道路標識にしろ、警告標識にしろ、 『 文字の標識 』 よりは、『 絵柄の標識 』 の方が遥かに分かり易く、有効だと思います。その絵柄のデザインが、視覚的に優れたものであれば、一瞥するだけで、その標識の告げたい事を瞬時に理解できるに違いありません。
例えば、バンコク郊外のラーマ9世公園内の“活きた魚”の 『 魚釣禁止 』 と 『 放魚禁止 』 の絵柄の標識などは、世界中の誰が見ても、その意味を端的に理解することができます。若しも、その背景にある文化的風習を知っている人であれば、その理解度は、更に増すに違いありません。


左:魚釣り禁止の標識 右:放魚禁止の標式
タイでは、活きた魚や小鳥を放って自然に戻すと、それは徳を積んだ行為と看做され、現世と来世で幸せを得られると信じられています。その為に、活きた魚や小鳥を態々買い入れて、池や川に放流する信仰があります。しかし、魚の無秩序な放流は、自然体系を破壊することにも繋がり、一部の地域では、『 放魚禁止 』 の標識を見受けるようになりました。


左:放流する魚の販売所 右:放つ小鳥の販売所
バンコクの 『 ゴミのポイ捨て禁止標識 』 も、端的に理解できる簡単明瞭な絵柄標識(左写真)の筈なのですが、その抑制効果は今ひとつ芳しくないと聞きます。特に、屋台で使用されるビニール袋のポイ捨ては、社会問題にもなっています。そこで出現したのが、復古調の 『 文字の標識 』(右写真) です。


左:ゴミのポイ捨て禁止の絵柄の標識
右:ゴミのポイ捨ては2,000バーツの罰金の標識
“ゴミのポイ捨ては罰金”の標識は、ベニア板にペンキ塗りした仕上げで、前回BLOGで紹介した、“煙草を吸った人は2000バーツ(約6,300円)の罰金” の標識と比べれば、完成度は一段と低くて御粗末なものですが、その効果の程は意外にも高いのだそうです。
数日前、バンコク・スアンプルー路にある入国管理事務所から、僕の一年間の滞在査証更新の際に、係官が記入ミスをしたので、パスポートを持参して欲しいとの丁重な電話をもらい、車を運転して再出頭した時のことです。
毎度のことですが、狭い駐車場は満車状態で、敷地内の外周を駐車場が空くまで周回するしかありません。気がつくと、駐車場に、今まで見たことの無い、タイ文字だけの 『 文字標識 』(下写真)が掲げられていました。

入国管理事務所の駐車場内の真新しい標識
標識(上写真)には次のように書いてありました。
-決められた車線にきちんと駐車しなさい จอดให้ตรงช่องที่กำหนด coot hai trong choong thii kamnot
-車輪を(曲げないで)真っ直ぐに置いて下さい กรุณาตั้งลอัตรง karunaa tang loo trong
-ギアをニュートラルにして置いて下さい ปลดเกียร์ว่าง plot kia waang
-手動ブレーキを外して下さい ปลดเบรคมือ plot breekh muu
バンコクに限りませんが、タイでは狭い駐車場を友好に使用するために、駐車する車両は、ギアを中立に入れた侭にし、尚且つ、手動ブレーキを開放して置くことが求められことが多々あります。ルール違反者がいると、駐車場は大混乱に陥り、時には、それが原因で暴力沙汰に発展することすらあります。
入国事務所の敷地内放送が、『 赤色のトヨタ・コロナ、登録番号○○-○○ の運転者は駐車場に大至急戻りなさい 』 と告げ始めました。駐車場の利用客の殆どは外国人客ですが、呼び出し放送は、英語ではなく、タイ語だけでした。
暫くすると、大柄な若いインド人男性が出て来たので一件落着したのですが・・・怒り心頭に発した役人が印度人を説教し始めました。
役人 『 ルールを守らなければ駄目じゃないか!』
印度 『 すみません 』
役人 『 大声を出して標識を読んでみろ!』
印度 『 ・・・・ 』
役人 『 標識を読んだら、今回は許してやるから 』
印度 『 勘弁して下さい。タイ文字は読めないのです 』
印度人は、役人に対して、拝み倒しの 『 合掌 』を何度も繰り返しながら、何かをすばやく手渡し、ようやく許しを得たようでした。
タイに住んでいる印度人は、タイ語を頗る上手に話す人が多いのですが、中には、タイ文字を読めない人もいることを初めて知りました。
それにしても、外国人が集まる入国管理事務所の駐車場の警告標識が、タイ語だけとは・・・驚き、桃の木、山椒の木。でも、これがタイの愛すべき好い加減さなのです。
日本の入国管理事務所の外国人に対するサービスは・・・どんなんでしょうかね?
例えば、バンコク郊外のラーマ9世公園内の“活きた魚”の 『 魚釣禁止 』 と 『 放魚禁止 』 の絵柄の標識などは、世界中の誰が見ても、その意味を端的に理解することができます。若しも、その背景にある文化的風習を知っている人であれば、その理解度は、更に増すに違いありません。


