ポインセチアが自生していた人様の別荘から少し離れた場所に、タイでは一年を通して彼方此方で色付いているブーゲンビリアが咲いていました。

この別荘のブーゲンビリアの苞葉の色は、タイで最も多く見受ける紅色ですが、その外の色としては、桃色、マゼンタ、紫、橙、黄、白、それぞれの色を複合したもの、色の濃淡などがあり、八重などの形状も含めれば、その種類は多種多様に渡ります。

タイに魅せられてロングステイ
人様の別荘に咲いていた紅色苞葉のブーゲンビリア

人様の別荘なので敷地内に入るわけにも行かず、脇道から紅色のブーゲンビリアを撮影していると・・・留守だと思っていた別荘の中にいた管理人風の小母さんに声をかけられました。

女 『 何か用ですか?
僕 『 ご免なさい、お花が綺麗なので写真を・・・ 』 
女 『 別荘を買うのかと思って・・・
僕 『 この別荘、売りに出ているのですか?
女 『 そうなの、不動産屋の電話番号を教えましょうか? 』 
僕 『 僕は外国人なので土地付き住宅を買うことが出来ないのですよ 』
女 『 アラ、タイ人名義で買えば簡単よ


チョット余談になりますが・・・
僕がバンコクで知り合った日本人男性の中に、日本語が少しできるタイ人女性にほだされて、彼女名義でコンドミニアムや土地付き住宅、そして、新品の日本製乗用車まで購入した人が数人いました。中には、虎の子の銀行預金名義まで彼女の名前にした人すらも・・・ 数年後、その内の数人は、チョットした口喧嘩がもとで別居。或る日、彼女の雇ったタイ人弁護士によって、その日本人は身ぐるみ剥がされてしまいました。

タイの法律では、外国人が個人の資格で土地付き住居を購入することは出来ません。しかし、コンドミニアムや自動車は外国人名義で購入・登録が可能ですし、外国人名義の銀行預金口座も作ることが出来ます。

それにも拘わらず・・・チョット理解し難いのですが、タイ人女性の手練手管に乗せられる日本人が後を絶ちません。女性が悪いという人もいますが・・・騙し取られた男の方が、冷たいようですが、世間知らずなのだと思います。


余談が冗長に流れてしまいました。話しを本筋に戻すことにしましょう。

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女性が管理している別荘の庭に咲いていた深紅のブーゲンビリア

女 『 ブーゲンビリアを見たければ、歴史公園に行きなさいな
僕 『 歴史公園って何処にあるのですか?
女 『 此処から車で行けば15分もかからないよ
僕 『 何と言う名前の歴史公園ですか?
女 『 ウタヤーン・プラワティサート・ソンクラーム 9 タップ
   อุทยานประวัติศาสตร์ สงคราม ๙ ทัพ
女 『 山全体がブーゲンビリアで紅くなっているのよ!
僕 『 エツ? 山に登るのですか?
女 『 山というよりは、小高い丘ね、簡単に登れるよ


彼女の説明によると、リゾート・ホテルの前の3199号線を少し北に向けて走り、途中から3457号線に左折すれば、直ぐ左に歴史公園の入り口があるようです。早速、その歴史公園に行って見ることにしました。

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紅色のブーゲンビリアに包まれた歴史公園内の小高い丘

小高い丘の頂きに通じている車道もありましたが、徒歩で登れる九十九折状の坂道も施されていました。折角なので、小高い丘の上に見える望楼まで、ブゲービリアの紅色苞葉にスッポリ包みこまれたような坂道を徒歩で登ることにしました。(上写真)

思ったよりも角度のある坂道ですが、九十九折の登り道なので、マイペースで登りさえすれば、それほど辛くもありません。途中で登って来た方向を振り返ると、紅色のブーゲンビリアの向こうにカンチャナブリの樹林が拡がり、その先に隣国のミャンマーとの国境線を走る山並みが連なっていました。(下写真)


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カンチャナブリの樹林の向こうに連なる山並みはミャンマーとの国境

ブーゲンビリアの名前は、18世紀にブラジルで此の植物を採取してフランスに持ち帰った仏海軍の航海士の名前に由来すると記憶していたのですが、今回、このBLOGを書くに当たってネットで確認してみると・・・ブラジルというのは勘違いでした。

フランス軍艦( 艦長:ブーガンヴィル・1729生-1811没 )が、フランス初の世界周航の探検航海 ( 1766年~1769年 ) の途上、南西太平洋のソロモン諸島北部の島に寄航した折に、色鮮やかに染まる苞葉の植物を発見してフランスに持ち帰ったことから、此の島を“ブーゲンビル島”、此の植物を “ ブーゲンビリア ” と名付けたとありました。


(注)ブーガンヴィル氏は、フランス人航海者、海軍将校(艦長)、数学者。
(注)探検航海の期間 1768年~1769年(将軍・徳川家治の時代)
(注)現在のブーゲンビル島はパプアニューギニアの所属。

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丘の麓に見える建物は、古戦場だった此の地を記念する歴史博物館

ブーゲンビリアを材料にした香水があると聞いたことがありますが、色鮮やかな苞葉からは、香ばしい匂いを嗅ぎとることは出来ませんでした。製造工程で苞葉を蒸したり、或いは、絞り出した樹液を原料にしているのかも知れませんね。

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古戦場の防塁跡に咲きほころぶブーゲンビリアとミャンマー国境の山並み

昨日のBLOGに掲載したポインセチアと同じように、ブーゲンビリアの紅色に染まった部分は、3枚の苞葉(6枚の種類も有り)であり、決して花弁ではありません。色づいた苞葉の中央部から突出している小さくて可憐な3つの白い部分、これがブーゲンビリアの花の萼(がく)になります。(下写真)

科名: オシロイバナ科   Nyctaginaceae
属 名: ブーゲンビリア属  Bougainvillea
和 名: イカダカズラ
英 名: ブーゲンビリア
タイ名: フアン・ファー ดอกเฟื่่่่่องฟ้า (意味:空に向って繁栄する花)
中国系タイ人は、濃いピンク色のブーゲンビリアを、ツルット・ジーン ตรุษจีน(中国正月)と呼びます。

花言葉:情熱、魅力


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紅色の部分は花ではなく苞葉。苞葉の中央部分に突起した白い部分がブーゲンビリアの花の萼

僕が住んでいるバンコクの部屋のベランダには、タイ人の職人が接木してくれた紅、白、橙の三色の苞葉が咲くブーゲンビリアの老木(高さ1m50cm)が置いてあり、殆ど1年を通して、3色の苞葉の咲き競う様子を観ることが出来ます。

しかし、バンコク名物の強風が吹き付ける季節になると、薄くて軽い苞葉は、吹き飛ばされて上空に舞い上り、やがて、地上へと舞い降りて行ってしまいます。飛散する苞葉が人様のベランダに舞い落ちて御迷惑をお掛けしているのでは・・・と気になってしまいます。

タイでは、ブーゲンビリアを門、生垣、庭園や広場などの遊歩道沿いなどに植えているケースが多いのですが、最近、バンコクの小学生の母親グループが、学校の生垣に植えられているブーゲンビリアを撤去するように運動しているという話しを聞きました。


飛散する苞葉ゴミになるのが理由かと思ったのですが、実際の理由は、ブーゲンビリアので子供が怪我をすることが多いからなのだとか。タイにも過保護の波が・・・?

ブーゲンビリア、薔薇、サボテン、美しい花や苞葉のあるものには “ ” がつきものなのですね。棘のあるものは、植物であれ、人間様であれ、御用心!御用心!