《①タイの野菜料理に初挑戦の続きです》

恥ずかしながら、自炊らしい自炊をする能力もなく、いつまでも老妻に頼りきりの僕は、厚労省から “ 初期高齢者 ” と区別用語を頂戴しても致し方のない存在かもしれません。 

なんとなれば、タイに移り住んでから、僕がした手料理(?)と言えば、インスタント料理に限りなく近い “ トム・ヤム・クン ” 、 “ 石焼きビビンバ ”、“ タイスキ ” くらいなのですから。

まるで頼りない僕ではありますが、パック・ブン・ファイ・デーンを料理するための食材と調味料の調達をするべく、単身、勇躍! 市場に向かいました。

僕   『 プリック下さい
女   『 プリック・キーヌー? それとも、プリック・キーノックかい?

鼠の糞の唐辛子(プリック・キーヌー พริกขี้หนู )?、それとも、 鳥の糞の唐辛子(プリック・キーノック พริกขี้นก )が欲しいのか? 』 と聞かれているのですが、はてさて、どちらにしたら良いのか、さっぱり分かりません。困惑顔の僕に向かって、小母さんは笑いながら続けます。

鼠の糞の赤唐辛子(プリック・キーヌー・デーン พริกขี้หนูแดง )なら目の前にあるだろう

料理本の写真に赤色の唐辛子が使用されていたのを覚えていたので、鼠の糞の赤唐辛子(プリック・キーヌー・デーン)が多く入った皿を購入しました(下写真右端)。


市場に並べられていたプリックの皿

次は、ニンニク ( グラティアム กระเทียม )です。ニンニクも種類が多く、何が適当なのかさっぱり分かりません。値段もピン・キリです。産地もタイ北部のチェンマイ県、ラムプーン県、ラムパーン県など様々なものが並んでいます。

彼女 『 最高級品のニンニク・グラティアム・ホーム กระเทียมหอมもあるよ
彼女 『 これは一番のニンニクだよ! 潰しても良し! 刻んでも良し! 』 

そう言われても、、潰すのと刻むのとで何がどう違うのかも分からないのですが、そんなに上等のニンニクを使うこともないだろうと勝手に判断し、小粒のニンニクが入った小袋を購入(25バーツ 約75円)しました。


山積みされたニンニク
    
さて、次は肝心要の“ 空芯菜 ” です。僕が事前に読んだ料理本によると、タイで生産・販売している空芯菜には三種類(下記参照)あるようですが、僕が料理するつもりの “ パッツ・パック・ブン・ガップ・タオチ゛イアオ ผัดผักบุ้งกับเตัาเจี้ยว に使用するのは、中国空芯菜 ( パック・ブン・ジーン ผักบุ้งจีน )です。

①中国空芯菜(緑色)“ パック・ブン・ジーン ” ผักบุ้งจีน
②タイ空芯菜(緑色)“ パック・ブン・タイ・ナーム ” ผักบุ้งไทยน้ำ
③タイ空芯菜(赤色)“ パック・ブン・タイ・デーン ” ผักบุ้งไทยแดง

空芯菜の種類を間違えると、味も口当たりも全く異なるものができるようなので、心して懸からねばなりません。 とは言っても、三種類を識別する知識は皆目ないので、小母さんに聞くしかありません。

僕   『 中国空芯菜ありますか?
女   『 目の前にあるのが中国空芯菜だよ
僕   『 無農薬の中国空芯菜はありますか?
女   『 無農薬の中国空芯菜は一束25バーツだよ

迷うことなく、一束25バーツ(約75円)の無農薬の中国空芯菜(パック・ブン・ジーン ผักบุ้งจีนを購入しました(下写真)。


中国空芯菜 “ パック・ブン・ジーン ”ผักบุ้งจีน

チョット横道に逸れますが・・・

タイで生産している空芯菜には三種類あることを先述しました。その内の一つが、今日の話題の中国空芯菜(上写真)です。

残りの二種類้は、茎が赤色のタイ空芯菜 “ パック・ブン・タイ・デーン ”
ผักบุ้งไทยแดง と 茎が緑色の “ パック・ブン・タイ・ナーム ” ผักบุ้งไทยน้ำ になります。


茎が赤色のタイ空芯菜 “ パック・ブン・タイ・デーン”ผักบุ้งไทยแดง

上写真の “ パック・ブン・タイ・デーン ” は、パック・ブン・ファイ・デーンの食材として使用されることはなく、他の料理の “ あしらい ” として使用されているようです。(料理名は聞いたのですが忘れてしまいました) 


茎が緑色の“ パック・ブン・タイ・ナーム ”ผักบุ้งไทยน้ำ

上写真の “ パック・ブン・タイ・ナーム ” も、パック・ブン・ファイ・デーンに使用されることはなく、タイ・ラーメンなどの “ あしらい ” として使用されているようです。

タイ料理の定番の一つである “ パック・ブン・ファイ・デーン ” にも拘わらず、上写真2枚のタイ空芯菜が使われず、中国空芯菜のみが使用される理由は・・・実に簡単な理由でした。

パック・ブン・ファイ・デーン ”の生まれ故郷は、タイではなく、中国だったのです。


今回で、料理を完成する記事まで書き終わるつもりでしたが・・・材料を調達するのに時間がかかり過ぎてしまいました。

申し訳ありませんが、最終仕上げは次回という事で・・・御容赦下さい。