左:魚釣り禁止の標識 右:放魚禁止の標式
タイでは、活きた魚や小鳥を放って自然に戻すと、それは徳を積んだ行為と看做され、現世と来世で幸せを得られると信じられています。その為に、活きた魚や小鳥を態々買い入れて、池や川に放流する信仰があります。しかし、魚の無秩序な放流は、自然体系を破壊することにも繋がり、一部の地域では、『 放魚禁止 』 の標識を見受けるようになりました。


左:放流する魚の販売所 右:放つ小鳥の販売所
バンコクの 『 ゴミのポイ捨て禁止標識 』 も、端的に理解できる簡単明瞭な絵柄標識(左写真)の筈なのですが、その抑制効果は今ひとつ芳しくないと聞きます。特に、屋台で使用されるビニール袋のポイ捨ては、社会問題にもなっています。そこで出現したのが、復古調の 『 文字の標識 』(右写真) です。


左:ゴミのポイ捨て禁止の絵柄の標識
右:ゴミのポイ捨ては2,000バーツの罰金の標識
“ゴミのポイ捨ては罰金”の標識は、ベニア板にペンキ塗りした仕上げで、前回BLOGで紹介した、“煙草を吸った人は2000バーツ(約6,300円)の罰金” の標識と比べれば、完成度は一段と低くて御粗末なものですが、その効果の程は意外にも高いのだそうです。
数日前、バンコク・スアンプルー路にある入国管理事務所から、僕の一年間の滞在査証更新の際に、係官が記入ミスをしたので、パスポートを持参して欲しいとの丁重な電話をもらい、車を運転して再出頭した時のことです。
毎度のことですが、狭い駐車場は満車状態で、敷地内の外周を駐車場が空くまで周回するしかありません。気がつくと、駐車場に、今まで見たことの無い、タイ文字だけの 『 文字標識 』(下写真)が掲げられていました。

入国管理事務所の駐車場内の真新しい標識
標識(上写真)には次のように書いてありました。
-決められた車線にきちんと駐車しなさい จอดให้ตรงช่องที่กำหนด coot hai trong choong thii kamnot
-車輪を(曲げないで)真っ直ぐに置いて下さい กรุณาตั้งลอัตรง karunaa tang loo trong
-ギアをニュートラルにして置いて下さい ปลดเกียร์ว่าง plot kia waang
-手動ブレーキを外して下さい ปลดเบรคมือ plot breekh muu
バンコクに限りませんが、タイでは狭い駐車場を友好に使用するために、駐車する車両は、ギアを中立に入れた侭にし、尚且つ、手動ブレーキを開放して置くことが求められことが多々あります。ルール違反者がいると、駐車場は大混乱に陥り、時には、それが原因で暴力沙汰に発展することすらあります。
入国事務所の敷地内放送が、『 赤色のトヨタ・コロナ、登録番号○○-○○ の運転者は駐車場に大至急戻りなさい 』 と告げ始めました。駐車場の利用客の殆どは外国人客ですが、呼び出し放送は、英語ではなく、タイ語だけでした。
暫くすると、大柄な若いインド人男性が出て来たので一件落着したのですが・・・怒り心頭に発した役人が印度人を説教し始めました。
役人 『 ルールを守らなければ駄目じゃないか!』
印度 『 すみません 』
役人 『 大声を出して標識を読んでみろ!』
印度 『 ・・・・ 』
役人 『 標識を読んだら、今回は許してやるから 』
印度 『 勘弁して下さい。タイ文字は読めないのです 』
印度人は、役人に対して、拝み倒しの 『 合掌 』を何度も繰り返しながら、何かをすばやく手渡し、ようやく許しを得たようでした。
タイに住んでいる印度人は、タイ語を頗る上手に話す人が多いのですが、中には、タイ文字を読めない人もいることを初めて知りました。
それにしても、外国人が集まる入国管理事務所の駐車場の警告標識が、タイ語だけとは・・・驚き、桃の木、山椒の木。でも、これがタイの愛すべき好い加減さなのです。
日本の入国管理事務所の外国人に対するサービスは・・・どんなんでしょうかね?