タイ国の金煌金(キンキラキン)の派手な仏教寺院を見つけている僕にとって、久し振りに見る日本のグレー調の地味な仏教寺院は、皮肉でも、お世辞でもなく、本当に奥ゆかしくて心が落ち着く思いがします。










     日本らしいお地蔵様          曹洞宗・瑠璃光寺の寺門





山口盆地の曹洞宗・瑠璃光寺の渡り廊下を降りたところで、チョット面白い書付を見ました。









    瑠璃光寺の趣のある渡り廊下





日本に住んでいる方々からみれば抹香臭い訓えかも知れませんが、二十年近くも海外生活をしている僕にとっては、ちょっと諧謔的な日本語と言うか、思わず“こそばゆく”なるような、“クスッ”と笑ってしまうような、とてもユーモラスで魅力的な日本語に見えたのです。





若しも、その気になればの話ですが、この文書をタイ語に翻訳できたら面白いだろうなと思いつつ、書き留めてしまいました。





“つもりちがい十カ状”





一条 高い つもりで 低いのが 教養


二条 低い つもりで 高いのが 気位


三条 深い つもりで 浅いのが 知識


四条 浅い つもりで 深いのが 欲望


五条 厚い つもりで 薄いのが 人情


六条 薄い つもりで 厚いのが 面皮


七条 強い つもりで 弱いのが 根性


八条 弱い つもりで 強いのが 自我


九条 多い つもりで 少いのが 分別


十条 少い つもりで 多いのが 無駄





そのつもりでがんばりましょう





十カ状 の側に目をやると、もうひとつの書付が貼ってありました。








“ぼけない五カ状”





一条 仲間がいて 気持ちの若い人


二条 人の世話をよくし 感謝のできる人


三条 ものをよく読み よく書く人


四条 よく笑い 感動を忘れない人


五条 趣味の楽しみを持ち 旅の好きな人





ぼけたらあかん せいぜい長生きしなはれや





それでは、おやすみなさい