タイの地方旅行をしていると、バンコクでは『生け花』とか『鉢植え』でしか見ることの出来ないような花が、自然の景観の中で何気なく自生している様子をしばしば目にすることがあります。
例えば、昨年末の北部旅行では、鉢植でしか見たことの無い『ポインセチア』(下写真)が、山奥の急斜面や山岳道路の路肩に自生している姿を目の当たりにすることが出来ました。(既にBLOGで既述済み)


タイ北部の山中(標高1000m)に自生するポインセチア
そして、バンコクに住んでいると、超豪華な『生け花』や『贈り花』として偶に目にするしかない『ヘリコニアの花』も、田舎のひなびた路地の生垣や、寺院境内の片隅などにチョット足を運ぶだけで、その幾重にも繋がった鮮やかな包みがふんだんに自生している様子を見ることが出来ます。
そのような訳で、本日のBLOGは、タイ北部で見かけた『自生するヘリコニア属の花』を御紹介することにしたいと思います。
『ヘリコニア』はバショウ科のヘルコニア属ですが、『ヘリコニア』の名前の由来は、“ギリシャ神話の芸術の女神(ムーサー)が住むヘリコン山に咲く花”から来ているようです。
『ヘリコニア』の種類は30種から40種、人によっては150種との説もあるようですが、大きく分けて、下垂れ状態で咲く花と、上方に向かって咲く花の二種類に分類できるようです。何れにしても、地下茎が伸びて繁茂する多年草で、独特の形をした包みが左右二例に互い違いに咲いて伸長する生命力の強い熱帯性植物です。


左写真:下垂れの形で咲くヘリコニア
右写真:上方に向かって直立状に咲くヘリコニア
『ヘリコニア』は堅苦しい学名ですが、英語では『LOBSTERl CLAW』(海老のつめ)、『PARROT BEAKS』(オウムのくちばし)、タイ語では『ガーム・クン』(海老のつめ)とか、『ソーイ・ガッタリー(注)』(バナナのネックレス)などのように、鮮やかな紅色の包みの姿形をイメージした俗称で呼ばれています。
ガッタリーは、グルアイ(バナナ)の文語的表現なのですが、随分と高尚で、詩的で美しい名づけがなされたものだと思います。それに反して、日本語では、『ヘリコニア』というガチガチの学名がそのまま呼称として用いられています。
(注)ソーイ・ガッタリー = ปักษาสวรรค์ = バナナのネックレス
(注)ガーム・クン = ก้ามกุ้ง = 海老のつめ
上記の種類の外に、日本で『極楽鳥花』(下写真)として呼ばれる吉兆の花がありますが、これも『ヘリコニア』の仲間に属する花の一つです。タイでは『パックサー・サワン(注)』(天国の鳥)、英国では、ジョージ三世王妃の名前から採った『ストレリチア』(STRELITZIA)と、これまた崇高な名付けがなされています。
(注)パックサー・サワン = ปักษาสวรรค์ = 天国の鳥


日本:極楽鳥、
タイ:天国の鳥、
英語:ストレリチア
タイでは下の写真の『パックサー・サワン』(天国の鳥)を、『父の日』に父親に捧げる花として用いられます。因みに、母親に捧げる花は『ドーク・マリ(注)』(ジャスミン)です。僕が日本で結婚した若かりし頃、披露宴会場を飾る高級花といえば、『極楽鳥花』と相場が決まっていたものですが、現在はバラが主流なのでしょうか?
(注)ドーク・マリ = ดอกมะลิ = ジャスミン


左写真:父の日に贈られる天国の鳥の花
右写真:母の日に贈られるジャスミンの花
タイ北部旅行中にタイ人から聞いた話ですが、タイでは『ヘリコニアの花』は吉兆花として位置づけられていて、自宅の南方向、又は東方向に、何故なのか水曜日に植えるのが良いのだとか。更に、咲いた花を花瓶に生けて、三宝(仏法僧 プラ ラッタナ トライ พระรัตนตรัย) に捧げ、家内安全、家族の健康と幸福を祈るのだそうです。
タイ人は吉兆の信仰心が大変に強く、生まれた曜日ごとの色だけでなく、曜日ごとの吉兆の花を愛し、毎日のように土地神様や三宝に花をささげて合掌します。兎に角、老いも若きも、吉兆花好きで信仰心の篤い国民です。
例えば、昨年末の北部旅行では、鉢植でしか見たことの無い『ポインセチア』(下写真)が、山奥の急斜面や山岳道路の路肩に自生している姿を目の当たりにすることが出来ました。(既にBLOGで既述済み)


