のような苞が徐々に開き始めます。
右側: 蕾状の苞内に小さな半球状花序が出るにつれて、ピンク色の苞が開き始めます。


園芸市場への売り込みを諦めた園芸農家は、駄目もとでホテル・ロビーの装飾花として持ち込んだのですが、これが意外にも大ヒット! 見るからに南国らしい装いが欧米人客の心を惹き付けたのでしょう。

タイに魅せられてロングステイ
カンチャナブリの洞窟寺院に置かれていた供花のダーラー

昨今は、食用や装飾用に留まらず、寺院の釈迦牟尼仏に奉げる供花としても人気が高まり、仏像に貼る金箔とセットにされて寺院に用意されています。( 1本20バーツ 60円 )

次回BLOGは、完全開花したダーラーの苞花と球形状花序の写真です。