シャム猫特集を続けて来ましたが、タイのラーマ五世王に寵愛された『シャム猫のカーオ・マニー』(ขาวมณี 白い宝石)に、僕の関心が向き過ぎた感がしないでもありません。
シャム猫のカーオ・マニー(白い宝石)
シャム猫BLOG・最終回の本日は、多少の反省を込めて、2007年11月5日のBLOGでチョットばかり触れたシャム猫の原種に登場してもらいたいと思います。
1800年にタイ(シャム国)で発祥したシャム猫の原種は17種ですが、シャム猫特集の①で触れた如く、その殆どは消滅してしまい、今や、シャム猫の原種17種を生きた状態で見ることは叶いません。
しかし、1800年代に仏教僧が書き残した二冊の史料によって、幸いにも、シャム猫の原種17種の特徴を知ることが出来ます。
シャム猫の原種(17種)の特徴を記した1800年代の冊子(出典:タイ語誌 CAT MAGAZINE)
僕が訪れた『シャム猫の館』には、前述のカーオ・マニー(白い宝石)以外に、四種のシャム猫の原種が生存飼育されていました。四種以外に生存している原種としては、南タイで発見された1匹のセーム・サウエート種 (แซมเสวตร)だけのようです。
左写真:記念切手にもなったシャム猫
右写真:シャム猫の館で飼育されているカーオ・マニー以外の四種の原種
シャム猫の権威者によると、現在、欧米諸国で静かな人気を呼んでいるシャム猫は、タイ発祥のシャム猫を多品種と交配して繁殖させた新品種なのですが、世界では『シャム猫』の種名で高い評価を受けているとのことでした。
そう言われれば、欧米で繁殖されたシャム猫写真を見みると、タイに古来から伝わるポッチャリ型のシャム猫と違って、首、四肢の細長さが目立ち、全体としてスリムなイメージが強いような感じがします。
スリムで格好の良いシャム猫(出典:タイ語誌のCAT MAGAZINE)
『シャム猫の館』を運営する初老のオーナーの話によると・・・
オーナー 『此処のいるシャム猫の原種は貴重な宝のような存在です』
僕 『タイの何処かに、まだ生存している可能性もあるのでは?』
オーナー 『可能性はありますが、発見は容易なことではありません』
僕 『南タイで発見されたセーム・サウエート種の繁殖は可能ですか?』
オーナー 『同品種の♂猫が見つかれば・・・可能なのですが・・・』
『原種の猫が国外に持ち去られないことを祈っています』
シャム猫の原種が一種でも多く生存飼育できることを祈りたいと思います。
最後に、余り出来栄えの良くない写真ではありますが、今もタイで生き残っている貴重なシャム猫の原種を、皆さんに御覧いただきたいと思います。
写真左右:カーオ・マニー種 ขาวมณี(白い宝石)
世界中でタイにのみ生存する左右の瞳が異なる色を持つ純粋のシャム猫
写真左右:ウイチアン・マート วิเชียรมาส)の原種
(月の様に輝くダイヤモンドの瞳を持ったシャム猫)
写真左右:スゥパラック ศุภรักษณ์ の原種
(美しい姿態と琥珀色の目を持つシャム猫)
写真左右:スィーサワート สีสวาด の原種
緑っぽい瞳、又は黄金色の瞳と灰色の毛を持つ猫
左写真:ニンラット นิลรัตน์ の原種(最高の価値がある宝石)
右写真:セーム・サウエート แซมเสวตร の原種(黒毛の間に白毛が生えた猫)
セームサウエートはタイ語誌CAT MAGAZINEより転写
シャム猫特集を御覧頂き、誠にありがとう御座いました。