一月二日午前二時、プミポン国王の姉のガラヤーニ王女(84歳)がバンコクのシリラート病院で死去されてから十五日が経過しました。
在りし日のガラヤーニ王女
タイ王室は100日間、タイ政府は15日間の喪に服すことになっていますが、民間TVのニュース・キャスターや司会者も、いまだに黒の喪服を着用しています。一般市民だって例外ではありません。
ガラヤーニ王女の死去を悼む大看板
看板には次のように記されています。
タイ国民は、ガラヤーニ王女殿下に哀悼の意を表します。
พสกนิกรไทย ถวายอาลัย...
แด่ สมเด้จพระเจ้าพี่นางเธอ เจ้าฟัากัลยาณิวัฒนา
กรมหลวงนราธิวาสราชนครินทร์
便宜上、上段の訳は、ガラヤニ王女殿下としましたが、実際の王女のお名前はとても長く、『ソメデット・プラジャオ・ピー・ナーン・トゥー ジャオ・ファー・ガラヤーニ・ワッタナー・グロム・ルアン・ナラティワート・ラーチャ・ナカリン』と書かれています。
タイ人にとっても、さすがに本名は覚え切れないのでしょう、僕の友人は、『ソムデット・プラ・ガラヤーニ』、又は『ソムデット・プラ・ピー・ナーン・トゥー』という愛称で呼びながら哀悼の意を表しています。
僕の住むコンドミニアムのロビーにも、ガラヤーニ王女の等身大の御影が飾られ、居住人は、朝・夕、合掌して深く頭を垂れています。
バンコクのビジネス街や繁華街の彼方此方にも、ガラヤーニ王女の御影が飾られ、道行く人々が合掌しています。
僕の住むコンドー(左)と街頭(右)に飾られた御影
王女に哀悼の意を表するのはタイ人民だけではありません。アユッタヤーの象さんも王女の御影に平伏(グラープ・タオ กราบเท้า)して哀
悼の意を表しています。
合掌する男性 平伏するアユッタヤの象さん(出典:タイ語新聞)
御逝去の報せが流れると、それまで洋服屋の店頭を飾っていた派手な原色の衣服は一斉に姿を消し、黒一色の喪服に変わりました。
喪服といっても、スーツだけではありません。ポロシャツもあればTシャツの類もあります。昔の船乗りが来たような『しま馬柄』のTシャツだって、タイでは喪服として通用します。兎にも角にも、白と黒のコーディーネートであればO.K.なのです。さすが寛大なタイ!日本ではチョット考えられない光景です。
店頭に並んだ黒色の衣服 & 喪服を買い求める人々
現在のバンコクは、通りを歩いても、電車に乗っても、食堂に入っても、何処もかしこも喪服の人だらけです。通常の格好をしているのは外国人観光客だと思ってほぼ間違いありません。
黒色の衣服を選ぶ人々 & 繁華街も黒服ばかり
僕の知っているタイ人の若い女性は、黒いTシャツを五着も買い込み、『私は15日間ではなく、30日間の喪に服すわ』と意気込んでいました。
こんなにも王室を慕う心情を持つ国民は、決して彼女だけに限りません。少なくとも僕の知るタイ人は100%!王室に対して深い崇敬の念を抱いています。
本日で政府関係の15日間の服喪期間は明けましたが、この調子だと、一般国民の自発的な服喪は当分の間続きそうな気がします。
昭和天皇の崩御の時に、僕は何処で、如何なる対応をしたのか?何とか記憶を呼び戻そうとしたのですが・・・何も覚えていません。
恐らくチョット大きなニュースを聞いた程度の感触は持ったと思うのですが、天皇のために喪に服するなんて、露ほども抱かなかったと思います。
別に恥じている訳ではありませんが、こんな心情をタイ人に対して吐露する気持ちはありません。宗教的信仰心の論議と同じで、決して理解してもらえるとは思えないからです。
次回からタイ北部の旅行記事を再スタートするつもりです。