会食が入っていて出かけますので、写真主体の簡単なBLOGと致します。

僕の住むマンションの近くにある高級ビジネス・ホテルの前庭に、お気に入りの背の高い観葉植物があります。日本語名は、“ 芭蕉扇 ”ですが、英語名の“ Traveller's Tree ”、つまり、“ 旅人の木 ”の名前で広く知られている“ 熱帯性高木の観葉植物 ”(下写真)です”。


旅人の木として親しまれる熱帯性高木の観葉植物(ホテルの前庭)

実は、1991年当時の話ですが、僕が住んでいたマンションの部屋の直ぐ上の階に、このホテルのオーナーが住んでいて、彼のバス・ルームからの漏水が、僕の寝室の天井を落下させるという災害を引き起こしたことがありました。

ホテル・オーナーは、直ぐに復元工事を行ってくれたのですが、工事期間中の僕の住処として、高級ビジネス・ホテルの一室を約1ケ月提供してくれました。加害者が弁償能力を持つ裕福で親切な人の場合は、たとえ被害者の立場であっても、不幸中の幸いというか、安心しきって相手に任せられるものです。なんとなれば、僕は、約一ヶ月もの間、提供された快適なホテルの部屋の窓から、毎日のように、熱帯性高木の“ 旅人の木 ”を眺めることが出来たのですから。

2003年になって、中国の北京から再びタイに舞い戻り、バンコクに住み着く決心をした時、迷うことなく、以前住んでいたマンションの部屋を買い取りました。その時点では、高級ビジネス・ホテルは転売されていて、ホテルの名前は変っていましたが、僕のお気に入りだったホテルの前庭の植物はそのまま継承され、現在も、昔と同じように“ 旅人の木 ”が並んでいます。


現在も、ホテルの前庭で、旅人の木として親しまれる熱帯性高木の観葉植物

旅人の木のファミィリー・ネームは“ バショウ科 ”なので、同じ仲間のバナナやストレリチアの葉に似ていますが、高く真っ直ぐに伸長する大団扇のような印象的な姿形は、彼方此方の国から訪れる旅人の気持ちを優しく癒してくれる風情を漂わせます。


ラーマ九世公園で見かけた親子の旅人の木

旅人の木 ”という素晴らしい名前の由来は、葉の柄に蓄えられた樹液を旅人が飲むことが出来るからだとか、団扇状の葉が東西の方向に広がり、旅人に方位を示唆するからと言ったような説があるようです。

素晴らしい名前の“ 旅人の木 ”に難癖を付ける意図は無いのですが、僕の個人的意見としては、“ 旅人の木 ”の葉は、特に東西の方向に広がっている訳ではなさそうだし・・・それよりも何も、この植物は、水のある場所にしか自生できない熱帯植物の筈です。あの背の高い幹から生え出た固くて重い葉柄を、態々、手折って樹液を飲むよりも、周囲にあるであろう水を捜して飲むほうが簡単なのでは・・・

何処からでも識別できる特徴のある姿形からして、旅する人の“ ランド・マーク ”になっていたのではないでしょうか。