タイ北部の山中(標高1000m)に自生するポインセチア
そして、バンコクに住んでいると、超豪華な『生け花』や『贈り花』として偶に目にするしかない『ヘリコニアの花』も、田舎のひなびた路地の生垣や、寺院境内の片隅などにチョット足を運ぶだけで、その幾重にも繋がった鮮やかな包みがふんだんに自生している様子を見ることが出来ます。
そのような訳で、本日のBLOGは、タイ北部で見かけた『自生するヘリコニア属の花』を御紹介することにしたいと思います。
『ヘリコニア』はバショウ科のヘルコニア属ですが、『ヘリコニア』の名前の由来は、“ギリシャ神話の芸術の女神(ムーサー)が住むヘリコン山に咲く花”から来ているようです。
『ヘリコニア』の種類は30種から40種、人によっては150種との説もあるようですが、大きく分けて、下垂れ状態で咲く花と、上方に向かって咲く花の二種類に分類できるようです。何れにしても、地下茎が伸びて繁茂する多年草で、独特の形をした包みが左右二例に互い違いに咲いて伸長する生命力の強い熱帯性植物です。


左写真:下垂れの形で咲くヘリコニア
右写真:上方に向かって直立状に咲くヘリコニア
『ヘリコニア』は堅苦しい学名ですが、英語では『LOBSTERl CLAW』(海老のつめ)、『PARROT BEAKS』(オウムのくちばし)、タイ語では『ガーム・クン』(海老のつめ)とか、『ソーイ・ガッタリー(注)』(バナナのネックレス)などのように、鮮やかな紅色の包みの姿形をイメージした俗称で呼ばれています。
ガッタリーは、グルアイ(バナナ)の文語的表現なのですが、随分と高尚で、詩的で美しい名づけがなされたものだと思います。それに反して、日本語では、『ヘリコニア』というガチガチの学名がそのまま呼称として用いられています。
(注)ソーイ・ガッタリー = ปักษาสวรรค์ = バナナのネックレス
(注)ガーム・クン = ก้ามกุ้ง = 海老のつめ
上記の種類の外に、日本で『極楽鳥花』(下写真)として呼ばれる吉兆の花がありますが、これも『ヘリコニア』の仲間に属する花の一つです。タイでは『パックサー・サワン(注)』(天国の鳥)、英国では、ジョージ三世王妃の名前から採った『ストレリチア』(STRELITZIA)と、これまた崇高な名付けがなされています。
(注)パックサー・サワン = ปักษาสวรรค์ = 天国の鳥


日本:極楽鳥、
タイ:天国の鳥、
英語:ストレリチア
タイでは下の写真の『パックサー・サワン』(天国の鳥)を、『父の日』に父親に捧げる花として用いられます。因みに、母親に捧げる花は『ドーク・マリ(注)』(ジャスミン)です。僕が日本で結婚した若かりし頃、披露宴会場を飾る高級花といえば、『極楽鳥花』と相場が決まっていたものですが、現在はバラが主流なのでしょうか?
(注)ドーク・マリ = ดอกมะลิ = ジャスミン


左写真:父の日に贈られる天国の鳥の花
右写真:母の日に贈られるジャスミンの花
タイ北部旅行中にタイ人から聞いた話ですが、タイでは『ヘリコニアの花』は吉兆花として位置づけられていて、自宅の南方向、又は東方向に、何故なのか水曜日に植えるのが良いのだとか。更に、咲いた花を花瓶に生けて、三宝(仏法僧 プラ ラッタナ トライ พระรัตนตรัย) に捧げ、家内安全、家族の健康と幸福を祈るのだそうです。
タイ人は吉兆の信仰心が大変に強く、生まれた曜日ごとの色だけでなく、曜日ごとの吉兆の花を愛し、毎日のように土地神様や三宝に花をささげて合掌します。兎に角、老いも若きも、吉兆花好きで信仰心の篤い国民です。