( 2007年4月12日のブログの続きです )

前回のブログで『 タイ桜 』( チョンプー・パンティップ )について触れましたが、タイに住むサクラ好きの日本人から、『 サクラもどき 』と呼ばれている『 バライロモクセンナ 』という花木があります。

この花には20種類前後の仲間がいるそうですが、植物学的には、『 タイ桜 』のチョンプー・パンティップとは異なる花だと思います。


タイに魅せられてロングステイ
サクラもどきと呼ばれる仏教公園内の『 バライロモクセンナ 』

僕のお気に入りの花は、プッタモントン仏教公園の出口に向かう路肩に咲き乱れる『 バライロモクセンナ 』です。この種類の花は、開花時期を迎えても緑の葉が多く茂っていて、チョット見には風情が良くありません。

しかし、晴れた日に仰ぎ見ると、白色に近いピンク色の花弁を通して空の青が透けて見えるような感じになり、まるで『 染井吉野 』を見ているような気分になります。

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バライロモクセンナの花弁

『 バライロモクセンナ 』は、『 タイ桜 』 (チョンプー・パンティップ) のような輸入花ではなく、
タイ北部原産の『 ガン・ラ・パ・プルック 』กัลปพฦกษ์ だと聴きました。

樹皮は皮をなめしたり、赤い染料を取り出すのに使われると聞いたことがあるのですが・・・未だにその作業現場を見たことがありません。


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バライロモクセンナの特徴である濃い桃色の蕾(?)

この花の特徴は、花弁の中から突き出ている濃い桃色の蕾(?)だろうと思います。この蕾の存在が嫌われて、『 タイ桜 』として認知されずに、『タイ桜もどき 』と呼ばれるようになったのかも知れません。

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バライロモクセンナの木 (タイ語名 : トン・ガン・ラ・パ・プルック ) 

タイ上座部仏教に於いては、『 ガン・ラ・パ・プルック 』は、『 天界五華 』の一つの華として崇められているのだそうです。帝釈天の喜林園にある此の木は、欲しいものを何でも叶えてくれるという如意樹だそうです。なんとも頼もしい樹ではありませんか!

タイでは功徳を積む『 タム・ブン 』( ทำบุญ )の一つの形態として、クリスマスツリーの飾りのように、紙幣を小枝に挟んで寄進する習慣がありますが、自分の大切な願い事を託す木は、『 ガン・ラ・パ・プルック 』と決まっているようです。

 ガン・ラ・パ・プルックの小枝に紙幣を挟んで願い事を託します

タイの俗語ですが、男性の下半身の二つの袋のことを、『 プアン・ガン・ラ・パ・プルック 』
( พวงกัลปพฦกษ์ ) と言います。 欲しいものは何でも叶えてくれるという『 如意樹 』の名前が、何故に男性の大事な金の袋の俗称として用いられているのでしょうか? 

勝手な想像ですが、『 リンガ信仰 』と同じように、子孫繁栄の役割を担う『 金の袋 』に敬意を表して名付けられたのでは・・・ないでしょうか?

以上、前回ブログの『 タイ桜 』に続く『 桜もどき 』、つまり、ガン・ラ・パ・プルックのお話でしたが・・・僕に言わせれば、染井吉野に少しばかり似ているような『 桜もどき 』、つまり、
『 ガン・ラ・パ・プルック 』こそ、『 タイ桜 』に相応しいと思っているのですが・・・